[ヒヤリハットを見過ごすな]窒息事故から子どもを守るために

セコムの舟生です。

子どもの窒息事故は、日常のなかで起きます。のどに詰まるかもしれないという観点で子どもの手に触れるものをチェックしましょう。実際に起きた「不慮の事故」に注目し、子どもたちの身近にある、見過ごされがちな「危険の芽」を早期に発見するシリーズ[ヒヤリハットを見過ごすな]

前回は、チャイルドシートの着用時のヒヤリハットについてご紹介しました。

今回は、家庭内で乳幼児に多い誤飲による窒息事故を取り上げます。
以前、ブラインドひもや、コップ、ビニール袋など、思いがけないものが窒息事故の原因になることをお話しました。

窒息事故はさまざまなシチュエーションで発生していますが、なかでも最も多いのは、誤飲による窒息事故です。

おもちゃや食べ物を飲み込んで窒息に至った事故事例を調べた結果、事故の前に子どもがとった行動が見えてきました。

事故が起きた原因と対策、そして万が一事故が起きてしまったときの応急処置をご紹介します。

 

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▼ 子どもならではの好奇心が重大事故に...窒息事故の実態
消費者庁や東京消防庁、日本小児科学会などに寄せられた窒息事故の事例をいくつかピックアップしてみましょう。

【ボール】
・2歳女児が自宅居室内でスーパーボールを飲み込み窒息し重体
・3歳女児が直径3.5cmのスーパーボールを口に入れ、母親が「危ないから出しなさい」と叱ったところ、驚いて飲み込んでしまい窒息。意識が回復せず6カ月後に死亡
・1歳女児が食卓の下でひとりで遊んでいて、直径2cmのプラスチックボールを飲み込み、窒息。5日目に病院で死亡

【風船】
・2歳男児がゴム風船を誤って飲み込んでしまい、呼吸困難となり、重体
・1歳女児が兄弟らと遊んでいるとき、水風船を飲み込んで窒息。肺水腫などを起こす重症

【木製のおもちゃ】
・2歳女児が苺を模した木のおもちゃを口に入れ、母親が叱ったところ、飲み込んでしまい窒息。低酸素脳症となる重体

いずれの事故もきっかけはささいなこと。小さな子が、おもちゃを口に入れたりなめたりして感触を確かめるのは、よくあることですよね。
しかし、ひとたび飲み込んで窒息すれば、死にもつながる重大事故になってしまうおそれがあります。


▼ 子どもの窒息事故の類似性を知り、未然に防ぐ
キッズデザイン協議会が産業技術総合研究所と協力して作成した「子どもの事故に関するデータベース」から子どもの窒息事故を調べるうちに、事故直前の子どもの行動や事故発生状況に一定の類似性が見つかりました。

(1) 対象物が子どもの手が届く場所にあった
(2) 対象物を子どもが触っていた
(3) 保護者が目を離していた
(4) 以前から口に入れて遊ぶことがあった

窒息の原因となる「対象物」にさまざまものがあげられます。
東京消防庁によれば、トイレットペーパーの芯(約39mm)を通る大きさのものであれば、乳幼児の場合、飲み込んでのどに詰まらせてしまうことがあるそうです。

また、玩具安全基準書では、直径44.5mm以下のサイズのものを3歳未満の子どもに与えないよう警告しています。

子どもが興味を示し、窒息の原因になる「対象物」がさまざまある以上、トイレットペーパーの芯(約39mm)を通るようなものの全てに注意をはらう必要があるでしょう。

また個人差や年齢にもよりますので一概には言えませんが、子どもが片手で握りしめられるサイズのものは、身辺に置きっぱなしにしないほうがいいと思います。

「子どもの事故に関するデータベース」では、硬貨や、外国のコイン、おもちゃのコインの誤飲例が目立ちました。事故事例ではいずれも、直前に財布を触っていた、ばらまいて遊んでいた、普段から子どもが触れる場所にあったなど、予兆といえるような「ヒヤリハット」があったことがわかります。

トイレットペーパーの芯(約39mm)や、子どもが片手で握ることができるサイズを、ひとつの基準にして、注意の目で子どもの遊ぶものをチェックしてみましょう。


▼ 窒息事故を防ぐには?いざというときの対処は?
先ほどご紹介した窒息事故の類似性から、事故を防ぐポイントをまとめました。

○ 小さなおもちゃや部品などは子どもの口に入れさせない
○ 子どもの口に入るサイズの製品は、子どもの手の届くところや床などに置かない
○ おもちゃは使用後すぐに片付ける
○ 万が一、口に入れているのを見かけたら、驚かせないように対処する

遊んでいるときだけではなく、食事中も大きな声で驚かせないようにしてください。
びっくりして飲み込んでしまうことがあるからです。口に入れたまま歩いたり、遊んだり、寝転んだりするのも危険です。

もしものどにものを詰まらせたときは、背中を叩いて吐き出させる「背部叩打法」があります。

子どもを後ろから抱きかかえるか、太ももの上にうつ伏せにして、頭の位置が体より低くなる姿勢を保ちながら、肩甲骨と肩甲骨の間を力強く4~5回叩いてください。
口の中に異物が出てきていなければ、再び叩くことを繰り返します。

乳児の場合は、片腕の上にうつ伏せにして手のひらであごを支えながら背中を叩いてください。

症状が改善されない場合は、直ちに119番通報しましょう。


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食品でも子どもの窒息事故が起きています。
プチトマトや粒の大きなぶどう、ソーセージ、ゼリーのほか、飴やパンなどで重症以上の症状が発生していますので、食べさせるときには注意してください。

窒息事故は、日常の中で突然発生します。
命の危険もある窒息事故につながらないよう、子どもの身辺からリスクになりうることは極力排除しておきたいものです。





2014年10月 9日(木)

カテゴリー: 事故防止

プロフィール

舟生 岳夫

セコム株式会社
IS研究所 所属

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