開催レポート
第23回:特別回「マイナビキャリア甲子園 2022年度大会」

株式会社マイナビが主催する国内最大級の高校生ビジネスコンテスト「マイナビキャリア甲子園2022」が、2022年7月1日のプレエントリーから2023年3月12日の決勝大会までの約8カ月にわたり開催されました。
本イベントは、高校生(高専含む)学年不問型ビジネスコンテストです。
参画企業が「NEXT GATE」という大会テーマをもとに、自社のビジネス環境や課題から企業テーマを出題。高校生は2~4名でチームを組み、取り組みたいテーマにエントリーします。
今回、2,318チーム、8,959名の応募がありました。協賛企業8社は、各社へのエントリーチームからそれぞれ自社代表となる決勝進出1チームを選出して、メンタリングを通じてサポート。協賛8社それぞれの代表チームが決勝大会で総合優勝(グランプリ)を競います。

セコムは、社会のなかで多様化する価値観を探索する「セコムオープンラボ」の特別回として、「あんしんできる毎日を実現する、セコムの“遊び心”ある未来サービスとは」を企業テーマとして参画。書類審査および動画審査と選考を進め、2023年2月12日の準決勝大会でセコムの代表チームを「BroSis(ブローシス)」に決定。
そして、2023年3月12日の決勝大会で「BroSis」は「審査員特別賞」を受賞!自分たちの原体験に基づいて発掘した課題とアイデアは多くの視聴者の共感を得ました。

エントリーいただいた皆様、取り組んでいただいてありがとうございました!
未来の社会に向けたさまざまな想いを高める機会となりました。

決勝大会ノーカット動画(8番手のセコムチームの主な登場シーンは3:05オープニングと2:58:36プレゼン)

開催概要

マイナビキャリア甲子園2022
プレエントリー開始:2022年7月1日(金)
決勝大会開催日時:2023年3月12日(日)14:00~19:00
会場:SHIBUYA STREAM HALL (Twitter LiveとYouTube Liveで同時生放送)

各参画企業のテーマ
  • セコム
    あんしんできる毎日を実現する、セコムの“遊び心”ある未来サービスとは
  • サントリー
    自動販売機横のリサイクルボックスの分別を促し、一本でも多くのペットボトルが「資源」として生まれ変わるためのアイディア・サービスを提案せよ
  • JA全農
    日本の農業を、「食べる」ことで支えるサポーターを増やすために、10~20代を対象とする全農の機能をいかしたビジネス・アイディアを提案せよ
  • J-POWER(電源開発)
    エネルギーの安定供給とカーボンニュートラルの両立に貢献できる、J-POWERグループの特長を生かした新しいビジネスを自由に創造せよ
  • 生命保険協会
    ライフスタイルや価値観の多様化が進むこれからの社会に寄り添った、生命保険会社が提供する新たなサービスを創造せよ
  • Visa
    Visaの目指す、インクルーシブで豊かな社会の実現のために、Visaデビットの特長を踏まえ、 ストレスフリーな新しい生活様式に取り入れたいサービスを提案せよ
  • ミツカン
    味ぽんが目指す「半径1メートルのしあわせ」を可視化し、
    10代~20代の若者の共感を得られる、味ぽんブランドの新たな事業を創出せよ
  • ロクシタンジャポン
    ロクシタンが掲げる6つの約束の中から2つ以上を選び、選択したテーマを活かして、
    売上およびブランドイメージを上げるロクシタンの新たな販売戦略を提案せよ
開催結果

総合優勝(無期限海外旅行券100万円分):Visa代表チーム「Urbanists」
審査員特別賞(図書券10万円分、及びストラテジー・アドバイザーズ副会長宇田様によるキャリア面談券):
 セコム代表チーム「BroSis」
 ロクシタンジャポン代表チーム「KAUS Social Business Lab」
視聴者賞(図書券5万円分):ミツカン代表チーム「ながったらー」

エントリー数

2,318チーム、8,959名

ご挨拶・セコム代表チームメンター

  • セコム株式会社 本社オープンイノベーション推進担当 リーダー
    沙魚川 久史

    セコムでは、研究開発や科学研究助成事業責任者を経て、現在オープンイノベーションチームを率い、各種の新価値探索から「SECOM カンタービレ」「バーチャル警備システム」など協働商品開発まで担う。イノベーション推進に向け「セコムオープンラボ」を主宰、挑戦的ブランド「SECOM DESIGN FACTORY」を立ち上げて展開中。本社企画部担当課長を兼任。社外では、東京理科大学客員准教授を経てフェロー、大学や国立研究開発法人、産学官コンソーシアムなどでも活動。主な著書に『知的財産イノベーション研究の展望(第5章)』(白桃書房)など。

