ケータイ有害サイトの脅威<その2>~プロフから流出する個人情報~

セコムの舟生です。

ケータイ有害サイトの脅威前回は、子供たちが作る「学校裏サイト」の陥りやすい問題点についてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか? 学校裏サイトは、主にその学校に在学中または卒業生が交流の場としてつくっているもので、小さなお子さんを持つ保護者の皆さんにはピンと来ない話かもしれませんが、決して無関係なことではありません。

お子さんがインターネット機能を使っているときに、偶然アクセスしてしまう可能性はゼロではありませんし、知り合いのお兄さんやお姉さんからこっそり教えてもらって見てしまうことも考えられますが、そこまで親の目を行き届かせるのは困難です。

今回は、子供たちのネット遊び「プロフ」について、引き続き、群馬大学社会情報学部 大学院 下田博次教授のお話を、レポートします。

* * * * *

下田教授:最近、流行しているものに「プロフ」があります。こちらはさらに深刻です。このプロフとはプロフィールのことで、卒業間近になると、住所や連絡先、趣味やスポーツなどの情報を書き込んで交換するプロフィール帳のネット版です。

舟生:簡単に自己紹介ができるわけですね。「プロフ」遊びの問題点は、どんなところでしょう?

下田教授:個人情報の流出ですね。写真や名前、メールアドレス、学校名、趣味、日記、リンク先などが書き込まれていて、だれもが見られるネット上に個人情報が軽いノリで掲載されています。写真も動画も掲載できるので、一番簡単なホームページという感覚だと思います。しかも簡単なので子供たちにはおもしろいわけです。「私はこんな女の子ですけど、友達いませんか?」と出すとみんなが「プロフ」を見てアクセスしてきます。

可愛い写真を貼ると人気も上がるし、ランキングなどというものもあって、刺激的な写真を貼ればさらに人気が上がるわけです。男の子も女の子も、自分のことや自分と恋人が一緒に写っている写真をいっぱい載せて、不特定多数の人が見ているネットの世界に発信しているわけです。

ケータイ有害サイトの脅威舟生:実際に「プロフ」を見て驚きました。いたずら書きなどして、何となく顔を隠しているような感じですが、あれではだれだかすぐに分かりますね。本名が載っていたり、アイドルのように顔写真を載せている「プロフ」も少なくないですね。自分の顔写真だけでなく、友達の顔写真も一緒に「プロフ」に載せていて、これは大丈夫なのかと心配になります。

下田教授:大いに危険ですよ。不特定多数の人が見ているんです。彼ら彼女らに、悪い人や悪意を持っている人が見るかもしれないといった認識は低く、「ネット上での知り合いができたらいい」程度の軽いノリでやっている中高生がほとんどです。中には小学生もいます。

舟生:他人に"なりすます"こともできますね。中高生が集まる「プロフ」に大人が"なりすまし"をして書き込みをしているということもあるのではないでしょうか?

下田教授:中学生の男の子だと思ったら、実は大人だったなんてこともありますよ。「プロフ」の個人情報を使って、別人になりすまして、いじめや詐欺など、犯罪に利用されるといったこともあります。

こういった子供のネット遊びで「思春期だね、可愛らしいね」と喜んでいる状況ではもはやなく、「親や教師の目から注意しなければいけない点はココですよ」と講演会などでは教えています。それは「足跡」と「マイリンク」の部分です。

「足跡」には、その子に興味を持った人がメッセージを残しています。掲示板のようにやりとりを把握することで、その子の行動が分かります。「マイリンク」をたどれば交友関係がわかります。なかには、リンクが風俗サイトや出会い系サイトにつながっていることもあります。もし、子供が見たとしたら、興味本位で覗いてしまうことは十分に考えられます。

舟生:それが高額請求や架空請求、援助交際などに発展してしまう可能性を考えると怖いですね。

下田教授:こういった「プロフ」で発見される非行については、今の学校の状態では追いつけません。対策としては、学校の生徒指導の先生に勉強をしてもらうか、もしくは私たちのような対策会議が、教育委員会を通じて、注意を呼びかけていくしか今のところ手はないと考えています。

舟生:それが今、群馬県で行っているような、インストラクターの養成なのですね。

下田教授:インストラクターを養成していくこと、賢いお父さんお母さん方を増やして助けるシステムです。どう考えてもこれしか方法はありません。本当に子供のことを考えているお母さんは、本当に賢いです。群馬県だけをきちっと見て、学校の先生方を助けるだけなら、インストラクターのお父さんお母さんが50人いればできます。その人数で学校や先生方は助かるんです。

舟生:具体的にはどのような対処をされているのですか?

下田教授:子供がこうしたサイトへアクセスしているとわかった際、親が子供を頭ごなしに叱りつけたり、学校で表立って問題にすると、かえって逆効果となる可能性が高いでしょうね。インターネットは想像以上にパワフルなメディアです。その匿名性からも、更なる暴走を招く恐れもあります。

舟生:対応は慎重に行う必要がありますね。

下田教授:子供たち自身は、「悪いことをしている」という感覚はなく、サイトを利用しています。解決には、じっくり時間をかけて、子供たち自らがこうしたサイトの脅威を理解できるようになるまで、一緒に付き合っていく必要があります。ただ、残念ながらこうしたノウハウを持つ組織が、まだかなり限られる。

舟生:最後にひと言、お願いします。

下田教授:インターネットに自由にアクセスできる携帯電話が、これほどの子供たちに普及しているのは世界で唯一、日本だけです。

お話したように、子供たちが気軽に利用するには、インターネットは危険すぎる。知らぬは大人だけですから、改めてこの危険性が認識され、社会全体の意識改革が進んでほしいと思います。

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次回「ケータイ有害サイトの脅威<その3>~子供を見守る市民ボランティア~」では、実際にインストラクターをされている方にインタビューした様子をお伝えします。


◆ お知らせ ◆
「キッズデザイン博2007」開催!

キッズデザイン協議会主催の「キッズデザイン博2007」が、8月8日から開催されます。一般公開は、8月9日~11日。会場には、キッズデザイン賞が展示されるほか、創造性を育む工作や、お子様の身体や体力を測るワークショップが開催されます。

ぜひ、夏休みの思い出づくりに、親子で「キッズデザイン博2007」にお越しください
皆様の参加をお待ちしております。

日時:2007年8月8日(水)~11日(土)(一般公開は9日~11日)
10:00~17:00(最終日のみ16:00終了)
会場:TEPIA 3Fエクジビションホール(東京メトロ銀座線「外苑前」駅下車徒歩約5分)
参加費:無料
*一部のワークショップは事前予約が必要ですので、サイトでご確認の上、ご来場ください。





2007年8月 6日(月)

カテゴリー: インタビュー・座談会

プロフィール

舟生 岳夫

セコム株式会社
IS研究所 所属

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