第12回 
知り合い以上友達未満

ここでは、シニアの方の毎日が心を元気に、
健康に過ごしていただけるようなコラムをご紹介します。
飲み物を片手に、ホッと落ち着ける時間になりますように。

距離感を時に応じて柔軟に

「知り合い」「知人」と「友達」「友人」の違いについて考えてみたことがありますか。「知り合いと友達の違いって何?」と人に聞いてみると、いろいろな答えが返ってきます。多くの人が、“知人より友達のほうが親しい関係”だと言います。携帯電話のアドレス帳で、「知り合い」というフォルダと「友人」というフォルダを分けている人がいます。
 その基準を聞いてみると、「休みの日でも気軽に誘える」「気を遣わずに愚痴が言える」「困ったときに助けてといえる」などという人が友人で、それ以外の人が知り合いになるそうです。
 近所の知り合い、仕事上の知り合いという人が親しくなってくると友人になるという理解をしている人が多いようです。ですから、人に自分を紹介されるとき、「知り合いの○○さんです」といわれるより、「友人の○○さんです」と言われる方が嬉しい感じがするという人が多いようです。
 ただ、どこまでを友人とするのかは本当に微妙で、親友と友人の違いについても、微妙な場合があります。「自分は親友だと思っていても、相手がただの友達だと思っていたことを知ってがっかりした」という話を聞いたこともあります。
 つまり、人との関係の親しさの違いを「知り合い」「友達」「親友」という言葉で微妙に使い分けているのですが、その言葉の区別の基準が人によって違っているし、お互いの親しさの距離感も自分側と相手側で感じ方が違っているということです。なんとも、複雑な感じがします。
 もし、あなたが「知り合いは多くいるけれど、友達と呼べる人はいないな」と感じているとしたら、自分は相手に対してどのような距離を取っているか考えてみましょう。「プライベートに入り込んではいけない」「なれなれしくしてはいけない」「節度が大切」というきっちりとした距離感をもっているのかもしれません。その場合、関係としては平和かもしれませんが、いわゆる人間くささや一歩踏み込んだ情緒的な交流には欠けてしまうかもしれないですね。すると、相手もその距離感に合わせてくるので、ある距離が固定した関係になりがちです。つまり、平和と引き替えに人間くささがなくなり、「助けて」と言いにくい関係ができあがります。全く遠慮がなくて、なれなれしくされるのもイヤなものですが、基本的には節度を守りつつ、辛くて不安な時には、「実は・・・折り入って相談があるんだけど」と、踏み込んだ関係で支え合えると、温かい感じがしますね。
大多和 二郎 (おおたわ じろう)
プロフィール
大多和 二郎 (おおたわ じろう)
横浜国立大学大学院修了(臨床心理学専攻)
臨床心理士、臨床動作学講師としてカウンセリング、大学、
専門学校講師等を歴任 著書として
「触感刺激法で性格が変わる」祥伝社 NONブック等がある

第12回 知り合い以上友達未満