1.マイナビキャリア甲子園2022

社会のなかで多様化する価値観を探索する「セコムオープンラボ」の特別回として、株式会社マイナビが主催する国内最大級の高校生ビジネスコンテスト「マイナビキャリア甲子園2022」に参画しました。本イベントは、高校生(高専含む)学年不問型ビジネスコンテストです。

参画企業が「NEXT GATE」という大会テーマをもとに、自社のビジネス環境や課題から企業テーマを出題。高校生は2~4名でチームを組み、取り組みたいテーマのビジネスプランを企画書に起こしてエントリーします。参画企業8社は、各社へのエントリーチームからそれぞれ自社代表として決勝に進出する1チームを選出し、メンタリングを通じてサポート。協賛8社の代表チームが決勝大会に臨み、総合優勝チームが決定されます。

セコムは、「あんしんできる毎日を実現する、セコムの“遊び心”ある未来サービスとは」という企業テーマを設定。未来を担う高校生の価値観を大切に、社会に大きなインパクトを与えるような未来の課題の可視化を試みました。

企画書による書類審査で20チームを選考したのち、動画審査による二次予選を行い、セコム代表を決める準決勝大会へ進出する8チームを選出。各チームには、セコムのオープンイノベーションチームからそれぞれ講評と向上ポイントとなるフィードバックを行いました。

2.準決勝大会

協賛企業の代表チームを決める準決勝大会は2023年2月12日(日)午後1時から東京・新宿区の「ベルサール新宿グランド コンファレンスセンター」で開催。協賛企業8社ごとに行われた予選を通過した64チームが参加しました。なお、新型コロナウイルスの感染拡大の社会情勢を踏まえ、準決勝に出場する高校生のチームおよび各社一部審査員はオンラインでの参加となりました。

開会後は協賛企業ごとに準決勝がおこなわれ、セコムに対しても、予選を通過した8チームから熱の入ったオンラインプレゼンが行われました。持ち時間は、プレゼンテーション10分、質疑5分です。
高校生が日常生活で感じた不自由さ、こうあってほしいという気づきを大切にし、そこで見つけた“課題”と“遊び心”。そのためにどういったプロダクトやサービスが必要となるか、どのようなビジネスプランで実現するか。そして、それをどのようにプレゼンテーションで表現し、視聴者の共感を得るか。それぞれのチームが半年間かけて探索してきた成果を披露しました。

ここで、各チームの提案ビジネスプランについて、そのエッセンスをご紹介します。

<チーム名/高校名:提案内容>

  • うーぱるず/不二聖心女子学院高等学校:コロナ過で顕在化した孤独感が課題。スポット毎に、家族や部活、会社の仲間の居る/居ないがスマートウォッチ内のアイコン表示でわかるコミュニケーションサービス。
  • ぎょどん女子/渋谷教育学園幕張高等学校・KAISインターナショナルスクール東京:夜道の不安などから問題提起。夜道で駅から自宅までの話し相手になったり、災害時の物資供給を行ったりなど形を変えることでさまざまな場面に対応できるAIロボット。
  • ダッシュダッシュ/帝塚山高等学校:健康チェックへの使用や、電流を低周波とすることで電気マッサージに使用するなど、日常使いできる機能を追加した家庭用AED。
  • もっちりすまいる/AICJ高等学校:若者の一人暮らしにおける課題感がテーマ。デバイス機器を玄関に設置することで、帰宅時の写真をご家族に送信すると同時に、視覚・聴覚・嗅覚で実家にいるようなあんしんを提供するサービス。
  • BroSis/巣鴨高等学校・市川高等学校・吉祥女子高等学校・南山高等学校:子供の忘れ物に伴う親子や教員の負担を問題視。教科書やノートにICタグを張り、カバンをリーダーに置くことで中身をチェックし子供の忘れ物を防止するサービス。
  • KAM₂/徳島県立川島高等学校:カメ型の防災グッズ。搭載されたカメラやスピーカー、投影機を使用した災害シミュレーションの他、映画や音楽を楽しむなどの日常使いも可能。
  • nears/山脇学園高等学校:推しの存在を活用して自分のオリジナルデザインにできることで、子供が積極的に持ちたくなる子供用GPSタグ。アプリで現在地を確認することができ、危険を察知した場合にはセコムが駆け付け。
  • SHAUKU/桐蔭学園 中等教育学校:視覚障がい者向けに、カメラ・マイク付き骨伝導イヤホンヘッドセットと専用アプリを使用して、AIによる危険察知、人による音声歩行案内、緊急時のセコム対応を提供するサービス。

