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2013年9月

サウジアラビア 新たに3人のMERS-CoV患者を発表。住民の血清学的な研究結果は空振り(2013年9月30日、CIDRAP)

サウジアラビア当局は9月30日、新たに3人の中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)患者の発生を発表しました。一方サウジアラビア東部州の子どもと成人男性268人を対象として行なった血清検査では誰も抗体をもっておらず、感染した履歴は見当たりませんでした。
サウジアラビア保健省(MOH)が新たに発表した3人の患者は、87歳の女性と、53歳の女性、63歳の男性で3人とも集中治療室に入院しています。この声明は9月27日付けになっていますがオンライン上に発表されたのは9月30日でした。MOHは3人の患者ともMERSを発症する以前から複数の疾患(2人は慢性疾患)を患っていたと言っています。声明はMOHのホームサイトには掲載されず、詳細な情報は何も伝えていません。MOHは現時点での国内のMERS-CoV患者を114人、死亡者を49人と発表しています。
一方、9月27日にEmerging Infectious Diseases誌(アメリカCDCが発行する感染症情報誌)に発表された血清学的な研究論文は、昨年後半の時期、サウジアラビア東部州では男性の間にウイルスが広範囲に広がってはいなかったことを示唆するものでした。しかしこの研究に参加していない専門家は、血清検査では完全には確認できておらず、この調査結果は若干の不確実性を残すものだと指摘しました。これまでMERS-CoVの血清疫学的な研究は行なわれていないため、症状が出なかったり、軽く済んだために発見されずに終わっている感染者が多数いるかどうかは分かっていません。
今回の研究で、ドイツとサウジアラビアの共同研究チームは、アルホバルのキング・ファハド病院で2組の患者群から検体を集めました。一組目は2010年5月から2011年5月の間に下気道の感染症で入院した子供たちで、もう一組は2012年12月に血液を提供してくれた男性です。子どもたちの検体はMERS-CoVが出現した2012年の4月以前に採取されたものです。
子どもたちの平均年齢は11.6ヶ月(7.3ヶ月から9歳まで)であり、成人男性の年齢の中央値は28歳(19歳から52歳まで)でした。 MERS-CoVのスパイクタンパク(S)を取り込んだレンチウイルスをベクター(媒介)として標的細胞の反応を調べた結果、どの検体からもMERS-Sに対する中和抗体は見つかりませんでした。
研究チームは比較対照の目的で、MERS-CoVに感染した患者の血清検体との反応試験も行ないました。その結果、患者の血清はMERS-Sを強力に抑制した一方、水泡性口内炎ウイルス(動物のウイルスでサウジアラビアでは循環していないウイルス)はブロックしませんでした。また、子どもたちの検体と成人男性の検体の大多数は、NL63と呼ばれる世界中で見られるコロナウイルスのタンパクはブロックしました。この結果から研究チームは、キング・ファハド病院の診療地域でのMERS-CoVに対する血清有病率は、2010-2011年の子どもたちでは2.3%未満、2012年の成人男性では3.3%未満であることが示唆されると言っています。
レポートは「成人男性の検体を用いた試験結果は、2012年にサウジアラビア東部州において成人男性の集団にMERS-CoVが広範囲に広がったという説には反するものとなった。最近MERS-CoVの無症候感染が報告されていることを踏まえるとこの結果は注目に値する。」と述べています。
しかし研究グループは、他の試験によって陽性の検体が特定される可能性も除外できないと言っています。「MERS-CoVの血清有病率を決定するには、より大きな患者集団と動物の種(例えばヒトへの感染源ではないかと考えられているヒトコブラクダ)での更なる分析調査が要求される。」と結論付けています。
オランダ国立公衆衛生環境研究所の感染症研究室のマリオン・クープマンズ博士は、MERS-CoVに対する現時点での血清学的検査の限界を踏まえて「興味深いですが決定的ではありません。」と言っています。
彼女は「現時点では、MERS-CoVの感染が判明した患者からの検体が不足しており、抗体がないということが何を意味しているのかを言うことは難しいです。」「この意味で、今回の研究によって完全に明快になったというわけではありません。彼らは1人のMERS患者のデータと、通常のヒトのコロナウイルスの抗体を持つ2人の患者のデータを示しました。後の2人は検査に対して低レベルの反応を示しただけです。これはこの検査の感度が低いのではないかということを示唆するものです。」と言いました。
「今回の研究では、MERS-CoVの患者が報告された地域の成人男性の血清からは全く陽性反応が確認されませんでした。」「これらの人々は健康な血液提供者だったのです。サンプル集団は比較的小規模で、検査の感度もよく分かりません。それでも抗体保有者が見つからなかったことは少なくともこの感染が広く広がってはいないことを意味しています。最高のグループは2012年に呼吸器の症状で入院した人々から採取した血清サンプルです。」と言いました。
クープマンズ博士は、全ての研究者にとってMERS-CoVの血清学的検査の確認の不足は問題だと付け加えました。「よく分かっていなかったために、回復した患者の血清を使用した抗体の比較分析検査の準備努力が行われてきませんでした。このような確認が行なわれて初めて、我々は検査結果を真に解釈することができます。」
新たな調査結果が今後の研究によって確められた場合には「それは明らかにウイルスの循環がほとんどないことを意味します。」「同時にそれは致死率が本当に高いということも意味します。」しかし「断定的に言うにはあまりにもこの研究は限定的です。」とクープマンズ博士は言っています。

