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第5回
2015/12/09

海外に誇れる日本の街

京都(前編)伝統の町家を守り未来に伝える

毎年多くの外国人観光客が訪れる京都。ガイドブックにある京都もいいけれど、今回は観光スポットをちょっと離れ、世界に人々を魅了する古都の景観をかたちづくってきた京町家を巡りながら、京都の街に深く隠された魅力と「世界に誇れるもの」を探ってみよう。

京都の魅力
町家再生の動き

 京都と聞いて、多くの人がまず思い浮かべるのは、歴史のある神社仏閣だろう。京料理や和菓子という人もいるかもしれない。しかし、本当にすばらしいのは京都の街並みである。碁盤目になった街路に仕切られながら、町家の鈍色の甍屋根が山に向かってずっと続いている......。それは世界中どこにもない都市の美しさだ。
 その町家がどんどん失われている。町家の跡には、どこにでもあるようなマンションやビルが建てられて、京都らしさも風前の灯火だ。市内に残された京町家4700戸のうち年に2%が失われているというデータもある。そんな中、15年ほど前からようやく町家再生の動きが活発になってきたという。
 折も折、知人で編集者の野澤好子さんが、京都・島原の町家を手に入れ、大阪のマンションを引き払って家族で移り住んだ。野澤さんは『別冊太陽・京の町家に暮らす』などの編集者で、仕事をきっかけに町家暮らしを決行、二階を生活空間に、一階をギャラリーとして開放し、裏にあった納屋を改修して仕事場にしたのである。

京町家の良さは
職住一体

 京都駅からJR嵯峨野線に乗り換え、ひとつ先の丹波橋口駅で下車。京都市中央卸売市場を抜けて旧花街の島原を目指す。
角屋
角屋
 まず目に入ってきたのは、国の重要文化財「角屋」の見事な木造建築だ。17世紀の寛永年間に京都・六条三筋町から現地に移った揚屋である。揚屋というのは太夫や芸妓が暮らしている置屋から太夫などを呼んで宴席を開くことのできる大規模な料亭。江戸時代にはお茶会や句会などの文化サロン的な役目も担った社交場である。表の格子造りには、近世初期の京町家に広く使われた表格子の姿が良く伝えられている。
 現在は、「角屋もてなしの文化美術館」として春、秋に一般公開。館長の東條壽さんは、町家保存にも積極的に関わっているひとりだ。ちなみに今秋の一般公開は9月15日から12月15日まで。「島原角屋俳諧資料展」が開催される。

大門を抜けて東へ三軒目が目指す野澤さんの自宅兼ギャラリーである。棟木によれば大正15年の建築。表の黒いタイルはこの町家が建てられた当時、流行っていたスタイルなのだとか。
ギャラリーのざわ
ギャラリーのざわ
 迎えに出てくれた野澤さんの説明を聞きながら、家の中に案内される。
 京都の町家は道路に面した格子戸を開けると「通りニワ」と呼ばれる通路が奥まで続いている。「見世」、玄関に当たる「中の間」、「台所」、「奥の間」が通りニワに沿うように並び、奥には洗面所、厠、風呂がまとまっている。奥の間からは縁側をはさんで坪ニワがあり、その奥に蔵あるいは納屋。蔵には防火壁の役目もあるそうだ。二階は通りニワが吹き抜けになっていて、座敷や控えの間、さらに明治期の建物には屋根裏部屋に当たる「厨子」があり、厨子には虫籠窓という塗籠の格子窓がある。
「町家の良さは職住一体であること。木造家屋だから修理すればいつまでも使えること。家を直しながら使い続けることで作事の技術が継承されること。文化財として残すのではなく、住んで継承していかないと意味がない」と野澤さんは語ってくれたが、実際に職住一体を実践するのはなかなか難しいようで、保存されている町家の多くで、住民は別の場所に住んで東京資本の飲食店などに賃貸しているのが現状らしい。

幕末の戦火を
まぬがれた町家も

 野澤さん宅を辞して、西本願寺の裏手「島原口」から市バスで四条大宮方面に向かう。「千本丸太町」でバスを降り下立売通を七分ほど歩くと右手に「山中油店」という老舗の立派な木造建築が見えてくる。江戸末期から続く老舗の油商で、建物は安政2(1855)年の建築。
 このあたりは、平安京の大内裏があった場所だ。
 京都の町家は、幕末の戦乱による大火災、いわゆる「どんと焼け」で多くが焼失し、現存するものはほとんどが明治から昭和にかけての建築。ところが、この一角だけは戦火を免れた建物が残り、比較的古い町家を見ることができる。
 以前は上京歴史探訪館という個人の町家を利用した小さな町家博物館があったが、残念なことに2014年3月で閉館していた。


取材先住所
  • 【角屋】京都市下京区西新屋敷揚屋町32 TEL:075-351-0024
  • 【ギャラリーのざわ】京都市下京区花屋町通櫛筍西入薬園町151 TEL:075-353-7990
※・・・・12月15日更新の後半に続きます
『セコムライフ』2008年秋号に掲載した記事をWEB用に再構成したものです

第5回 京都 伝統の町家を守り未来に伝える(前編)

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