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安全のプロのママと話そう!【4】
携帯電話でのインターネット利用について

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セコムの舟生です。

子供達の携帯電話のインターネット利用についてそろそろクリスマスプレゼントに携帯電話のおねだりの声がお子さんからでてきたり、来年の進学・進級をひかえ、お子さんに携帯電話を持たせるべきか悩んでいるご家庭も少なくないでしょう。

今回は子供の携帯電話インターネット利用について、座談会を催しました。

◎今回の座談会にご協力いただいた皆さん

横矢さん
NPO法人 子どもの危険回避研究所 所長の横矢さんは、『「まさか」の犯罪・事故からわが子を守る7つのルール』(講談社)など子供の安全に関する書籍を数多く執筆している、子供の安全における第一人者のおひとりです。今回も子供の安全を考えるプロとしてアドバイスをいただきます。

西江さん
同じくNPO法人 子どもの危険回避研究所の副所長を務める西江さん。小学4年生、6歳、1歳のお子さんのママでもあります。

玉置さん
小学4年生と1年生のお子さんのママ。お子さんは私立の小学校に電車通学をしているので、通学時の安全が気にかかるところだそうです。

富永さん
小学6年生と3年生のママ。現在、私立の小学校のPTA会長をなさっているそうです。横矢さんとは高校時代からの友人で、子どもの危険回避研究所の理事もなさっています。

* * * * * *

■ あなたのご家庭では、お子さんに携帯電話を持たせていますか? 子供達の携帯電話のインターネット利用について舟生:今回もお忙しいところありがとうございます。今回の座談会のテーマは「子供の携帯電話によるインターネット利用」についてです。早速ですが、皆さんのご家庭では、お子さんに携帯電話を持たせていますか?

玉置さん:私のうちでは、小学4年生の娘に携帯電話を持たせています。ただし、学校への持ち込みは禁止なので、お稽古事に行くときの利用が中心です。

富永さん:私は、小学6年生の娘に携帯電話を持たせています。子供の位置検索や緊急時の連絡用にと思って持たせたのですが、最近、携帯電話でのインターネット利用に関する講演を聞く機会があって、いろいろと心配に感じています。今日はよろしくお願いします。

西江さん: 娘(4年生)のクラスでは、友達同士が携帯電話のメールアドレスを交換しているようです。それが羨ましいらしくて、娘は携帯電話をほしがりますが、今のところ持たせないようにしています。

舟生:玉置さん、富永さんは、お子さんに携帯電話を持たせており、西江さんは、今のところ持たせていないということですね。続いてはいま現在、お子さんと携帯電話をとりまく環境や状況について、質問させてください。


■ 携帯電話でのトラブル経験や心配に感じること
舟生:お子さんに携帯電話を持たせることでトラブルになったり、不安に感じたりすることはありますか?

富永さん:子供達が携帯電話を持ちたい理由って、なんだか知ってます?最初は単純に"友達とメールをしたい"んだそうです。うちでは、最初はメールアドレスを他人に教えない約束を親子でしていたのですが、友達と遊びに行くときに連絡が取りやすいようにと、一緒に行く友達とのメールアドレス交換を許可したんです。ところが、一人に教えただけなのに、知らないうちにたくさんの友達にアドレスが広まってしまっていたようで...。あるとき娘のケータイの履歴を確認したら、3分おきくらいにメールが届いていて、驚いた経験があります。娘も「ケータイは持っていないことにしたい」と言い出して。それからは娘とも話をして、"ママが厳しいからケータイは取り上げられちゃった"と言って、必要なとき以外は私が預かるようにしています。メールアドレスも変えました。そもそも携帯電話を持っていなければ、悩まなくてもすむんですけど、やはり必要なときもあるので。

横矢さん:トラブルが起こっていても、親がまったく気付いていない場合も多いですから。自分で怖さがわかって、娘さんや富永さん自身にとっても、いい経験になりましたね。

富永さん: チェーンメールなどの実態を知らないお母さんも多いと思う。私の周りでも、「もっと親が管理しなければいけないんだ」ということが、やっとわかってきたという状態。それに、いろいろな規制が進んでいるといっても、子供が隠れてやっているのを親がどれだけ把握できているか。子供の携帯電話については、親がもっと管理しなければいけないと思います。

子供達の携帯電話のインターネット利用について横矢さん:小さなトラブルで済めばまだいいけれど、架空請求詐欺などもあるので気をつけなければいけません。「このボタンを押して"会員"になったから3万円払え。払わないと家までおしかけるぞ」なんてメールがある日突然届く。子供は、親に話したらいけないと焦って、自分でお金を払ってしまうことがあるんですね。実際には支払う義務はないから無視していればいいのだけど、こうした悪質メールへの対応が、子供にとってすごいストレスにもなる。

舟生:携帯電話のカメラで撮影した画像の流出も、非常に怖いですね。メールなどで画像を一度送信すると、もはや自分では管理できない。顔写真などが、知らないうちにいろいろな人に転送され、何か悪いことに使われる危険もあります。

富永さん:フィルタリング(※1)をかけている携帯電話からでも"写真コンテスト"みたいな内容のサイトにアクセスできてしまうんです。そこでは"10歳未満女の子の部"とか"高学年女の子の部"などの募集があって、子供たちは実名で、気軽に投稿をしているという話も聞きました。親が子供に注意しても、「ママ、これは子供のサイトだから大丈夫」という感覚なんです。フィルタリングをかけていれば安心、というわけでもやはりないんでしょうか?

