【夏休み特集2】子供の自由時間が増える時期に知っておきたい「連れ去り」について

セコムの舟生です。

夏休みは、お子さんの自由時間がぐんと増えます。お友達とお互いの家に呼び合ったり、一緒に外遊びをしたりすることもあるでしょう。また、高学年になると、普段なかなか会えない親戚やお友達の家にお子さんひとりで行く、といったことをお考えの方もいるかもしれません。

親としても、思い出がたくさん残る夏にしてあげたいと思う半面、子供たちの自由時間が増えて、行動範囲も広がるこの時期は、"子供の行動に目が行き届かなくなりやすい"といった不安を感じる方も少なくないと思います。

そこで今回は、夏休み前に保護者の方にぜひ知っておいていただきたいことの第2弾として、「子供の連れ去り」について統計データを見ながらお話します。

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統計データからわかる、子供の「連れ去り事件」の傾向 警察庁が発表した「平成20年の犯罪情勢」によると、刑法犯に関わる子供(20歳未満)の被害件数は28万9,035件で、刑法犯被害件数に占める子供の割合は19.8%でした。小学生の被害件数を主な罪種別でみると、窃盗(2万1,584件)の件数が圧倒的に多いのですが、窃盗とその他を除くと、暴行(645件)、傷害(256件)、強制わいせつ(762件)の件数が多くなっています。

子供を対象とした「略取・誘拐」111件の犯罪被害を就学別に比較してみると、小学生の件数が多い傾向で、さらに年齢性別で分析すると、小学生~高校生の女子が最も狙われていることがわかります。「連れ去り」といえば、体が小さな子供だけが狙われやすいと思われがちですが、中学生以上の子供も注意が必要なことがわかります。また、低年齢の子供(0~5歳)については、男女関係なく被害が発生しています。男の子でも油断はできません

子供対象・暴力的性犯罪(注1)の認知件数は最近4年間減少を続けてきましたが、2008年は増加に転じ、前年に比べて2.4%増の1,036件発生しました。種類別にみると、昨年に比べて強姦の件数は減少していますが、強盗強姦、強制わいせつ、わいせつ目的誘拐はともに増加に転じ、なかでも強制わいせつの増加が目立ちました。

これまでに何度もお伝えしてきましたが、最近は、お金ではなく、子供に対するいたずらやわいせつを目的とした連れ去り事件が多く発生しています。ですから、年齢・性別にかかわらず、すべての子供が狙われる可能性があるという認識を持って、十分に注意してください。特に夏は子どもが外遊びすることが増え、また日が長いので、帰宅が遅くなりがちです。外に遊びに行く時は、行き先と帰る時間を必ず親に伝える、などこの時期こそ基本をしっかりしたいものです。
*注1:子供対象・暴力的性犯罪...13歳未満の少年が被害者となった強姦、強制わいせつ、強盗強姦(いずれも致死又は致死傷及び未遂を含む)及び、わいせつ目的略取誘拐(未遂も含む)


子供の犯罪被害が発生しやすい場所
子供が被害に遭う場所について、総数でいえば、駐車場・駐輪場での被害が多く発生していますが、窃盗を除くと道路上での被害が多くなっています。みなさんは、お子さんがよく行く遊び場をご存じですか?そこへ行くまでの道のようすについて把握していますか?

犯罪者は、周囲の目を最も嫌がります。また、死角が多い道(高い塀があり、見通しの悪い通りなど)や、駐車場・駐輪場などは、犯罪者が隠れやすい場所です。また、歩道にガードレールのない道路は、車に連れ込まれる危険性も高くなります。犯罪者は身近なちょっとした死角に潜んでいることが多いので、夏休みに入るこの時期は、通学路以外の場所も親子でチェックしてみてください。

また、いざというときに逃げ込める安全な場所(交番・子供110番の家・コンビニやファミレス・友達の家・公共施設など)についても、親子で一緒に確認しておきましょう。子供を過度に怖がらせないためにも、怖い場所を指摘するだけでなく、楽しい場所、安全な場所もあわせて教えてあげることが肝心です。


統計データでは読めない数字もある
以前、ブログで「ハインリッヒの法則」についてお話しました。これは「1対29対300」という比率のことで、1つの重大災害が発生したとき、軽傷の事故が29、怪我はなかったけれど"ヒヤリ"とした体験が300の割合で発生しているというものです。

これを子供の連れ去りや誘拐事件に置き換えてみましょう。1件の重大な連れ去り事件が発生した背景には、29件の「声かけ事案」が、さらには300件の実際の事件にはいたらなかった小さな出来事が起きていると考えられます。この些細な出来事は、親も知らない可能性もあります。

みなさんは子供の頃、ヒヤリとした出来事に遭遇したことはありませんか?そういった数字は、当然、統計データには表れません。しかし、そんな事件にならない出来事でも、子供にとっては怖い経験かもしれません。ですから、万一に備えて子供自身の臨機応変な対応力を育てることが大切なのです。

お子さんを四六時中見守ってあげるということは現実的には不可能です。それでも親として子供に何をしてあげられるかを考えたとき、私はお守りのつもりで「ココセコム」を持たせています。


⇒参考記事:親子で楽しみながら防犯シミュレーション(その1)

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2009年7月10日(金)

カテゴリー: 子どもの防犯

プロフィール

舟生 岳夫

セコム株式会社
IS研究所 所属

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