AEDを子どもに使用してもいいの?心肺蘇生法とAEDの操作手順を覚えよう

セコムの舟生です。

万が一の際に備えて、AEDの使い方を確認しておきましょう。皆さんは、AED(自動体外式除細動器)のことをどのくらい知っていますか?
「見たことはあるけれど、触ったことはない」という方が多いと思います。

AEDは、心停止を起こしたときの蘇生に使う救急医療機器。
心停止により倒れた人がいる場合、その場にいる人が協力して使用することで、命を救う手助けをすることができます。

突然の心停止は、大人だけではなく、子どもにも起こり得ることです。
心臓の持病などがない健康な人でも、AEDが必要な状況に陥ることがあります。

AEDは子どもに使うことができるのでしょうか?
万が一のことが目の前で起きたとき、どのような順序で対応すればいいのでしょうか?

今回は、AEDについて知っておくべきポイントと、AEDの使い方をわかりやすくご紹介します。
ぜひご一読ください。


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▼ AEDを使うのはどんなとき?
AEDは、心室細動という不整脈を起こしたときに、心臓に電気ショックを与える機器です。音声ガイダンスに従って操作するだけで、高度な専門知識は全く必要としません。
心室細動とは、心筋の動きがバラバラになって心臓のポンプ機能が失われた状態。
心臓がけいれんを起こして全身に血液が送れなくなっているので、AEDによる電気ショックでけいれんを除去するのが効果的だと言われています。

とはいえ、外見からは心臓に何が起きているかはわかりませんよね。
わかりやすく言うと、意識がなく呼吸をしていないとき、あるいは普段どおりの呼吸をしていないときには、AEDを使う必要があります。

AEDは誰でも使えます。
「素人なのにAEDに触るのは怖い...」と感じる人もいるようですが、AEDは簡単かつ安全に救命処置が行える機器。しかも、AEDを使えば、命を救える確率も高くなります。

総務省消防庁(平成27年版)の統計によると、AEDを使った場合の1カ月の生存率は50.4%で、使用しなかった場合の8.4%を大きく上回っていました。

AEDを使用するのに資格などは特に必要ありません。
いざというときに慌てないよう、正しい手順を知っておきましょう。


▼ AEDを子どもに使ってもいい?
子どもが突然心停止になることは、決してめずらしいことではありません。子供の突然死の原因として、心臓震盪(しんぞうしんとう)があります。
たとえば運動中に、胸部に強い衝撃が加わったことにより心臓が停止してしまう状態です。

子どもは胸郭がやわらかいので、衝撃が心臓に伝わりやすいのだそうです。
健康な子どもでも、突然心臓が止まってしまうことは、いつでも起こり得るのです。

また水遊びやプールで溺れたり、ひもなどが首に絡まって窒息したりする不慮の事故により、心肺が停止し、蘇生が必要になる場面がよくあります。

AEDは小さな子どもにも使用できます。小児用が選べるときは小児用を、なければ成人用でも問題ありません。子どもは大人より体が小さいので、「AEDを使っても大丈夫なのかな?」という心配がありませんか?

答えは「使えます」。

未就学児(およそ6歳まで)には、電気ショックのエネルギー量を調整する切り替えスイッチで成人と未就学児を切り替えて使用したり、「小児用電極パッド」を使用します。小学生以上なら成人用を使用します。
以前は1歳未満の子どもにAEDは使用できませんでしたが、心肺蘇生のガイドラインの変更により使用できるようになりました。
小児用電極パッドや切り替えスイッチがない場合は、成人用のAEDを使用します。
「小児用電極パッド」画像はフィジオコントロールジャパン(株)製
年齢確認ができなくてAEDの使用が遅れたりすることがないように、「小さい子にもAEDは使える」ということを覚えておきましょう。


▼ 心肺蘇生法とAEDの手順を覚えましょう
子どもの意識がない、呼吸がないときには、落ち着いて正しい手順で救命処置を行うことが大事。
AEDだけではなく、心肺蘇生を行うことが重要です。

<もしも倒れている人を見つけたら?>
(1)周囲の安全確認を行う
自らの傷病者の二次的な危険を取り除くため、安全な場所に移動します。

(2)意識を確認する
軽く肩を叩いて声をかけ、反応を確かめます。
次第に強く叩いて大きな声で呼びかけて意識の確認をして下さい。

(3)119番に電話し、AEDを準備する
一刻も早い救助のため、近くの人にも協力を求めましょう。
「誰かー」ではなく、服装や特徴と一緒に「あなた!」と指示して119番通報やAEDの搬送を要請することが重要です。

(4)呼吸を確認する
胸と胸部の動きを見て呼吸の有無を確認します。
顔を見て判断すると、死戦期呼吸(口元は動いているが息を吸っていない状態)を呼吸していると勘違いしてしまうことがあるので注意して下さい。

(5)「心肺蘇生法」を開始する
1分間に100回のテンポで30回、絶え間なく胸骨圧迫を行います。大人の場合は両手で胸部を少なくとも5cm沈む強さで圧迫しますが、子どもの場合は両手または片手で胸の厚さの1/3程度沈む強さで圧迫します。乳児の場合は、指2本で圧迫を行います。
その後できる場合は、あごを上向かせて気道を確保し、倒れている人の鼻をつまんで口から息を2回ゆっくりと吹き込みます。
「胸骨圧迫30回、人工呼吸2回」のサイクルを、AEDが到着するまで繰り返します。
※人工呼吸をためらう場合やできない場合は、胸骨圧迫のみ行います。胸部圧迫だけでも効果があります。

(6)AEDを使用する
ふたを開けて電源を入れたら、音声ガイダンスの説明に従います。
基本的には、「電極パッドを胸部の肌に貼る→電気ショックのボタンを押す」だけです。
電気ショックが必要かどうかは、AEDが心電図を解析し、電気ショックが必要なときだけ電流が流れますので心配ありません。

(5)救急車が到着するまで胸骨圧迫と人工呼吸を続ける
電極パッドは貼ったまま、「胸骨圧迫30回、人工呼吸2回」のサイクルを、絶え間なく行ってください。

心肺蘇生法やAEDの使い方に不安がある方は、消防署や病院などで実施している救命講習を受けてみましょう。
マンションや町内会などで依頼すると、出張講習会を行ってくれる場合もあるようです。


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いざというとき、すぐ目の前にAEDがあるとは限りません。
目の前の事態にパニックになってしまうと、どこにAEDを取りに行っていいかわからず、時間がかかってしまう可能性もあるので、「こういう場所にはあるはず」を覚えておくと安心です。

AEDは、駅や学校、デパートやスーパーなど、人が多く集まる場所にはたいてい備え付けられています。お店や会社などでも設置するところが増えています。

また身近に備え付けることを検討されている方は、レンタルでAEDを設置できる「セコムのAEDパッケージサービス」や、いざという時に使えるよう「セコムAEDスキルアップサービス」もおすすめです。





2016年2月 1日(月)

カテゴリー: 事故防止

プロフィール

舟生 岳夫

セコム株式会社
IS研究所 所属

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