「マイナビキャリア甲子園2022」の審査基準は、「情報収集力」「テーマ分析力」「実現可能性」「持続可能性」「新規創造性」「使命感」です。セコムは、企業テーマに設定した高校生視点の「安心感」、新しい当たり前を生み出す「未来サービス」、嬉しさ楽しさ心地よさなどエモーショナルな価値となる「遊び心」に加えて、

  • 荒削りでも尖っていて、革新性があるか
  • よりよい社会になるか

といった、セコムが大切にしている価値観も重視。各チームの想いのこもった提案に、セコムのオープンイノベーションチームのなかでも多数の意見が出ましたが、高校生視点の「安心感」「遊び心」「未来サービス」というセコムのテーマを決め手に選考を行った結果、決勝に進出するセコム代表チームは、“忘れ物”という新しい課題を提案した「BroSis」に決まりました。

最後に、各社の企業代表者からの結果発表とともに講評があり、ファイナリストとして各社の代表で決勝に進出する8チームが決定して終了。セコムの代表チームとして選出された「BroSis」は、決勝までの1カ月間、セコムのオープンイノベーションチームによるメンタリングとともに、共感を生むメッセージ性やプレゼンテーションに磨きをかけていきます。

各社の代表として決勝進出となった8チームはこちらです。

3.決勝大会

決勝大会は2023年3月12日(日)午後2時から東京・渋谷区の「SHIBUYA STREAM HALL」で開催されました。
全国8,959名から勝ち上がった8チームが各参画企業を代表して戦います。
それぞれのチームがプレゼンを行い、第三者となる審査員4名が採点。会場の様子は「Twitter Live」と「YouTube Live」で生放送されます。
プレゼンの順番は、Visa、ミツカン、J-POWER(電源開発)、JA全農、ロクシタンジャポン、サントリー、生命保険協会、セコム。持ち時間は、プレゼンテーション10分、質疑5分です。

プレゼン本番に先立ち、セコム沙魚川より、セコムのテーマ紹介と、セキュリティだけでないセコムグループの事業群、そして多様化する価値観と遊び心を大切にしたセコムのオープンイノベーションについてライトニングトークを行いました。あわせて、セコム代表チーム「BroSis」は学校も学年も住んでいる地域も異なるメンバーがオンラインで集まり、リモート環境下で議論を重ねてきたチームであることを紹介し、初めてリアルプレゼンを行う「BroSis」に向けてエールを送りました。

「BroSis」は子供の忘れ物や保護者の準備負担を無くすサービス「NFA(Never Forget Again)」を提案。「NFA」は教科書やノートにICタグを張り、持ち物を入れたカバンをリーダーに置くことで中身をチェックし忘れ物を防止できるサービス。

これまでのように保護者が子どもと一緒に準備をすることが難しくなってきているという、昨今の共働き世代の増加や教員の負担増加という社会背景をとらえたサービスであり、「忘れ物」という誰しもが経験のある身近な課題に着目した新鮮さがありました。

動画審査、準決勝、そして決勝大会に向けて試行錯誤しながら改良を加えていったメッセージ性に加え、サービスの使用イメージを視覚的に伝える寸劇も交えるなど工夫を凝らし、堂々とプレゼンを演じ切ります。プレゼン後の審査員の厳しい質疑応答にも対応し、会場は暖かい拍手に包まれました。

全チームのプレゼン終了後、審査員による審査とは別に、インターネット視聴者が投票をする視聴者投票を経て、結果発表となりました。
「BroSis」は、準優勝となる「審査員特別賞」を受賞。また、多くの視聴者からの共感も集まり、「視聴者賞」も投票数2位という結果でした。審査員からは「世の中から忘れ物がなくなったらどれほど素晴らしいか。先への拡がり、次へのステップという意味でも拡がりを感じた」とのコメントもあり、新しい社会課題に着目したことへの称賛の声もいただきました。

今回の「マイナビキャリア甲子園2022」を通じて触れた、高校生世代の原体験にもとづく課題発掘や問題提起は、まさしくイノベーションの原石とも言えるものでした。また、高校生自らがセコムの幅広い事業範囲を理解し、新しい当たり前となる未来サービスを発案してもらったことで、未来を創っていく高校生とともにセコムがサービスを創る際の想いを社会に発信していく貴重な機会となりました。
高校生の、自分達の手で “ちょっといい社会”を創りたいという想いとそのプランは、セコムのメンバーを含め多くの共感を呼びました。参加された皆様が、これから実際に新たな価値創造を担っていくことを期待しています。

