第11回
躍進するアジアの雄、中国(4)北京篇

観光地として有名な故宮と天安門

観光地として有名な故宮と天安門

 世界最大の人口を誇る中国。約13億人の人口を有するこの大国は、1900年代後半から急速な経済発展を遂げ、2010年にはGDP(国内総生産)で日本を抜き、アメリカに次ぐ世界第2位の経済大国に躍り出ました。世界における中国の影響力はますます大きく、その動向に世界中が注目しています。
 ここ、中国にもセコムは進出しています。国土が広大であることから、北京にある持株会社・西科姆セコム中国有限公社のもと、主要都市ごとにグループのセキュリティ会社を設立し、その地域に密着した「安全・安心」を提供しています。シリーズ第11回は北京をご紹介します。
 北京市は、ご存知の通り中国の首都で、元のクビライが大都(現在の北京)に都を構えて以来、辛亥革命以降の一時期を除き、一貫して中国の首都であり続けました。そのため、歴史的な建物が多く、皆さんには故宮や胡同、万里の長城を代表とする古都としての印象が強いと思います。
 しかし、改革開放後、古い町並みは次々と取り壊され、人口2000万人を越えるモダンな都市に変貌しています。道路は、碁盤の目のように整然と東西南北に引かれ、片側5車線の環状道路が5本、市を取り巻くようにして整備されています。
 また、首都であることから、中国各地に至る高速道路が集中する交通の要所であり、最近では、車の増加と深刻な交通渋滞が大きな社会問題とまでなっています。
「北京は政治の町、上海は経済の町」と言われ、経済的には上海の後塵を拝していますが、医療、教育、ITの分野では、全ての優秀な頭脳と機関が北京に集中していて、首都ということで資金も集中する都市です。


犯罪統計データ以上に体感治安が重要

近代化により整備された北京市内の道路

近代化により整備された北京市内の道路

 一般に、北京は、中国で最も治安の安定した街と言われてきました。特に、2008年の北京オリンピック開催までの間、公安機関が犯罪発生の要因となるあらゆる根を取り除き、犯罪発生率も下がったと言われています。
 また、諸外国の首都では考えられませんが、北京では、北京市戸籍を持つものと流入労働者の間に、大きな処遇の格差を設けて、定住を困難にしています。ほかにも、治安維持を目的に、北京市以外の車両が自由に出入りすることさえ厳しい制限を設けていたり、大型トラックの昼間の市内乗り入れも禁止となっているなど、首都はいまだ見えない城壁で囲まれています。
 こうした規制とともに、人口比で警察官の配置が全国で一番密度が高いと言われています。そのため、北京市政府も治安の良さを強調します。しかし、政府の言うとおり本当に犯罪の少ない町なのでしょうか。実は、表向きの公表された情報を鵜呑みにはできない事情があります。
 中国に共通するのは、経済などの統計データ同様に、政府が公表する数値が必ずしも正確なデータではないことがあります。公安当局でも、犯罪の発生件数や傾向を正確に公表することがほとんどありません。
 そのため、北京に住む人は、普段の生活で周囲から聞きおよぶ犯罪の見聞やネットから洩れた情報を総合的に判断して、犯罪の傾向や危険を予知します。

油断は禁物、北京の犯罪事情

近代的なビルが立ち並ぶ北京市内の様子

近代的なビルが立ち並ぶ北京市内の様子

美しくライトアップされた烏巣公園

美しくライトアップされた烏巣公園

 都市の近代化に伴い北京における凶悪犯罪の発生件数は、確かに減少してきましたが、窃盗、置き引き、スリ、詐欺などの犯罪は依然として多いのが現実です。その数は、身近に被害経験をした人間がどれだけいるかでも分かりますが、それは日本とは比較にならないほどです。
 ここ最近、貧困の格差の問題、農村と都市市民の格差の問題、急激な物価の高騰など、社会不安を助長する要因が増えてきています。北京には全国からお金持ちが集まり、高級マンション、別荘、贅沢品などがあふれていますが、一方で都市労働者や失業者、老人世帯などは、苦しい生活にあえいでいることも多いのです。この傾向は、政府も一朝一夕に解決できない社会問題として、年々顕著になりつつあります。
「贅沢」と「困窮」が混在する社会では、犯罪は増加の傾向に向かうと言われていて、特に物価上昇で庶民の生活苦に拍車をかけた2011年は、窃盗事件が急激に増加し、さらに今後の景気低迷が追い討ちをかけないかと心配されています。
 旅行などで北京を訪れた方は、近代的な町並みと夜遅くまで活動を続ける活発な商業地区を目のあたりにして、表面的には治安が良いような印象を持たれるでしょうが、油断は禁物です。特に、人気の少ない路上や深夜の繁華街、無人ATMでの出金の際は、周辺に注意を払いながら行動することが大事です。
 また、公共バスや地下鉄内での置き引きやスリも多いので、大事なものはしっかり身につけ、周囲に隙を見せないよう心がける必要があります。春節や国慶節などの大きな連休に入る時期には、窃盗事件などが増加しますので、この時期に北京に来られる際は、特に注意しましょう。せっかくの楽しい旅行がちょっとした油断で一転して苦々しい思い出になってしまわないように気をつけてください。

地域の信頼を集める北京西科姆

 私たち北京西科姆は、地域公安局とも良好な協力関係にあり、お客さまの95%は中国企業であるなど、地域に信頼される警備会社として毎年成長を続けています。
 サービスという概念が少しずつ定着し始めた中国において、警備業もサービスであるという認識が生まれつつあります。より良いサービスを求めてセコムに委託をするお客様が増えてきていることは、まだまだマーケットが拡大できる大きなチャンスであると捉え、絶えまない努力を続けて首都・北京でのエクセレントカンパニーを目指しています。
北京西科姆の仲間

北京西科姆の仲間

話し手:北京京盾西科姆電子安全有限公司
総経理(社長) 鈴木信武氏
[2012/2/14更新]
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