MERS-CoV患者のパターンに変化(2013年9月27日、CIDRAP)

今週発表されたいくつかのレポートは、この数ヶ月間にMERS-CoV(中東呼吸器症候群コロナウイルス)患者のパターンが変化してきていると報告しています。特に重症患者と死亡患者の割合が急激に低下してきていることが報告されています。
例えば、ヨーロッパとサウジアラビアの共同研究チームによるユーロサーベイランス誌への発表によると、3月から5月までの致死率が58%だったのに対して、6月から9月25日までの期間では27%に低下しました。
またECDC(ヨーロッパ疾病予防管理センター)は、MERS-CoV感染の約4分の1は医療に関連して起きていると発表しました。一方アメリカCDC(疾病予防管理センター)は患者の21% は軽症もしくは無症状であると報告しています。
これらの最新の知見は以前のレポートが報告した重症患者の割合の減少、患者の平均年齢の低下、女性の割合の増加等の内容とも一致します。これらの変化は、患者との接触者の検査が増加したことにより、軽症患者や医療に関連して感染した患者の特定が進んだためと見られています。
WHOは現時点でのMERS-CoV患者数を130人、死亡者数をち58人と報告しています。サウジアラビア保健省によるとサウジアラビアでの患者数は110人、死亡者は49人とのことです。

・期間別の比較
26日のユーロサーベイランス誌は、3月から5月までの期間と6月から9月25日までの期間でのMERS-CoV患者のパターンを比較した研究結果を掲載しました
全期間を通じての致死率は45%でした(患者数133人)。このうち前期では症状のあった40人のうち23人(58%)が死亡していましたが、後期では77人中21人(27%)が死亡しただけでした。
ICU(集中治療室)での治療を必要とした患者の割合も急激に減少しました。全患者133人中の割合は45%でしたが、3月から5月までの期間では63%の患者がICUに入院したのに対し、6月から9月では33%に減少しました。
研究チームは14件の集団感染を特定しました。それぞれの集団感染の人数は2人から34人に及びました。その中には集団の中で最初に感染した患者の診断が確定できず「疑い患者」のケースもありました。データの信頼性は「弱い」ものでした。集団感染の中で最初に感染した患者は全員が男性で(24歳〜83歳)、おそらくはアラビア半島で感染したものと思われました。最初に感染した14人の患者のうち13人は死亡していました。感染情報が利用できる129人の患者のうち33人(26%)は院内感染の可能性が考えられました。33人の患者のうち15人は医療従事者です。また感染した医療従事者は全部で23人でしたがそのうちの17人が女性でした。男性に対する女性の比率は全体では0.67でしたが、前期が0.33だったのに対し、後期は1.08まで増えていることが確認されました。
また、無症状もしくは軽症の患者は18人確認されていますが、16人はサウジアラビアで、2人がアラブ首長国連邦(UAE)で確認されました。
集団感染の中の第1患者に男性が多いのは、MERS-CoVを保有する動物(?)への直接、間接の曝露のようなリスク行動の違いではないかと推測されています。
サウジアラビアでの感染源を特定するためのケースコントロールスタディ(症例対照研究)が不足しているのではないかという批判に対しては「第1感染者の大多数が重症化して死亡するという結果が危険因子を特定するための効果的な探索を妨げている」と言っています。 今回の報告は以前と比べて患者のパターンに変化が生じていることを示すものだと結論しています。「合併症を伴わない女性の症例が増えている。無症候例の比率の増加と致死率の低下は、サーベイランスの強化により、流行の初期段階で見つけられなかったケースが捕らえるようになったことを反映していると思われる」と述べています。

