【特集:子どものネット教育を考える [2]】 有識者に聞くネット教育の今<後編>

セコムの舟生です。

メディアリテラシー研究の第一人者千葉大学教育学部森川大祐教授(右)特別連載として前回からスタートした【特集:子どものネット教育を考える】
今回は前回に引き続き、メディアリテラシー研究の第一人者である千葉大学教育学部の藤川大祐教授へのインタビューをお届けします。

前回は、「メディアリテラシーの基本と家庭に求められる役割」について伺いましたが、今回は、子どもとインターネットの関係性に焦点をあてました。

子どもとインターネットの関係性を知ることは、家庭で行うメディアリテラシー教育のヒントになるはずです。

メディアリテラシー教育の実践が有害情報や犯罪被害のリスクなどから子どもを守ることにもつながります。ぜひ最後までご覧ください。

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▼ 子どもは居場所を求めている
子どもとインターネットの関係性を伺った舟生:メールやSNSを通じたコミュニケーションが当たり前になってきていますが、今の子どもたちはこの現状をどのように受け止めているんでしょうか?

藤川教授:「友だちとコミュニケーションをとりたい」という欲求は、昔も今も変わりません。かつては授業中にまわす手紙や長電話という手段だったものが、インターネットに移ってきたということだけだと思います。

舟生:子どもたちのコミュニケーションツールとしてインターネットが使われるようになったのは自然な流れだというわけですね。

藤川教授:学校という場では所属のクラスが決まっており逃げ場がないので、嫌われたらやっていけません。「周りにうまく合わせて本音は出さない」といった気遣いからくるストレスを抱える子どもも、少なからずいると思います。「別の居場所がほしい」「本音を話せる場所がほしい」と考えるのも当然のことで、インターネットはそういった意味でうってつけです。子どもたちの間でSNSの人気が高いのも、そうした理由が含まれているのではないでしょうか。

匿名性の高いSNSでは、子どもはネットの中のキャラクターとして、ほかの人との接点ができます。すると学校では言えない本音が言える。そこで、こんな悩みがあるとか、親との関係はこうだとか、溜め込んでいた不満を吐き出すことで、救われている子どももいると思います。

舟生:救われている子がいる半面、インターネットを逃げ場にしてしまう子もいると思うのですが、問題はないのでしょうか?

藤川教授:学校だけではなく、SNSの世界でもいい顔をしてしまう...ということはあるようですね。今回のコンプリートガチャ問題でも、よくそういう話を聞きました。「自分はこんなにいいカードを持っている」と周りに言いたいがために無理をしたり、「あげるよ」と見栄を張ったり。それでお金を使いすぎてしまったということもあったようです。

子どもにとっては、家に居場所がないというのは非常につらいこと。家庭でうまくいかないなかでインターネットを使い始めると、危ない方向に行きがちです。たとえば怪しい人から誘いがあったときに「自分に声をかけてくれただけでうれしい」「優しくしてくれるこの人のことをもっと知りたい」なんていうふうに考えてしまいます。

舟生:居場所を求める子ども、そして居場所を提供できない大人。居場所を用意してあげることは大事なことなのですね。

 

▼ 大人がインターネットの威力を見せ付ける
親がインターネットを使う姿を見て、子どもも使い方を学びます 舟生:私は子どもにインターネットを使わせるとき、「何をするのか」をハッキリさせるようにしていますが、インターネット利用能力を伸ばすためには、どういった使わせ方をすればいいのでしょう?

藤川教授:興味を持ったことを「調べてみよう」とすぐに調べられることはインターネットの利点です。ニュースを見ていて、何かわからない言葉が出てきたり、旅行先で知らない観光名所が出てきたとします。そういうときに、インターネットですぐ調べて家族みんなで見るのも楽しいものですよ。

また親がインターネットを道具として使っている姿を見せ、インターネットの威力を正しく発揮する場面をいろいろつくってあげる。すると、自然に正しい使い方を学んでいくのではないでしょうか。

舟生:子どもの好奇心をうまくインターネット利用につなげる道筋をつくるわけですね。

藤川教授:子どもは、好奇心の固まりですが、行動範囲は限られています。その気になれば何でも調べられる、何とでもつながれるインターネットは非常に画期的。「知りたい」「学びたい」という欲求をうまく満たしてあげられる道具なのではないかと思います。

ただ、「インターネットだけじゃよくわからないな」という感覚も大事です。一つの情報だけみて満足してしまうようなら、まだまだメディアリテラシーが低いということ。本当に大事なことを知るために図書館に足を運ぶとか、体験しに行くとか、そういった実体験のつなぎとしてインターネットを利用するくらいがちょうどいいと思います。まずは広く浅く調べて、だんだん核心に迫っていくような調べ方を子どもたちに学んでほしいですね。

舟生:うまくコントロールしてあげられるよう、大人も勉強が必要ですね。

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子どもにとって、友だちとの交流にインターネットを使うことは自然の流れ。藤川教授は、インタビューのなかでインターネットを避けるというよりは、正しい使い方を学び、インターネットの利点をうまく活用する方法を教えるべきであり、親がインターネットの正い使い方を子どもに示していくことも必要であると言及されていました。

時間つぶしの手段ではなく、知識を高めるための道具として子どもがインターネットを活用できるようになるには、やはり親がうまく導く必要がありそうです。

さて、次回は【特集:子どものネット教育を考える】の最終回です。
藤川教授との対談を経て、親が子どもを守るためにできることをまとめていきますのでお楽しみに。

 

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2012年6月11日(月)

カテゴリー: インタビュー・座談会

プロフィール

舟生 岳夫

セコム株式会社
IS研究所 所属

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