最後に、セコム代表チーム「BroSis」のメンバーに感想を伺いましたので、ご紹介します。
(学年は開催時のもの、掲載は50音順です)

加藤 さら さん<吉祥女子高等学校 1年生>
マイナビキャリア甲子園を通して私は多くのことを学びました。ビジネスに関する考え方、プレゼンスキルなどはもちろんのこと、チームで取り組むことの難しさや答えのない問題に挑むことの大変さを実感しました。
BroSisは準決勝までは完全オンラインで活動していたので意思疎通をとるのが難しく、マイナスの状態からのスタートでした。しかしこの半年間を経て逆にそれを強みに変えることができ、チームワークが格段によくなったと思います。
またBroSisを多方面から支えてくださったセコムのオープンイノベーションチームの皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。
惜しくも優勝は逃してしまいましたが、決勝の舞台で最高の仲間と共に全力を出し切れて大変嬉しく思います。
今後もこのような素晴らしい経験を糧に一歩ずつ前へと進んでいきたいです。

神林 咲希 さん<市川高等学校 1年生>
中学3年生の時に参加した、ストックリーグという大会であまり良い成績が取れなかったので今回はリベンジの意志も込めて参加を決めました。
決勝直前に初めて直接会ったので不安もたくさんあったのですが、満足のいくプレゼンテーションができてとても達成感があります。
満足のいく発表だっただけに準優勝という結果には悔しい気持ちも残りますが、自分1人では絶対に2位どころか決勝の舞台にまで辿り着かなかったと思うので、一緒に協力しあったチームメンバーの3人と、私たちをサポートしてくださったセコムの方達には感謝してもしきれません。
今回のマイナビキャリア甲子園を通して、将来社会に出た後に活かせるようなさまざまなことを学ぶことができたので、今後の生活に活かしたいです。

小島 未聖 さん<南山高等学校 2年生>
マイナビキャリア甲子園で学んだことが大きく2つあります。
まず、ビジネスは生活をより良くすることができるということです。
キャリア甲子園に参加するまでは、「ビジネス=お金を稼ぐため」という印象を持っていましたが、いざ取り組んでみると違うと分かりました。何か困っている人がいて、その困りごとを解消するためにビジネスを考えるのだと知り、目から鱗が落ちる気分でした。私たちは忘れ物をしてしまう人のために、忘れ物による不安を解消するビジネスを考えましたが、その人のために何ができるかを考えるのが、楽しいしやりがいがあると感じました。また、このようにさまざまな製品やサービスが、誰かのためを思って莫大な時間をかけて作られていると考えると、あたたかい気持ちになりました。
次に、話し合いでは人や意見の多様さが重要であるということです。
BroSisの会議では、これぞ千差万別というくらい色んな意見や発想が出て、一つ一つ理解して考えるのに多くの時間をかけました。自分の過ごす環境やそこでの「普通」な意見は、社会のほんの一部分だということを実感しました。同時に、そんな普通で面白みがないと思っていた意見でも、BroSisでは多様な意見の一つになれることを知りました。そうやって4人の意見や発想を、またみんなで考えて、組み立てていく過程が楽しかったです。自分とはさまざまな面で異なる人と意見を交わし理解することで、見えていなかった欠点を埋めより良いものを作り出せることを実感しました。
このような2つのことを、ただ知るだけでなく実際に体験できたことが、本当にありがたく嬉しいです。

後藤 大知 さん<巣鴨高等学校 2年生>
「高校生の時にこれをやった」、大人になった時にそう言えるものを作りたくて私はマイナビキャリア甲子園に参加しました。
実際に参加したことで忘れ物や小学生について調べ、今まで知らなかった新たな知識を得られたり、大勢の前で自分たちのアイデアを披露する等、普段の生活では味わうことができないたくさんの学びと経験を得ることができました。
私たちのアイデアを作っていくにあたって、私とチームメイトがそれぞれ大切にしたい部分の違いで衝突したり、アイデアに自信を持てず「本当にこのアイデアに需要はあるのだろうか?」と不安に思うことも何度もありました。しかし、チーム全員で何度も試行錯誤し、話し合い、最後には納得のいくものを作り上げることができたという経験は私にとって大きな自信になりました。
今後はこのマイナビキャリア甲子園で得た学びや経験、そして自信を胸により多くのことに挑戦していきたいです。
最後に私たちを支えてくださったセコムを代表とするたくさんの方々や、家族、そして私と一緒にこのマイナビキャリア甲子園を走りきってくれたチームメイトには本当に感謝しています。

お問い合わせフォームへ

トップに戻る