「ネットいじめ」から子どもを守るには?

セコムの舟生です。

インターネットや携帯電話が、子どもたちにとってもすっかり身近なものになりました。非常に便利であると同時に、さまざまな問題をはらんでいることを、このブログで何度もお伝えしてきました。

インターネットや携帯電話の利用で注意が必要な問題のなかから、今回は、「ネットいじめ」を取り上げたいと思います。携帯メールやSNSのサイトなどを通じて、特定の子どもが誹謗中傷されたり、画像を投稿されるなどの嫌がらせを受けたりする被害があるようです。現代のいじめには、携帯電話やインターネットネットが何かしらの形で介在しているといえるかもしれません。

どうしたら、子どもが「ネットいじめ」の被害者になることを避けられるのか。そして加害者にしないためにどう接すればいいのか。親ならばだれもが気になる問題に、今回迫ってみたいと思います。

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▼ 大人には見えない「ネットいじめ」の闇
いつの時代でもいじめは陰湿なもの。しかし、携帯電話やインターネットが利用されることにより、短期間で極めて悪質ないじめに発展しやすい傾向があります。

その理由として...
○ 携帯電話やインターネットは情報伝播力が強い
○ 相手の顔が見えないため、エスカレートしやすい
○ 親や教師が見えない場所で行われ、深刻化するまで気づきにくい
ことなどがあげられると思います。

たとえば、多くの子どもたちが利用している無料ソーシャルゲームなどのSNSサイトを例にとってみましょう。こうしたサイトで"同じ学校限定"、"同じクラス限定"といったコミュニティやサークルを作れば、多くの場合メンバーしか見ることができません

そこでだれかが、特定の生徒について悪く書けば、たちまちコミュニティ内の子どもすべてがそれを目にします。たとえきっかけは面白半分であっても、それに便乗する子がいれば「ネットいじめ」に発展するのはあっという間でしょう。

また携帯電話のメールでも同様のことが起きます。特定の子どもを誹謗中傷する内容のメールを、複数人に回すことを強要するチェーンメールとして送信。たったひとりの子どもが始めたことが、学校全体に広まったケースもあるそうです。

携帯電話やインターネットは便利なツールですが、その気になれば簡単に人を傷つけることもできます。現代の子どもたちは、つねに「ネットいじめ」のリスクと隣り合わせで生きているのです。


▼ 「なりすまし」は特定されない?
平成20年に文部科学省が作成した「ネット上のいじめ」に関する対応マニュアル・事例集では、「なりすまし」についても警鐘を鳴らしています。

「なりすまし」とは、第三者になりすましてメールを送信したり、サイトにアクセスしたりすることです。インターネット上では、 無料で複数のメールアドレスを取得できるため、子どもたちでも簡単に「なりすましメール」を送信することができます ひとりの子どもが複数のクラスメイトになりすまして、「死ね、キモイ」などのメールを特定の子どもに何十通も送信した事例などもあります。

また、ソーシャルゲームやプロフなどでも第三者が本人になりすましてプロフィールを立ち上げ、周囲から嫌われるような書き込みを行うケースも見られるそうです。

「無料のアドレスを使えば、だれがやっているかわからないだろう」と思いこみ、加害者はますますエスカレート。犯罪と呼んだほうがいいような悪質ないじめに繋がることもあるようです。実際にはメールヘッダ情報や、IPアドレス、個体識別番号とアクセス時刻などの情報を元に、さかのぼって発信者を特定することが可能です。


▼ まずは親から。「ネットいじめ」の現実に取り組もう
「ネットいじめ」がこれほど横行している理由のひとつとして、"大人が現状を知らない"ということがあげられると思います。大人が知らないうちに深刻化し、子どもが深い傷を負ってしまう...「ネットいじめ」の危険性はここにあります

子どもを「ネットいじめ」の被害者にせず、加害者にもしない。そのためにはまず親がしっかり現状を把握し、子どもと向き合う必要があるのではないでしょうか。私たち大人ができることをあげてみました。

1) 子どもの利用実態に目を向ける
携帯電話やインターネットを、何に使っているのか、どんなときに使っているのか、子どもの利用実態をきちんと親が知っておく必要があります。携帯電話は単なる「連絡の道具」ではないことを、まずは保護者が理解しましょう。

2) ケータイ・ネット利用のルールを決める
携帯電話やインターネットを利用する上でのルールを決めるとともに、モラルについても考えていく必要があります。"やってはいけないこと"を知り、間違った使い方をしないこと。繰り返し話し合って、子どもの携帯電話・インターネットの利用能力を高めましょう。

3) 子どもの様子に注意する
日ごろからお子さんの様子に目を配る必要があります。携帯電話を隠れて使うようになった、着信音がサイレントになった、パケット代金が高くなった...など今までと違うところがあれば、注意して観察したほうがいいかもしれません。小さなSOSを見逃さないようにしてください。

4) 学校との連携を深める
「ネットいじめ」は短期間で広がりやすく深刻化しやすい傾向があり、個人で問題を解決するのは難しいといえます。学校と家庭との連携を深め、どのように対処するかを考えておくことが大切だと思います。ネットパトロールなどチェック体制を整えれば、早期発見・早期対応にも繋がります。

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携帯電話は親を介さずに他人と繋がることのできる道具です。携帯電話でインターネットを利用すれば、その先に広がる世界は広大で、かつては考えられなかったような新しい「いじめ」の現実があります。

親御さん自身がお子さんを守るフィルターになってあげられるよう、まずは知識を深めるところからはじめてみてください。





2011年10月20日(木)

カテゴリー: 携帯電話・インターネット

プロフィール

舟生 岳夫

セコム株式会社
IS研究所 所属

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