[クローズアップNEWS年末特別号]家庭内に潜む思いがけない事故のリスク

セコムの舟生です。

子どもの成長にあわせて、家庭内の事故がどこで起きやすいのか考え、対策を立てましょう。前回から[クローズアップNEWS年末特別号]と題して、「子どもの安全ニュース」で取り上げた記事から、今年1年の子どもの事件や事故を振り返っています。

1回目は、子どもを狙った「連れ去り」や「誘拐」をテーマに取り上げました。
2回目の今回は、「家庭内の不慮の事故」を振り返ります。

家庭内の事故といっても、いろいろなものがあります。
繰り返し起きているベランダや窓からの転落事故をはじめ、自宅敷地内での自動車接触事故のほか、6月には、ドラム式洗濯乾燥機に子どもが閉じ込められて窒息死するという事故がありました。
10月には、水を含むと膨張するインテリア用の樹脂製ボールを誤飲する事故も発生しています。

2015年にご紹介したニュースを振り返り、家庭内の安全について具体的な対策をまとめます。


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▼ ベランダや窓からの転落事故、予防対策は?
高層階から幼児が転落する事故が、今年も多発しました。
ニュースを振り返って、事故状況を確認しましょう。

・東京都の集合住宅で、8階ベランダから転落したとみられる4歳男児が敷地内芝生で見つかり、意識不明の重体。両親は留守。ベランダにあるものを踏み台にして乗り越えた模様(3月)
・東京都のマンションで、4歳女児が10階付近から転落して死亡。母親と外出するため、先に部屋を出た直後に行方不明になり、非常階段の柵の隙間から、誤って転落したとみられる(4月)
・福岡県で12階の自宅ベランダから転落したとみられる3歳女児が死亡。母親がごみ出しのため不在にしていたわずかな時間に事故が発生(5月)
・神奈川県で、4歳男児がマンション14階のベランダから転落して死亡。保護者が目を離した隙に、ベランダに出て柵を越えて転落したとみられる(7月)
・京都府で、5歳男児からマンション5階の自宅ベランダから転落して死亡。ベランダに踏み台になるものはなく、約10センチの柵の隙間から誤って転落したとみられる(7月)
東京都のマンション前の路上で、3~4歳の女児が倒れているのが見つかり、死亡を確認。マンションの12階の自宅ベランダから転落したとみられる(7月)
・愛知県で、1歳男児が集合住宅6階の窓から転落して死亡。窓辺のベッドにのぼって、誤って転落した模様(8月)
・香川県で、4歳女児が市営住宅7階から転落し、両足骨折の重傷。保護者は買い物のため外出中。ひとりで通路に出て、吹き抜け部分の手すりを乗り越え転落した模様(10月)
・大阪府で、マンション8階から転落したとみられる4歳女児が死亡。5歳の姉と2人で留守番中に事故が発生。ベランダの窓の鍵が開いており、誤って転落した模様(10月)
・東京都で2歳男児がマンション7階から転落する事故が発生。命に別状なし。保護者は外出中で、ベランダの柵のそばにあった箱にあがって身を乗り出し、誤って転落した模様(11月)
・神奈川県で、5歳男児が自宅マンション6階のベランダから転落して重傷。両親は在宅していたが、男児はひとりでベランダに出て、誤って柵を乗り越えて転落した模様 (11月)

これら多数の事故を振り返ると、幼児の転落事故の発生状況にはいくつかの共通項があることがわかります。

(1) 保護者が留守、あるいは別の部屋などにいた
(2) 転落の危険がある窓が施錠されていなかった
(3) 転落の危険がある場所に足場になるものがあった

目を離したほんのわずかな隙に、事故が発生しているケースが多いようです。
幼児は保護者の姿が見えないと不安になって探しまわることがあるので、窓が開いていたり、足場になるものがあったりすれば、転落事故につながることが考えられます。

【幼児の転落事故の予防対策】
○ 子どもをひとりにしない
○ 子どもがいる部屋は窓の施錠を徹底する
○ 窓付近やベランダに"足場"を置かない
○ 日ごろから転落の危険を子どもに言い聞かせる