・ECDCとCDCの最新情報
ECDC(ヨーロッパ疾病予防管理センター)はMERS-CoVのリスクアセスメントの最新版をリリースしました。9月24日現在の合計患者数133人と死亡者数60人を掲載しています。またサウジアラビアの月間新規患者数が4月の10倍となっていることを発表しています。
ECDCの集計によれば、院内感染による患者は24%に達しているとのことです。ECDCはMERS-CoVの感染力に変化の証拠がないことから、パンデミックとなる可能性は低いと述べています。
一方アメリカCDCは27日のMorbidity and Mortality Weekly Report (MMWR=感染症に関する情報を纏めた週報)に疫学的な概要と最新のガイダンスを発表しました。その中で130人の患者のうち27人(21%)は軽症か無症状の患者であると言っています。これまでアメリカ国内では患者は確認されていませんが、29の州で82人がウイルス検査を受けています。
CDCの記事には患者の評価、症例定義、旅行、予防対策、家庭での看護、濃厚接触者へのアドバイスなどについてのガイダンスが載っています。
また、MERS-CoVの検査を受ける場合には、他の呼吸器病原体の検査を一緒に受けてもかまわないこと、また他の病原体の検査が陽性であってもMERS-CoVの検査が不要だとというわけではないと述べています。
CDCは、診断が確定した患者や検査中の患者は、入院の必要がなく自宅での療養が可能と認められる場合は、自宅で隔離措置をとるべきであると言っています。確定患者については、保健所もしくは医療機関が周囲への感染の危険性がなくなったと判断するまでは隔離を続けなくてはならないとしています。
ウイルスに曝露した可能性のある人々は、直近の曝露から14日間はモニターを続けるべきであるとしています。ただし曝露していても症状のない人々については屋外活動を制限する必要はないとCDCは言っています。

WHO 巡礼者にMERS注意呼びかけ(2013年9月26日、NHK)

大勢のイスラム教徒がサウジアラビアにある聖地メッカへの巡礼を行う宗教行事を前にWHO=世界保健機関は25日、サウジアラビアを中心に感染が拡大しているMERSコロナウイルスの対策を協議し、巡礼者の健康チェックなどの警戒を強めるよう各国に呼びかけることを決めました。
新種のウイルス、MERSコロナウイルスはサウジアラビアなど中東を中心にこれまでに130人の感染が確認され、このうち58人が死亡しています。
WHOでは来月、サウジアラビアにあるイスラム教の聖地メッカを世界中から大勢の信者が巡礼する宗教行事が予定されていることなどから、感染の拡大を防ぐため、25日、専門家らによる緊急委員会を開いて対策を協議しました。 その結果、各国に対し、巡礼者にMERSの危険性を周知し、メッカから帰国した巡礼者の健康チェックなどの警戒を強めるよう呼びかけることを決めました。
WHOでは、これまでのところMERSコロナウイルスのヒトからヒトへの感染は限られているとしていますが、感染した場合の致死率が高く、感染源の特定もできていないことなどから、ことし11月にも専門家による委員会を開くなどして警戒を続けることにしています。

