ケータイ有害サイトの脅威<その1>~暴走する学校裏サイト~

セコムの舟生です。

ケータイ有害サイトの脅威みなさんのご家庭では、お子さんに携帯電話を持たせていますか? みなさまから寄せられる""や"アンケート"には、携帯電話に関するものが多く寄せられています。

今年の4月にこのブログで行ったアンケートでも、回答を寄せてくださった約7割の保護者の方が、子供に携帯電話を持たせることに「不安を感じている」といった結果がでました。

そこで今回は、子供の携帯電話・インターネット利用の事情に詳しい、群馬大学社会情報学部 大学院 下田博次教授にお話を伺いました。

下田教授は『ケータイ・リテラシー』(NTT出版)などの著書で知られ、子供の携帯電話・インターネット利用とその実態について調査を行い、子供の携帯電話利用に警鐘をならす第一人者です。また、携帯電話やインターネットの有害性、有害サイトから子供を守るために役立つ情報提供を目的としたポータルサイト・ねちずん村の村長さんでもあります。私も今回の対談を通じ、さまざまな勉強をさせていただきました。

* * * * *

舟生:現在、子供向けをうたった携帯電話が各社から販売されていますが、これらの携帯電話は、有害サイトにはアクセスできないものだと考えている保護者の方が多いと思います。

下田教授:子供に有害な情報(出会い系サイト、自殺指南サイト、児童・ポルノサイト、麻薬などを販売するサイトなど)には、ほとんどの子供向け携帯電話から自由にアクセスすることができます。こういった子供に有害なサイトにアクセスができないようするには、アクセス制限サービスを利用する必要がありますが、このサービスは子供向け携帯電話でも基本的にオプション扱いになっており、利用者が契約時点で各携帯電話会社に申し込まなければいけません。

舟生:今の携帯電話は通話だけではなく、インターネットに直接コンタクトすることができる高性能なモバイルコンピュータだと認識すべきなのですね。

ケータイ有害サイトの脅威下田教授:子供にとってインターネットにアクセスする機能のある携帯電話は、友達とメール、写真などの交換をしたり、掲示板への書き込みやオンラインゲームをしたりする、楽しいオモチャなのでしょう。しかし、子供の教育に責任を持つ保護者や学校の教師にとっては、子供の動きが見えないメディアなので、子供を守りきれないというリスクを持った、子育て・教育上、非常にやっかいな道具なのです。

舟生:保護者は子供に携帯電話を持たせることのリスクをよく理解した上で、もし持たせるのであれば、アクセス制限などのサービスをきちんと活用していく必要がありますね。

下田教授:よっぽどしっかりしているお子さんならいいのですが、大人でさえ、携帯電話・インターネットによって、いろいろな悪徳商法に関わったり、詐欺に引っかかったりしている現状を考えても、携帯電話・インターネットに広がる闇社会に、子供が対処できるかを考えれば難しいことは明らかです。

舟生:中学・高校の公式ホームページにちなんで、子供たちの間で「学校裏サイト」というものが流行っているそうですが...。

下田教授:「学校裏サイト」は、その学校に通う子供たちが、情報交換やネット上で交流を行うことを目的としているサイトで、生徒同士のクチコミで広がっているので、親や教師はほとんどが知らないのが現状です。また、名前も顔も知られないまま書き込むことできる掲示板では、日常の何気ない情報交換がちょっとしたきっかけで暴走してしまうことは、往々にして起こり得ることです。

舟生:「学校裏サイト」で起こりやすい問題というのは、どういったものがありますか?

下田教授:まずは、生徒や先生の実名を挙げた誹謗中傷です。住所や連絡先なども書き込まれることがあり、その匿名性を利用して、内容はどんどんエスカレートしていきます。なかには、サイトに書かれてしまったばかりに、ショックで学校へ行けなくなってしまった生徒さんも実際にいます。

舟生:親も先生も把握しにくいとなると、発見も難しいですね。

下田教授:「おたくの学校の名前が書いてあるサイトで、すごい映像が流れている」とか「うちの子の誹謗中傷がネットに書き込まれている!」と、何かのきっかけで保護者や学校関係者が問題を発見して、学校などへ通報した場合に表面化して問題になることもありますが、ほとんどの場合、保護者も学校の先生も気付かないでしょう。

舟生:子供向け携帯電話からでもアクセスできるんですか?

下田教授:もちろんです。見たことはありませんか? では、実際に子供向けの携帯電話からアクセスできる「学校裏サイト」の映像をみてみましょう。

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今回のレポートは、ここまでですが、このあと下田教授に携帯電話を使って、問題のある学校裏サイトにアクセスをしてもらいました。

そこに映った画像は、女性のシークレットゾーンなどを携帯カメラで撮影したと思われるものなど、あまりにも過激な映像で、こういったサイトを子供たちがつくり、見ているという想像以上の状況に私も愕然としました。これらは、始めはちょっとした悪ふざけといった感覚で公開されたのかもしれませんが、それがどんどんエスカレートしていったものでしょう。

最近の傾向としては、マスコミで取り上げられたこともあり、鍵をかけて閲覧制限をしているサイトがあります。そういったサイトのほうが要注意なのだそうです。

次回は、子供たちの間で流行している「プロフ」遊びの問題点について、引き続き下田教授のお話をレポートします。





2007年8月 2日(木)

カテゴリー: インタビュー・座談会

プロフィール

舟生 岳夫

セコム株式会社
IS研究所 所属

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