地球環境を守ることは、今や私たちひとりひとりが考えなくてはいけない重要なテーマです。
そこで、「達人の知恵袋」第2回目となる今回は、衣類を長持ちさせるための洗濯の方法をご紹介します。前回のテーマ「衣替え」と一緒に、ぜひ実践してみてください。

アドバイスいただくのは、テレビや雑誌でおなじみの"洗濯王子"こと中村祐一さん。
「お気に入りの服を大切に、長く着る。これこそ、日々の暮らしでできる身近なエコの第一歩」。
国家資格クリーニング師・中村祐一さんは、そう話します。自己流の洗濯を見直すと、そこに長持ちのヒントが隠されていました。

国家資格クリーニング師
中村祐一(なかむら・ゆういち)

Q.汚れが強いときは、洗剤を多く入れると、よく落ちる?

A.水の量に対し、洗剤は一定の量しか溶けません。適量以上入れると溶けずに残り、黄ばみの原因にも。すすぎも不十分になるので適量を守りましょう。排水のことを考えると、地球にもやさしくありません。

Q.お風呂の残り湯は、洗濯に使っていいの?

A.ふだんの洗濯に使うなら問題ありません。ただし、わずかに皮脂やたんぱく質が溶けているため、白っぽい衣類は黄ばむ可能性も。心配ならば、色の濃い衣類の洗濯に使いましょう。衣替えなど長期間しまう前の洗濯には、使用しないほうがよいでしょう。また、入浴剤の入ったお湯は、まれに色移りすることもあります。残り湯の使用についての注意書きの範囲内で使ってください。

Q.汚れやすいシャツの襟首や袖口の洗濯法は?

A.シャツの襟首や袖口の汚れは、汗や皮脂がこすれて黒くなるのですが、これには洗濯用固形石けんが効果を発揮。洗浄力が高く、粘りが汚れによくからむためです。次の方法を試してみてください。

  1. 黒ずんだ部分をぬるま湯に浸す。
  2. 洗濯用固形石けんを直接すり込む。
  3. 洗濯ブラシでこすって汚れを落とす。
  4. ぬるま湯ですすぎ、洗濯機で全体を洗う。

Q.うっかりつけてしまったシミ。家でも落とせる?

A.綿などの家で洗える素材なら、多くのシミが落とせます。よくある食べ物、化粧品が原因のシミのぬき方をご紹介しましょう。ポイントは「台所用中性洗剤」と「クレンジングオイル」です。

食べ物・飲み物のシミ

  1. 台所用中性洗剤を綿棒につけ、シミになじませる。
  2. シミ部分をぬるま湯に浸し、できるだけ小さくつまんで、丁寧にもみ込む。
  3. もみ込んだ部分だけ、ぬるま湯で洗剤をすすぐ。ここまでの作業を何度か繰り返し、最後に丸洗い。

化粧品など油分が多いシミ

  1. 台所用中性洗剤とクレンジングオイルを1対1で混ぜて、綿棒につけ、シミになじませる。
  2. シミ部分を細かくもみ洗いし、水につけてすすぐ。ここまでの作業を何度か繰り返し、最後に丸洗い。

※シミの範囲が広い場合は歯ブラシを使ってください。

【注意】

  • あわてて洗濯はNG。必ずシミぬき処理をしてから
  • 時間がたつほど落ちにくい。1分でも早いケアを
  • 家で洗えない素材は、無理せずプロにまかせる

Q.アイロンがけを少なくする方法は?

A.あらかじめ、シワを少なくする工夫を。洗濯後、衣類が濡れているときに、シワをたたいたり、軽く引っぱったりしてから干します。また、脱水時間を設定の半分くらいにしたり、脱水のとき、途中で一度止めて衣類をほぐすと、シワが抑えられます。

Q.部屋干しで気になるにおいの対策は?

A.においの原因は、洗い残しの汚れで菌が繁殖しやすくなっているから。洗剤の効果を上げるために、水の温度を40度くらいにして洗ってみましょう。また、漂白剤を加えると除菌にもなります。酸素系なら色柄ものにもOKです。干し方にもコツがあります。ポイントは、空気の通り道を増やして、早く乾かすこと。できるだけ間隔をあけて干し、下から扇風機で風を当てたり、エアコンの除湿機能を使うのもよいでしょう。

監修

中村祐一(なかむら・ゆういち)国家資格クリーニング師
長野県伊那市にて家業のクリーニング店(芳洗舎)3代目をつとめるとともに、ウェブサイトを自ら制作・運営。クリーニングや洗濯についての相談・修復を受け付ける。また、「洗濯王子」の愛称でテレビや雑誌、講演などを通し、洗濯やシミぬきなどのアドバイザーとして幅広く活躍中。著書に『洗濯王子に教わる おうちで快適クリーニング!』(主婦と生活社)や、日本で初めてのアイロンがけ専門BOOK『魔法のアイロン上達本』(世界文化社)を発売中。
【オフィシャルサイト】http://www.housensya.com