(※1)フィルタリング:あらかじめ定めた基準によりアクセスしてよい情報といけない情報を自動的に判別し、アダルトサイトや暴力的なページなど、有害と思われるサイトへのアクセスを遮断する機能。携帯電話各社がサービスを提供しています。フィルタリングにはいくつかの種類があり、基準もまちまちです。

舟生:フィルタリングにもいろいろと種類がありますので、制限をかけることも可能です。しかし、多くの親が、フィルタリングについてよく理解しないまま、お子さんに携帯電話を持たせてしまっているのではないでしょうか。2008年1月から、未成年の新規契約者を対象にフィルタリングサービスの原則適用が開始されています。しかし、少し前の情報になりますが、2007年夏の時点ではフィルタリングサービスがあることさえ知らない人が3割程度で、聞いたことがあるけどよく知らないという人を合わせると8割を超えていました。今、多少認知度は上がっているとしても、フィルタリングをよく理解している人の割合は半分にも至っていないでしょう。一応、こういったフィルタリングに関するルール作りは進んでいるのですが、「原則、フィルタリングをかけること」といった、中途半端なものになっているのが現状です。子供に携帯電話を持たせるなら、まずは親がフィルタリングなどについてよく勉強する必要があるんですね。

子供達の携帯電話のインターネット利用について横矢さん:保護者の理解が足りないまま、子供に「学校の掲示板が見られないからフィルタリングを外して」などとせがまれると、「それなら、仕方ないわね...」ということになってしまう。ママ達が、その怖さに気付いていないんですね。子供が携帯電話をどのように利用しているかは、親が見る!というぐらいの姿勢が本来は必要だと思いますよ。プロフ(※2)にしても、本人と特定できるような書き込みや写真を載せたり、電話番号まで平気で載せている子供もいます。また、自分は気をつけていても、友達の書き込みから個人情報が漏れてしまったり、書き込みの内容から個人を特定されて、トラブルに発展するケースも起きています。この問題は、本人やその親だけが気をつけていてもなかなか防げません。今後の課題ですが、親同士が協力して守っていく仕組みづくりが必要ですね。

(※2)プロフ:プロフィールサイトの略称。プロフィール帳のネット版というとイメージ。名前・学校名・住所・電話番号・メールアドレス・顔写真・趣味・リンク先などの情報を公開しあい、コミュニケーションを図ることを目的にしており、プロフの情報がきっかけでトラブルに発展するケースも多数、発生している。

舟生:コミュニティサイトを通じて知り合った同世代の女の子に会ってみたら、じつは大人の男だったという事もめずらしくありません。ネットの世界はだれもが匿名で参加をしていますから、こういったことは十分に考えられることですね。

玉置さん:"ネカマ(ネットの匿名性を利用して、男性なのに女性であるように偽る人)"などという言葉も聞きますね。

富永さん:以前に参加した講演会で、こんな話も聞きました。ある女の子が、相手を女の子だと思ってメール交換をしていていたそうです。あるとき、軽いノリで上半身裸の画像を送ったそうなんですが、後日、その画像が学校中で見られていることがわかり、女の子は不登校になってしまったそうです...。

玉置さん:怖いですね。

横矢さん:携帯電話で安易に画像を送る、安易にメールアドレスを教える、そして不特定多数の人が閲覧する掲示板やプロフに写真やメールアドレスなど掲載する。こういったことがきっかけで、実際にさまざまな事件が発生しています。子供はなんでも知っている気でいるけど、それをいいことに逆手にとって悪いことを考える大人がいることも、知っておかなくてはいけません。やはり、まずは保護者の皆さんがインターネットの危険性について学ぶことが第一歩ですね。


■ 携帯電話の利用について、家庭内でのルールはありますか?
子供達の携帯電話のインターネット利用について舟生:では、携帯電話を利用(購入)する際、ご家庭で決めているルールはありますか?

富永さん:わが家では、インターネットはパソコンでするように決めています。携帯電話は、どんなページを(子供が)見ているかわからないですよね?