専門家がH7N9の再発に注意を呼びかけ (2013年9月26日、新華社)

中国CDC(疾病管制局)の主席伝染病医師であるZeng Guang氏は、秋から冬にかけて再びH7N9鳥インフルエンザのヒトへの感染が起きる可能性が高いと警鐘を鳴らしました。
国家衛生計画出産委員会によると、中国では8月12日に広東省の徽州で51歳の女性が多臓器不全で死亡した後、1ヶ月以上H7N9の新たなヒトへの感染は確認されていません。この女性は7月に河北省の廊坊からやって来て地方の市場で家きんの食肉解体の仕事をしていました。公式統計によると中国本土では134人がH7N9に感染し45人が死亡しています。(訳注:このほかに中国本土で働いた後に台湾に戻った男性1名が感染しています) Zeng氏は「鳥の間でウイルスの循環が続いていたとすると、人への感染の危険性も続くだろう。特に春まで続くインフルエンザシーズンには注意が必要だ」と述べました。
インフルエンザシーズンのピークと頻繁に発生するスモッグの気象条件が重なった場合には状況は更に悪化し、流行を抑える努力はより難しくなるだろうと言っています。
インフルエンザの予防には良好な換気が必要だが、スモッグが発生しているような気象条件では簡単には実現できないだろうと説明を加えました。
Zeng氏は市民に対し、人が多く集まる場所に長くとどまることを避けるなどの予防措置をとると共に、手洗いを励行するなど、衛生状態を保つよう呼びかけました。
さらに、H7N9鳥インフルエンザにかからないようにするためには「生きた家きんの市場には行ってはいけない」と言いました。 中国CDC(疾病管制局)の保健非常事態センターのFeng Zijian長官は、市民への啓蒙の必要性については同意しましたが、ヒトへの感染が広がるという考えについては否定しました。
ウイルスの詳細なサーベイランスを行なっているが、これまでのところ、H7N9ウイルスが簡単にヒトの間で広がるような大きな突然変異は見つかっていないと言っています。
「我々は金曜日に農業省と共同の協議を予定している。農業省はターゲットを絞り込んだ抑止策をとるべく、今季の流行の危険性を評価するために動物でのウイルスのサーベイランスを監督している。」と言いました。
北京保健局は月曜日に、今年の秋から冬にかけてH7N9のサーベイランスと抑止策をさらに強化すると発表しました。
また、首都の全ての地区と郡は、管轄区域内のインフルエンザもしくはインフルエンザ様の症状のある全ての患者に対して鳥インフルエンザの検査を行なう場合には、H7N9ウイルスのスクリーニング検査も行わなければならないと発表しました。
先週アメリカの研究者はアメリカ国内の9つの地域でH7N9鳥インフルエンザワクチンのヒトへの臨床試験を開始しました。アメリカ国立衛生研究所(NIH)からの資金提供によって開始された2件の並列フェーズU臨床試験は、異なる投与量におけるワクチンの安全性と免疫応答性に関する情報を収集するのが目的です。
初めてH7N9インフルエンザウイルスがヒトに感染したのは2013年2月、中国でのことでした。WHOによると大多数の感染報告は春に集中しています。
報告された患者の多くは、感染した家きんとの接触歴がありました。中国国外でのH7N9患者の報告はなく、持続的なヒト−ヒト感染も起きてはいませんが、より大きな公衆衛生上の脅威をもたらすような突然変異を起こしかねないとの懸念がもたれています。

WHO MERSの状況はまだ非常事態ではないと言明(2013年9月25日、CIDRAP)

