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第18回
2016/06/14

海外に誇れる日本の街

高山 ミシュランが認めた三ツ星観光都市(後編)

飛騨・高山は、情緒ある古い町並みがきれいに残された街。ミシュラン・ガイが星三つを送った観光地でもある。
春と秋にはその町並みを舞台に高山祭が行われ、豪華絢爛な祭絵巻が繰り広げられる。日本の原風景を求めて高山市を歩いてみた。

飛騨地方の古民家に触れる

 翌朝は、宮川朝市をのぞいた。地元の漬け物や花卉、りんご、木や紙のおもちゃ、民芸品などを扱う小さな露店が、昨日鍛冶橋を渡った川沿いにずらっと並ぶ。お土産用に民芸品の「さるぼぼ」という素朴な人形を買った。
 露店を眺めていると、それだけで面白くてきりがないのだが、9時になったところで高山駅に戻る。バスに乗って市の西側にある「飛騨の里・四季の丘エリア」に行くためである。
 濃飛バスの市内線には「さるぼぼバス」というニックネームがついている。さっき買った「さるぼぼ」である。バスセンターで620円乗り放題で、主な観光施設が割引になるというフリー乗車券を買った。
飛騨民俗村「飛騨の里」
飛騨民俗村「飛騨の里」
 四季の丘は高山の新しい観光スポットで、飛騨民俗村「飛騨の里」や、まつり屋台を現代の飛騨の匠の技で再現した「平成の屋台」で高山祭の模様を再現する「飛騨高山まつりの森」や「飛騨・世界生活文化センター」、世界のガラス芸術を集めた「飛騨高山美術館」などの施設がある。
 飛騨の里は飛騨地方の民家を移築・展示する野外の博物館施設。旧若山家、旧田中家、旧田口家、旧吉真家の4つの国指定重要文化財を含む貴重な民家を、飛騨の農村を再現した空間を散策しながら見学できる施設だ。もちろん、合掌造りの民家もある。
 取材の時にはまだ雪にとざされていたが、春には田植えを行い、ひな祭りや端午の節句も祝うのだという。飛騨の村里の暮しそのものの展示を行っているというのが素晴らしいと思った。
飛騨の里のいろり
飛騨の里のいろり
 古民家に入ると、いろりには楢の薪がくべられていて、炉端はほんのり暖かい。いぶされたような香りも漂っている。通常なら文化財の保存のために火気は厳禁のはずだが、火と水を絶やすと家が死んでしまうので、あえて炉辺の火を消さないようにしているのだそうだ。
 囲炉裏端に座っていると、家が生き物のように私を包み込んでくれている気がして、古里らしい古里を持たない私も、どこか懐かしい場所に来ているように感じられたのだ。

もう一つの「小京都」

 飛騨の里から「さるぼぼバス」に乗ってまつりの森まで。江戸時代に作られた祭屋台を、現代の技で新たに造り上げた「平成の祭屋台」6台や、世界一の大太鼓、独特の八角形をした日本一大きな神輿など、現代の飛騨の匠の技をみることができる観光スポットだ。
高山陣屋
高山陣屋
 次に向かったのは、国の史跡に指定されている高山陣屋だ。元禄5年に高山が幕府の天領になって以来、明治維新までに25代の代官・郡代が地方政治を司ったのが陣屋。明治維新後もそのまま地方官庁の建物として使われてきたものを復元修理した、全国に現存する唯一の郡代・代官所だ。ちなみに、陣屋の前にも朝市が立つそうだ。
 陣屋は今の県庁と税務署と警察をひとつにしたもので、代官・郡代の家族や使用人、役人たちが寝起きしたそうだが、その広さにまず驚かされる。
 ボランティアガイドの方の話をうかがいながら建物の中を巡っていると、江戸時代の高山の様子が浮かんでくるようだ。年貢の取り立てを厳しくした功績で代官所から郡代に格上げになったという話を聞いて、時代小説の悪代官なども思い出した。
 陣屋には高山城の精巧な模型が展示されていたが、飛騨の匠たちがつくった名城も、幕府は完全に破壊してしまい、当時の名残はほとんど残っていない。
 しかし、陣屋の東には高山城趾があり、さらに東側に天領になる以前、戦国から江戸前期にかけて飛騨高山藩藩主の金森氏の時代を偲ぶことのできる一帯があると聞いて、少し足を伸ばすことにした。
 城跡の東側にある東山寺院群には、高山藩時代の面影があるというのだ。
 初代高山藩主・金森長近は茶の湯に秀で、風流を愛した大名だった。そして、高山の地に京都・東山の景観を移そうとしたのだ。代々の後継者たちもまた、雅を愛した。こうして「小京都」と呼ぶにふさわしい景観が形成された。南北には東山神明神社、東山白山神社を置き、山裾に寺院が並ぶ様子はまさに京都東山を思い起こさせるものだった。
 京、上方の雅と江戸風の町人文化。ふたつが山国・飛騨の地で融合して生まれたのが高山の美しさではないのか。
 そんなことを考えさせられた旅だった。


取材先
  • 【飛騨の里】高山市上岡本町1-590 TEL:0577-34-4711
  • 【高山陣屋】高山市八軒町1-5 TEL:0577-32-0643
※このコラムは『セコムライフ』2009年春号に掲載した記事をベースにWEB用に再構成したものです。

第18回 高山 ミシュランが認めた三ツ星観光都市(後編)

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