足場になるものは、荷物、イスやテーブル、三輪車などのおもちゃ、家庭ゴミもそうです。植木鉢やラティス(木製の柵)といったガーデニング用品が子どもの足場になることもあります。
また、小さなお子さんの場合、12、3cmほどの柵の隙間からすり抜けてしまうこともあるようです。
家庭内にある転落危険箇所を確認してください。


▼ 自宅の駐車場で事故が多発!予防対策は?
今年、多く発生した事故として、自宅敷地で幼児が保護者の運転する車にひかれるといった事故があげられます。

・静岡県で、2歳男児が車にひかれ死亡。駐車場で祖父が車をバックさせていたところ、後ろにいた男児と衝突した模様(3月)
・北海道で、1歳女児が父親の運転する車にひかれ死亡。家族で外出するため自宅敷地から車を出そうとしたところで事故が発生。女児がいることに気づかず、誤ってはねた模様(4月)
・広島県で、2歳男児が母親の運転する乗用車にひかれて死亡。自宅前で男児と荷物を先に車から降ろし、駐車場に移動するため前進したところ、誤って男児に衝突(5月)
・新潟県で、2歳女児が母親の運転する車にはねられ死亡。自宅車庫から車を発進させた直後、前方右側にいた女児に衝突した模様(8月)
・神奈川県で、1歳女児が自宅玄関前で母親の運転する乗用車にひかれ死亡。雨のため玄関先に車を近づけようとしたところ、外で待たせていた女児に衝突した(9月)
・佐賀県で、2歳男児が父親の運転する乗用車にひかれて死亡。保育園に送るために駐車場から車を発進させたところ、右前方にいた男児をひいた(10月)

事故のほとんどは、車の駐車時や発進時に起きています。
自宅周辺でも油断せず、安全確認を実施しましょう。

【幼児の駐車場事故の予防対策】
○ 車を動かす前には、必ず目視で周囲の安全確認をおこなう
○ 子どもは先に車に乗せ、降りるときは大人が先に降りる
○ 自宅の駐車場を遊び場にさせない
○ 自宅敷地内でも子どもの居場所をつねに確認する

駐車場での事故は、自宅だけではなく商業施設などでも起きています。
止まっている車が突然動くかもしれないことを子どもにも教え、車に近づくと危ないということを理解させてください。


▼ 思いがけない事故も発生!リスクのありかを知る
ほかにも気になる家庭内の事故をいくつか取り上げます。

・国民生活センターは、2歳女児が水で膨らむ樹脂製ボールを誤飲し、十二指腸閉塞になったことを発表。ボールは水を含むと膨らむ性質を持ち、吸水前は約1.5cmだったものが体内で4cmほどまで膨らんだ模様(10月)

誤飲は、どのご家庭でも起こりうる事故です。
消費者庁や、国民生活センターが誤飲事故の注意喚起をおこなっています。

子どもが興味を示しやすく、口の中に入る大きさのものは、手の届かない場所で保管するとともに、子どもの目に触れないようにしたほうが安全です。
保管場所を工夫するなど、ぜひ安全対策をおこなってください。


・7歳男児がドラム式の洗濯乾燥機の中に閉じ込められ、死亡する事故が発生。男児は家族が気づかないうちに洗濯機の中に入り、出られなくなって窒息したとみられる(6月)

洗濯機内に閉じ込められる事故は海外でも複数起きており、消費者庁が注意勧告しています。
使用していないときはチャイルドロックをかけるなど、事故防止策をおこなうことが大切です。


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ご家庭内の不慮の事故は、就学前の乳幼児のお子さんに多く起きています。
「まだ届かないはず」「まだできないはず」と油断せず、危険を先回りして見つけ、安全対策をすることが大切です。子どもの成長を見越して、対策をおこなってください。





2015年12月10日(木)

カテゴリー: 事故防止

プロフィール

舟生 岳夫

セコム株式会社
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