第1回 
伝統的な滋養強壮食品「ニンニク」

伝統的な滋養強壮食品「ニンニク」

 このコーナーでは、日ごろ健康のために口にされている、身体にいい食材・素材のチカラをご紹介していきます。
 第1回は、食べると元気になると言われている、伝統的な滋養強壮食品の「ニンニク」です。

ニンニクは紀元前から大活躍

 ニンニクはユリ科の多年草で、中央アジアを起源とし、世界各国で古くから栽培されてきました。日本には奈良時代に渡来し、「大蒜(おおびる)」の名で古事記や源氏物語にも登場しています。
 ニンニクは、今でこそスパイスとして日常的に食べられていますが、昔から、それ以外にもさまざまな場面で使われてきました。エジプトでは、紀元前からピラミッド建設に従事した労働者のスタミナ源として食べさせていただけでなく、ケガをしたときにはその絞り汁を消毒にも使っていたといわれています。また、スライスしたニンニクを肉や魚の間に挟んで腐敗を防止したり、抗菌・消毒の目的でも使われていました。

においのもとが変化してアリチアミンに

 ニンニクには、におい成分のもととなるアリインという物質が含まれています。ニンニクを切ったりすりつぶしたりすると、ニンニクに含まれるアリインが酵素の働きによってアリシンという強力な臭い物質に変化します。アリシンは他の物質と反応しやすく、すぐにさまざまな物質と結合して多彩な成分が作られます。このようにしてできる成分の一つに、アリチアミンという物質があります。

アリチアミンがビタミンB1の吸収をサポート

 アリチアミンはビタミンB1とアリシンが結合してできた物質です。ビタミンB1は、細胞内で糖質からエネルギーを作り出すために欠かせないビタミンですが、分解されやすく、また水溶性なので体内に長く蓄えることができません。ビタミンB1が不足すると、疲れやすくなったりやる気がなくなってしまうことがあり、健康生活の妨げとなってしまいます。しかしビタミンB1は、アリシンと結合してアリチアミンになると、非常に吸収が良くなります。また脂溶性に変わるので体内に蓄えられやすくもなるのです。
 このような働きからニンニクは、“スタミナがつく、元気になる食べ物”と言われてきました。エネルギー代謝を高め、また疲労回復効果を長続きさせることから、年代を問わず多くの方に好まれています。そのほかにもニンニクは、免疫機能の向上や生活習慣病に関与したり、殺菌作用があるなどさまざまな働きが報告されています。美味しいだけでなくさまざまな健康効果が期待できるニンニクを、毎日の食卓で利用してみてはいかがでしょうか。