7月中旬以降着実に感染者数が増え続けているにもかかわらずWHOの諮問委員会は25日、現時点で中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)の状況は世界的な公衆衛生上の非常事態とはなっていないとの従来の見解を再確認しました。
委員会はMERSに関するサーベイランスと調査活動を強化する必要性を繰り返して言いました。しかし7月のリコメンデーション以上の旅行に関する新たな注意事項もガイダンスも発表しませんでした。10月の大巡礼(ハージ)にはサウジアラビアのメッカには数百万人が集まると予想されています。
WHO事務局長補佐のケイジ・フクダ氏は、国際保健規則(IHR)に基づいて召集されたこのパネルの決定は、WHOとサウジアラビアとカタールの保健当局者からMERS-CoVの最新の状況についてのヒヤリングを行った上で行われたものであると言いました。
フクダ氏は報道機関との電話会議で「大切なのは彼らが全ての情報を聞いた上で7月以降の状況を評価し、非常事態とはなっていないと判断したことだ。」と言いました。
WHOのパネルは7月17日にMERSの状況に関する評価を発表した際には「深刻で重大な懸念」であるが国際的な非常事態ではないと言っていました。フクダ氏はその時に、グループが非常事態の宣言は不相応であり有害無益だと感じた、と言いました。
フクダ氏は、7月のWHOの声明以降47人のMERS患者が確認され、これまでの合計患者数は130人に、疑い患者は17人になったと言いました。この間中東地域以外からは患者の発生は報告されなかったと述べました。患者の致死率は約42%であり、患者の64%は男性でした。年齢の中央値は50歳です。
WHOの以前の話では患者は2つのグループに分類され、地域の中で不明の感染源から感染した患者群と、それらの患者から2次的に感染した患者群があるとのことでした。
「過去4〜5ヶ月の間に我々は確実な患者の流れを見てきた。季節変動があるのかどうかは分からない。」とフクダ氏は言いました。 非常事態宣言を要求しなかったもののWHOのパネルは、MERS-CoVへの対応を強化することを提唱しました。 WHOの声明によるとグループは以下の重要性を強調しました。
・ サーベイランスの強化。特に大巡礼(ハージ)に参加する巡礼者の国々における強化
・ 周知の徹底とリスクコミュニケーションの努力
・ 被害の受けやすい国々(特にサハラ砂漠以南のアフリカ地域)の援助
・ 診断検査のキャパシティーの増加
・ 感染源と感染様式を発見するためのケースコントロールスタディを含む継続的な調査
・ IHRに準拠して、速やかに情報共有を図ること
WHOは7月末に、慢性の症状がある人々はサウジアラビアへの巡礼の前に主治医に相談するよう、また年配者や慢性疾患のある人は今年は旅行をしないよう助言しました。その時にWHOは旅行者がサウジアラビアを訪問中、もしくは帰宅後に発病した場合に何をすべきかについてもアドバイスしました。
委員会は現時点で旅行者への新たなガイダンスを提供する理由を見出さなかったとフクダ氏は言いました。
彼は、サウジアラビアから帰国した巡礼者のいる国々ではMERS患者が発生する可能性を踏まえてサーベイランスを行なっていると述べました。しかし「感染症が発生する危険性のあるいくつかの国においてサーベイランスのレベルは最適な状況とはいえない。」と言っています。 フクダ氏は、サウジアラビアがMERSに関する情報を控えており、十分な調査も行なっていないではないかとの質問にはほとんど光を当てませんでした。彼は、委員会はタイムリーに情報共有を図る必要性についての一般的な議論は行なったが、特定の事例については踏み込むことはしていないと述べました。同様に、グループは人々がどのようにウイルスに曝露するのかを明らかにするためのケースコントローススタディの必要性について一般的な話をしたものであり、グループを取りまとめたサウジアラビアの代表はこの件については話さなかったとフクダ氏は報告しました。
サウジアラビアのMERS-CoVへのアプローチについてのコメントを特別に求められたとき、フクダ氏は「通常私は特定の国の態度や行動についてのコメントは差し控えている。我々はサウジアラビア王国と緊密なコンタクトを取っており、彼らが患者の調査と感染様式を調べるために広範囲の努力をしていることを知っている。」と言いました。WHOは「基本的に各国から提供された情報は、個人を識別できる詳細を除き、全て提供してきた。」と付け加えました。
MERS-CoVが確認されて以来1年が経過したにもかかわらず依然として不可解な状況が続いているのはどうしてかとの質問には、新しいウイルスが出現したときには世界はいつも情報を待ちきれずにいらいらする、このいらいらが時間の経過と共に増加したものだと答えました。「肝心なのは、何が本当の曝露源なのかや危険因子は何かを知るための研究(例えばケースコントロールスタディのような研究)は簡単ではないということだ。」と述べました。
一方、MERSで死亡したサウジアラビア人の家族の話として、死亡した男性は発病する少し前に病気のラクダと接触していたとの記事が前日の「ウォールストリートジャーナル」紙に掲載されました。
記事は、ハフル・アル・バティンの公務員をしていた男性が、8月上旬に若いラクダを買っていたことをこの男性の兄弟たちの話として伝えています。このラクダが病気になってラクダの鼻孔から水のような鼻水が流れ出ると、男性はできる限りの治療をしてラクダを売ったと兄弟たちは言っています。この男性は3日後に発病し、10日後に死亡しました。
オマーンとエジプトそれにカナリア諸島のラクダからはMERS-CoVもしくは親縁のウイルスの抗体が見つかっています。しかしウイルスそのものの保有までは確認されていません。
死亡した男性の母親と2人の家族もMERS-CoVに感染したと家族はウォールストリートジャーナルに伝えました。家族はこの病気への警戒の呼びかけは一度も聞いたことがなかったと言っています。

