【子どものインターネットトラブル最前線(2)】高額請求、スマートフォン、パスワード。トラブルの火種を知る

セコムの舟生です。

子どもたちを取り巻く危険を知り対策を立てることが大切です。インターネットトラブルの最前線で相談窓口として、子どもたちをトラブルから救ってきた財団法人インターネット協会 主幹研究員の大久保貴世さん。

前回の「ソーシャルゲームサイトと個人情報のトラブル」に続き、今回は「今どきの子どもたちを取り巻くトラブルの火種」をテーマにまとめていきます。

めまぐるしく変化するインターネット社会。少し前の情報があっという間に古くなり、問題点も移り変わっていきます。そんな動向の激しいインターネット社会に生きる今どきの子どもたちには、どのようなトラブルがあり、どのような回避策があるのか一緒に考えていきたい思います。


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▼ 高額請求!そんなとき親はどう対処するか
舟生:
子どもたちに人気のソーシャルゲームは「無料でゲームができる」というのがウリになっていますが、実際はすべて無料というわけではなく、請求トラブルも起きていると聞きます。

大久保さん:主な支払い方法は、クレジットカードかプリペイドカードの2パターンです。プリペイドカードなら、あらかじめ上限が決まっていますし、お小遣いの範囲でやりくりする子が多いため、それほど大きなトラブルにはならないと思います。

問題になることが多いのはクレジットカード払いのほう。暗証番号を入力するだけで購入できてしまうので、いくら使ったのかがわからなくなってしまうのです。それに、たいていのソーシャルゲームは「ポイント」換算ですが、「1円=1ポイント」とは限らないので、金銭感覚が曖昧になってしまいます

子どもが暗証番号を知っていて放任していたら、「とんでもない請求が来た!どういうこと!?」となってもおかしくありません。お金を使っている感覚が芽生えにくい仕組みなので、子どもはどうしてそうなったか理由がよくわからないということが考えられます

舟生:決済に使うような大事な暗証番号を子どもに教えることは避けたいですね。

大久保さん:いきなり高額請求が届いたらお子さんを怒りたくなる気持ちもわかりますが、この場合、親の責任が大きいと思います。暗証番号があれば、有料ゲームの購入もフィルタリングの設定変更もできます。暗証番号を教えてしまったのは親の責任ですよね。

何か事情があって教えている可能性もありますが、「暗証番号が必要なんだって」「あらそう」みたいな流れで、簡単に教えるべきではありません。ゲーム用の暗証番号を別に作ることもできますし、子どもに教えた暗証番号を変更することもできるので、親御さんが一貫して暗証番号を管理したほうが良いと思います。

 

▼ IDとパスワードの大切さを知ろう
舟生:
暗証番号の重要性は大人が理解しておくべき問題ですね。SNS以外で最近多いインターネットトラブルはありますか?

大久保さん:「IDやパスワードを忘れて困っている」という相談は多いですね。たとえば放置していたブログを削除しようとしたけれど、どうしてもパスワードが思い出せない。メールアドレスも変更してしまった。これでは本人確認の条件がそろいませんから、「消したい」と申し出ても運営会社に受け入れてもらえません。

舟生:運営会社側からしたら、本人ではない悪意の第三者である可能性も否定できないですからね。

大久保さん:どのサイトでも本人確認は非常に厳密になってきています。インターネットでは、なにかとIDとパスワードがついて回りますよね。全部統一してあれば忘れにくいのですが、サイトによって暗証番号にもルールがあるため、何パターンか持っていることが多いと思います。これを忘れてしまうと、いざ何かあったときはかなり大変だということを覚えておいてください。

昔は「パスワードをそこらへんに書いておいてはダメ」というのが主流でしたが、最近は「ちゃんとどこかに控えておきましょう。忘れると大変なことになります」と言われています。

 

▼ スマートフォンにはより厳密なペアレンタルコントロールを!
携帯電話やスマートフォンを持たせるか、持たせないかは、子どもの成長度合いを知っている親が決めること舟生:最近スマートフォンの利用者が増えてきましたが、子どもたちの間ではどうですか?

大久保さん:普通の携帯電話より機種が増えてきているので、買い替えにあたってはスマートフォンも選択肢に入ってきていると思いますね。なかには初めての携帯電話をスマートフォンから、なんていう親御さんもいるようです。

舟生:子どもの携帯電話利用は、家庭によって賛否が別れるところです。ましてスマートフォンの利用となると多くのトラブルが予想されますね。スマートフォンは、携帯電話というよりも機能の面ではパソコンです。トラブルが心配ですね。

大久保さん:スマートフォンの危険はふたつ考えられます。ひとつはフィルタリング。3G回線でインターネットにつないでいるときにはフィルタリングがかかっていても、Wi-Fi(ワイファイ)でつなぐと携帯電話会社のフィルタリングは無効になってしまいます。公衆無線LANのある場所が増えてきていますが、そこでは子どもでもアダルトサイトのような有害サイトにも自由にアクセスできてしまうということです。

もうひとつは位置情報の問題。位置情報がオンになっていると、あるアプリケーションを使えば、場所が特定できてしまいます。自宅でスマートフォンで撮影した写真をブログにアップしたら、住所がわかってしまい、悪質な嫌がらせに発展するようなトラブルもあると聞きます

位置情報やWi-Fi接続をオフにして、子どもが勝手にいじれないよう暗証番号で管理することはできるはずです。スマートフォンを使わせるなら、普通の携帯電話以上にペアレンタルコントロールをしっかりする必要があると思います


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高額請求の可能性、スマートフォン利用に潜む危険、パスワード紛失によるトラブルは、まさに今の時代ならではの問題です。

子どもが一人前になるまでは親がしっかりと手綱を握り、インターネット利用をコントロールする必要があるようですね。

さて次回はいよいよ最終回。「インターネットトラブルの回避方法」をテーマについてまとめていきます。





2012年9月24日(月)

カテゴリー: インタビュー・座談会

プロフィール

舟生 岳夫

セコム株式会社
IS研究所 所属

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