【座談会】3.11アンケートから考える「あの日」と「これから」~小学生ママたちの本音を聞く<その3>~

セコムの舟生です。

震災後の家族の防災計画や意識の変化を語り合うアンケート「3.11地震後の子どもを取り巻く危険の変化に関する調査」の結果をもとに、小学生のお母さんたちと東日本大震災について語り合った座談会。

子どもの危険回避研究所の所長 横矢真理さん、
高校生と小学校3年生、ふたりの男の子をお持ちの野元美香さん、
小学校4年生の男の子をお持ちの内海(うちみ)加織さん、
小学校3年生の男の子と3歳の女の子をお持ちの森泉洋子さん、
セコムから舟生と堀越を交え座談会を実施し、これまでに「地震発生の午後2時46分に子どもたちが直面した状況」、「子どもたちのメンタルケア」をテーマにレポートしてきました。

最終回の今回は、震災後の家族の防災計画や、意識の変化に迫ってみたいと思います。
"これから"を考えるうえで大変参考になる話ばかりでしたので、お子さんを持つ保護者の皆さん、必見です!

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▼ 震災を経ての教訓「細かいルールより大きなルールを」
 堀越:
 今回の震災では、皆さんそれぞれ不安な思いや大変な経験をなさったと思います。震災前からなにかご家庭で、非常時のルールのようなものは決めていましたか?

森泉洋子さん森泉さん:うちは小学校3年のやんちゃ盛りの男の子ですから、「細かく言い聞かせても無駄だな」という気はしています。ルールはルールとして決めていますが、「この子、どこまでちゃんと覚えているかな」という心配が、わが子ながらあります...(笑)
以前から「行き先ははっきりしておく」というルールを決めています。どこに行くのか、だれと行くのか、何時に帰ってくるのか。普段の生活ルールなのかもしれませんが、震災後は特に強く言い聞かせるようにしていますね。

野元さん:震災のあと「地震が起きたときに一緒でなければ、小学校で会おうね」と決めました。決めたのはそれだけですが、こうやって皆さんとお話ししていると、もっと細かくいろいろなルールを決めておかなくてはと思っています。臨機応変な対応が大事だとは思いますが、災害のときに臨機応変に対応するのは、大人でも難しいと思うんです。

舟生:うちも上は小学生の女の子ですが、細かいルールをいろいろ言ったところでダメです。ルールを作るなら、ひとつ大きな枠を決めておくだけにする。それ以外は「なにかあったらこの子はどう行動するかな」という予測を親が立てないといけないと思っています。
「学校にいるときは、そのまま学校にいなさい」、「学校にいないときは、○○公園に行きなさい」といったふうに、まずひとつ決めておくのがいいと思いますよ。

横矢さん:そのうえで、「もしなにか想定外のことがおきたら、周りの知っている大人の言うことを聞いて行動しなさい、必ず探しに行くから」と伝えておくといいですね。小さい子には、特にそれが大事なことかもしれませんね。決めていたことを守ろうとして、無理に危険な状況に飛び込んでいかないようにしたいです。

内海さん:私は、震災前は子どもに関してなにも決めていませんでした。
でも震災後は、「登下校中に地震がきたら、家か学校か近いほうに行ってね」、「習い事の途中で電車に乗っていたら、駅員さんにどうしたらいいか聞きなさい」など、言い聞かせました。携帯電話を持たせることも考えたのですが、やはりまだ早いかと思い、私の携帯電話の番号を書いた紙を持ち歩かせるようになりました。

横矢さん:今回の震災のあと、子どもに連絡先カードを持たせるようになった親御さんはかなり多いようですよ。携帯電話を持たせた方もいます。親も子どもも、連絡手段ができることでちょっと安心するところがありますよね。

野元さん:ただ、個人情報に関わるものをどこに持たせるかは心配ですね。

横矢さん:小銭を入れたお財布に入れたり、定期入れにいれさせているようです。携帯電話を持たせても、電源がなくなったり紛失したりすれば終わりですから、紙に書いて持ち歩くのはいいと思います。もちろん、情報の扱い方には注意をしておかないといけませんね。

舟生:ただ、小学校低学年だと、毎日どこにいくときも決まって持ち歩くというものがないじゃないですか。うちの娘も、忘れて出かけてしまうことがしばしばです。お気に入りのカバンを準備したり、いろいろ工夫したりはしているんですがね。

野元さん:常に携帯できるようなものがあるといいですよね。防犯ブザーなんかいいと思うんですが、あんまりおおっぴらだと、他人から見られてしまうかもしれないし...。


▼ "わが家"だけではなく"地域"にも目を向けてみよう
 堀越:
 アンケート結果でも、震災のあとルールを決めた方が約9割と、確実に防災に対する意識の変化があったようですが、皆さんはいかがでしょうか?