ネパール H5N1鳥インフルエンザで350,000羽の家きんが死亡(2013年9月24日、CIDRAP)

OIE(国際獣疫事務局)の9月21日の報告によると、ネパール中部で最近の数週間に43件のH5N1鳥インフルエンザが発生し、350,000羽近くの家きんが死にました。
34件のアウトブレイクは1つの集団感染として報告されました。その中にはバグマティ県の養鶏場での266,959羽が含まれています。このうち44,459羽はH5N1鳥インフルエンザで死に、残りは感染拡大防止のために殺処分されたものです。集団感染は7月26日に始まり8月17日に終結しました。
その他の9件はバグマティ、ルンビニ、ジャナクプル地区で発生し400羽から40,000羽の群が影響を受けました。このうち10,000羽以上の群は3つだけです。集団感染は7月27日から8月9日の間に発生しました。全部で55,628羽が病気で死に、294,211羽が殺処分されました。合計349,839羽が死んだことになります。
「感染した建物の清掃と消毒作業は完了した。集中的なサーベイランスが国中で行なわれている」と言っています。

リヤド会議の代表がMERS-CoVの集中的な研究を要望(2013年9月24日、CIDRAP)

サウジアラビアのリヤドでの医学集会の中で開催された第2回国際会議の当局は、中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)の「集中的な世界規模の調査」を呼びかけました。
サウジアラビアでこのウィルスが発見されてから1年が経過したにもかかわらず、感染源やどのようにして人に感染するのかなどは不明のままです。
会議は3日間の日程を終えましたが、議論はMERS-CoVに集中しました。サウジアラビア保健省とWHOによって開催された会議は地元の代表と国際的な代表で1,000人以上の参加者を集めました。その中には15カ国の厚生大臣も含まれています。
集会は恒例のメッカへの大巡礼(ハッジ)に先立って開催されました。大巡礼(ハッジ)には少なくとも300万人の人々が集まると予想されています。サウジアラビア保健相のアブダラー・アル・ラビーア博士は、西部地区の巡礼者のエントリーポイントで厳しい隔離措置を行なうことによって大巡礼(ハッジ)はMERS-CoVから開放されると代表に保証しました。
サウジアラビア当局は、7月から8月初旬のラマダンの時期に行なわれた小巡礼(ウムラー)の際にサウジアラビアを訪れた外国人巡礼者にはMERS-CoV感染者は見つからなかったと言いました。