舟生:親がその気になって調べようと思えば、通信・アクセス履歴などを確認するサービスもあります...ただ、そのことを知っている親はあまり多くないですね。

横矢さん:子供に「親はちゃんと(あなたの行動が)わかっているのよ」ということを伝えることも大切ですね。親はちゃんとわかるんだよ、ということを子供に伝えるだけでも抑止力になるはずです。

玉置さん:でも私としては子供を信じたいから、いちいち履歴とか見たくない。子供は(携帯電話を)悪いことになんか使わないと信じたい気持ちがあります。

横矢さん:決して"子供は悪いことをする"という見方をすすめているわけではないんですね。ただ、世の中には悪いことをする人がいて、子供の判断力では対処できないこともたくさんある。そうしたことを、きちんと子供に教える必要があるのだと思います。会社は社員を守る"責任"があるからこそ、時として会社が社員の履歴を見ることだってあります。家庭の場合は親に責任があるわけですから、やはり親が子供を守るために、きちんと見守ってあげる必要があるのではないでしょうか。10年前には、携帯電話がこれほど普及し、進化するとは誰も思っていなかった。親がもっと想像力を働かせなくてはいけません。「もし、○○しちゃったら、どうなる?」とか。昔は壁の落書きだったけど、今は携帯電話の掲示板にも注意が必要。大人が先回りして考えないといけません。

西江さん:うちでは今のところ携帯電話は必要性がないことを(子供に)説明して、買い与えていません。持っているお友達もいるので、子供は欲しがることもあるのですが、「いい子にしていたら」とか「皆が持っているから」という理由で持たせるものではないと私は思っています。将来、子供がひとりで習い事に通うような状況になれば、(携帯電話の)必要性を感じるかもしれませんが、必要性が出てくるまでは持たせるつもりはありません。

舟生:そのお考えは素晴らしいと思います。携帯電話の利用にはリスクもつきものですから、ある程度、きちんと危険性を理解できる年齢になってから持たせることも大事ですね。

横矢さん:お子さんの性格によっても、どのように携帯電話と付き合っていくかは違ってきます。臆病なのもいいこと。私達は、臆病なのは強くなれる条件だと、常日頃から話をしています。子供に携帯電話を持たせるときには、ほんとうに携帯電話は必要か、インターネット機能は必要なのか、(携帯電話には)どういった危険があるのかなど、親子でよく話し合ったうえで決めていただきたいと思います。

子供達の携帯電話のインターネット利用について舟生:以前、インタビューさせていただいた群馬大学の下田博次教授の受け売りですが、携帯電話はもはや単なる電話ではありません。非常に高性能なモバイルコンピュータと考えてください。横矢さんがおっしゃるように、なぜ、子供に携帯電話を持たせたいのか、本当に持たせる必要はあるのか、まず家族でそれをよく話し合うことが大切だと思います。これだけ携帯電話が普及した今、携帯電話の便利な部分を有効活用するのはよいと思います。ただ、お子さんに、このモバイルコンピュータを使いこなせる判断力があるのか、あるいは、必ず親が利用内容を把握できる状態にできるか、そして、お子さんにとって本当にすべての機能が必要なのか、各ご家庭で慎重に考えていただきたいですね。

本日はお忙しい中ありがとうございました。

* * * * * *

【座談会を終えて...】 警視庁のサイトによると、携帯電話の保有率は、小学生32.4%・中学生68.4%・高校生96.0%にのぼっています。

今後、子供達が携帯電話をもつことは特別なことではなく、当たり前のことになっていくのかもしれません。

そうした中で、携帯電話をただの電話の延長のように安易に考えていると、年々巧妙化している悪質な罠に引っかかる危険があります。携帯電話は、子供達が安易に利用するには危険すぎるツールです。

子供にとって面白いサイトの利用が、実は犯罪の入り口につながっているという可能性も考えられるのです。そんな闇の社会に子供達が遭遇したときに、はたして子供の力で対処できるでしょうか?インターネットの世界は日々進化します。お子さんに携帯電話を持たせる際には、まず親が情報収集に努め、子供とよく話し合い、子供が責任を持った使い方ができるようになるよう、共に努力するように心がけてください。子供が安全に自転車に乗れるように付き添って教えてあげる、そういった考え方に似ていると思います。


関連記事
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携帯電話とインターネットに潜む危険


<今回登場した「セコムの食」のお菓子>

あいむす焼詰め合わせ

あいむす焼詰め合わせ


あいむす焼きとは、瀬戸内海の燧灘(ひうちなだ)で獲れた小海老を鉄板で挟み焼きしたものを、さらに専用の臺(むろ)で蒸しました。塩・化学調味料など一切使っていない、まさに"海老そのものの味"が楽しめます。そのほか、甘辛く味付けをした串海老や無調味で小海老を殻ごと焼いた姿焼などを詰め合わせました。自然な味わいはママ達にも大好評でした。130年の伝承の味と技が生きるおせんべい"あいむす焼き"。ご贈答にも大変喜ばれる商品です。ぜひ、お試しください!

→セコムの食はこちら


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2008.12.10

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