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第10回
2016/02/24

海外に誇れる日本の街

奈良 田園風景と世界遺産に出会う(後編)

奈良は、数多くの歴史的文化財が残るアートの町。奈良公園には緑も豊富で、少し中心を離れれば田園風景も残る。そんな古都の世界遺産を巡ってみた。

緑あふれる春日山を散策

 2日目は早めに起きて食事を済ませ、まず東大寺、春日大社を回ることにした。
 お昼くらいには団体の観光客で大変な混雑だ、と聞かされていたからだ。団体さんは京都で一泊して奈良に移動することが多いからどうしても、お昼前後に集中するのだ。「行くなら朝」が鉄則だ。
 早めに出たおかげで東大寺の周りにもそれほどの人出はなく、鹿がのんびりと草を食んでいる。鹿せんべいを売る屋台の人も、気のせいかまだ所在なげだ。
 東大寺は奈良時代の中ごろ、時の聖武天皇が大仏を造営、752年に開眼式を行ったことから始まる。大仏殿は2度の戦火にあっており、現在の建物は江戸時代に建てられた3代目。もうひとつ東大寺で有名なのが、関西に春を告げる「お水取り」のハイライト「修二会(しゅにえ)」のおこなわれる二月堂。しかし、個人的にお薦めしたいのは、法華堂とも呼ばれている三月堂だ。国宝12体、重文4体の仏像が安置されている隠れた名所。あまり観光客には知られていないため、ゆっくり拝観できるのもいい。
 東大寺からは「歴史の道」を辿って春日大社に向かう。途中、東の方角に若草山と並んで春日山原始林が見える。春日山遊歩道という標識を見つけてほんの少しだけ寄り道。
 春日山は春日大社の神山として千年以上も樹木の伐採や狩猟が禁止され、手つかずの自然が今も残っている。空気もさわやかだ。初夏には新緑が、秋には紅葉が見事だ。遊歩道は山頂から若草山へと続いているが、時間もないので途中で引き返した。
春日大社の庭園
春日大社の庭園
 さて、春日大社である。春日大社は平城京が造営されたときに、鹿島神宮から祭神を御蓋山(みかさやま)山頂に迎えたのが始まり、とされる。その後、山の中腹にあたる現地に香取神社、枚岡(ひらおか)神社から祭神を招いて社殿の造営が始まった。
 表参道の途中にある神苑に立ち寄る。万葉集にちなんだ植物を集めた庭園と、4月の終わりから5月が見ごろになる藤の園、冬が見ごろの椿園などがあり、季節の花を楽しむことができる。参道を戻ってくると、もう修学旅行や海外からの団体旅行の人たちでいっぱいになっていた。

町家が残る奈良町あたりへ

奈良国立博物館
奈良国立博物館
 次に足を運んだのは奈良国立博物館。仏教美術の収蔵展示で知られる博物館だ。洋館建ての本館は、フレンチルネッサンス様式。明治27年の完成当時は、これでも奈良の風景にそぐわない、という反対があった、というからさすがに古都である。
 数々の国宝、重文の仏様に圧倒されるが、ボランティアガイドの方が「青銅器もすばらしいですよ」と展示室を教えてくれた。収集家坂本五郎氏から寄贈されたという中国古代青銅器のコレクションだ。団体のグループや学生たちがささっと通り過ぎていく。なんだかもったいないなあ、と思った。こんなにすばらしい展示だというのに。
猿沢池から見る興福寺の五重塔
猿沢池から見る興福寺の五重塔
 昼食後、今度は興福寺に。もとは藤原鎌足が私邸に建てた寺で、平城京遷都のときに藤原不比等(ふひと)が同地に移して興福寺とした。五重塔、三重塔、金色の薬師如来座像(重文)などを安置する東金堂などの建物は国宝。境内の国宝館にも国宝、重文クラスの仏様が何体も安置されている。
 団体観光客でごったがえす東大寺よりも、こちらのほうがほっとする。
奈良町のイメージ
奈良町のイメージ
 興福寺を後にして、石仏で有名な元興寺に向かう。奈良時代には南都七寺のひとつに数えられた名刹。かつては大伽藍を誇ったと言うが、今はその面影はない。しかし、落ち着いたたたずまいには風格がある。
 その元興寺のかつての寺領だった一帯に広がるのが奈良町だ。消失した寺の跡地に人々が住み着いたのが町のはじまり、とされているが今も古い町家がたくさん残っていて、非常に人気が高い観光スポットになっている。
 軒に下がった赤い「庚申(こうしん)の身代わり猿」にひかれて、「奈良町資料館」というところに入ってみた。赤と白の布でつくった素朴な人形だが、背中に願いごとを書いてつるすと願いが叶うのだそうだ。
 室町時代の書院造りを伝える「今西家書院」を見学
奈良町資料館
奈良町資料館
したり、お土産を買ったりしていたらもう夕刻。夕食をどうしようかと思ったところで、町家づくりの鰻料理店を見つけた。「江戸川」という店だ。
 明治時代に建てられた商家を改装した店で、元は呉服店だったそうだ。名物は鰻のひつまぶしと奈良の豆腐を使ったサラダの「おひつセット」だと聞いて、それを頼んだ。ひつまぶしは名古屋風の鰻料理で、奈良の豆腐との組み合わせが面白いと思って尋ねると、経営するのは近鉄リテールサービスさんだという。近鉄は大阪、京都、奈良、名古屋を結ぶ私鉄。それで合点がいった。
 味のバランスも非常に良い。奈良の魅力は、このバランス感覚なのかもしれないなあ、と思った。


取材先住所
  • 【春日大社】奈良市春日野町160 TEL:0742-22-7788
  • 【奈良国立博物館】奈良市登大路町50 TEL:0742-22-7771
  • 【奈良町資料館】奈良市西新星町14-2 TEL:0742-22-5509
  • 【江戸川】ならまち店 奈良市下御門町43 TEL:0742-20-4400
このコラムは『セコムライフ』2009年夏号に掲載した記事をベースにWEB用に再構成したものです。

第10回 奈良 田園風景と世界遺産に出会う(後編)

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