野元さん:確かに変わったと思います。もっと考えて、子どもにしっかり伝えなくてはという思いが強くなって、主人ともよく話をしています。
夏休みには消防署のやっている防災館に家族で行ってきました。起震車に乗ったり、煙体験をしたりして、あらためて「こういうことに注意しないとね」というのを家族で確認しあうことができました。オススメですよ。

舟生:防災館はいま大変な人気があって、予約もいっぱいだそうですね。

野元さん:お子さんが多かったのですが、みんな楽しみながらも、ピリッと緊張した顔をしていましたね。私も怖かったですけど、こういう体験も必要だなと思いました。

横矢さん:地域の防災訓練に参加するのもいいですよ。地域の人と顔合わせができますし、普段はできないような高度な訓練ができることもあります。

野元美香さん(左)と内海加織さん内海さん:私はすごく心配性なので、「今度はいつ地震がおきるだろう」なんて考えてしまうことがあります。考えすぎると気分がふさぎこんでしまうので、あまりそれが子どもに伝わるようではよくないですよね。「大人がしっかりしなければ」というのを何度も考えて、自分を奮い立たせるようにしています。

森泉さん:今回のことで学校とたくさん話ができたのもよかったです。避難所の責任者でもある町内会長の方にも親切にしていただいて。住んでいるマンションに同じ小学校に通う世帯がいくつもありますから、心強いですよね。安心して子どもを遊ばせられる、いい町に住んだな、というのをあらためて噛み締めています。

横矢さん:ステキなことですね。

森泉さん:防災も大切ですが、小学校3年生ですから、まだまだ遊びを大事にしたい時期です。子ども自身の成長にも関わることですよね。これから自分のことは自分でやらなくてはならない年齢にさしかかってくるので、親としてはそういう成長を助けながら見守ることも、とても大事だと思っているんです。日々心配は多いんですが、なるべく自分で外に出かけて帰ってくるのを、見守るようにしています。

舟生:防災も防犯も、自分の住んでいる町のことをちゃんと知って、人間関係も情報も最大限に活用することが大切なんですよ。

横矢さん:いざというときには、自分たちだけ逃げるのではなく、近所のご高齢者の方にどんな助けができるかとか、普段付き合いのない人とどうやって助け合うかとか、そういったことにも目を向けてみるといいかもしれません。


▼ 大切なのは「諦めない」こと
 セコム「子を持つ親の安全委員会」メンバーの舟生岳夫(右奥)と堀越穂波(左奥)舟生:
 震災後はいろいろ対策を考えた方が多かったですが、最初から完璧にしようと思うと、「どうせ無理」と諦めたくなってしまいます。

横矢さん:とくに今回のような大きな地震では、大変な被害があったので、考えれば考えるほど「こんなに大変なことばかりおきてどうしよう」という気持ちになって、立ち向かうのが難しく感じてしまうんです。
だけど、防災対策はそんなに大変なことだと負担感を持って欲しくはありません。小さな工夫を重ねて、実際にできることを積み上げていくことが大切なんですよね。たとえば家具が倒れないようにしようとか、重い本は本棚の下段に移そうとか。

舟生:なにか行動を起こすことで確実にレベルは上がっていきますからね。楽しく親子で話し合いながら、やってみるといいですね。

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座談会が終わってみると、私自身も勉強になることがたくさんあり、確実にステップアップしたように思います。だれかの話を聞くことは、自らを見つめ直すことであり、視野を広げることでもあります。

皆さんもぜひ、同じ年頃のお子さんを持つご友人とや、PTAの集まりなどで、震災について話をする機会を作ってみてください。

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2011年10月13日(木)

カテゴリー: インタビュー・座談会

プロフィール

舟生 岳夫

セコム株式会社
IS研究所 所属

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