ECDC イタリアのH7N7感染についての詳細と対応策を発表(2013年9月20日、CIDRAP)

ヨーロッパ疾病予防対策センター(ECDC)は19日、イタリアで起きたH7N7型高病原性鳥インフルエンザの家きんへの集団感染と、これに関連して感染した3人の養鶏業者に関する疫学的な報告書を発表し、地域社会への感染拡大の危険性は低いことを強調しました。 これまでにH7N7ウィルスはエミリア−ロマーニャ地区の6カ所の農場に出現していますが、最近では9月の第1週にも2カ所で確認されています。ECDCによれば、感染拡大防止のために100万羽ものトリが殺処分される見込です。
H7N7鳥インフルエンザは過去にヒトに対して軽症例と死亡例の両方をひき起こしていることから、精力的なサーベイランス(監視活動)が行なわれており、養鶏場で生活している人々や従業員、濃厚接触者、殺処分への従事者等に関連した症状が出ていないかどうか調査しています。
約370人に対して調査が行なわれた結果、3人がH7N7ウィルスによる結膜炎を発症しているのが確認されました。ECDCによると感染が確認されたのは46歳から51歳までの男性で、養鶏場の従業員と殺処分の対応者でした。
検査でH7N7感染が確認された3人の男性は自宅に隔離されましたが、結膜炎は5〜6日後には治まり、合併症も起きませんでした。1人の患者については眼の症状と共に寒気と筋肉痛がありました。
ECDCは無症候感染(症状の出ない感染)のレベルを評価するために曝露した可能性のある人々の血清検査を計画していると述べました。「これらの結果は、H7N7鳥インフルエンザのトリからヒトへの感染の頻度と潜在的な危険性に関する有用な情報を与えてくれるだろう」と言っています。
今のところ危険に曝された人々は主として直接家きんに接触した人々か、病気の鶏または死んだ鶏を取り扱った人々であるとECDCは言っています。また感染のリスクを減らすために、暴露前または曝露後の抗ウィルス剤の予防投与が考慮されるべきであると付け加えています。

WHO MERS-CoVの感染パターンとペースに懸念を表明(2013年9月20日、CIDRAP)

WHOは20日、MERSのアウトブレイクに関する新しい概要を発表すると共に、既報の2例の患者について確定診断をつけかねるとして「疑い例」にランクを引き下げました。 WHOは、MERS-CoV患者の急増に懸念を表明すると共に、感染者の年齢が若年化してきていることと、女性の割合が増加してきていることを指摘しました。
また、別の報告でWHOは、以前MERS-CoV感染であると確定判断した2人の患者を「疑い例」に引き下げました。これによりこれまでの公式合計患者数は130人となりました。
最初の報告はアウトブレイクの事例と文献のレビューに関する概要を含んだものですが、8月13日以来の発表となります。前回の発表以降新たに報告されたMERS-CoV患者の数は37人ですが、このうち34人がサウジアラビアから、残りの3人はカタールからの報告でした。このうちの9人は散発的な感染でしたが、残りは集団感染でした。
統計的な変化としては、散発的な感染における患者年齢の中央値は僅かに下がった程度でしたが、性別の変化はより著しいものでした。新規患者の半数以上(56%)は女性でした。これは以前の傾向とは対照的です。7月の中旬頃までは患者の83%が男性でした。
地理的に見た場合、発生地は依然としてサウジアラビアが圧倒的多数を占めます。散発的な9人の感染者のうち8人は、おそらくサウジアラビア国内でウイルスに曝露したと考えられています。新たな患者はメディナのような巡礼地の付近で発生していますが、WHOは、最近行なわれたラマダンのウムラー(小巡礼)のために訪れた巡礼者の中には1人も患者は報告されていないと言っています。 WHOは、最近見つかった集団感染は、次々とウイルスが伝染していないかどうかを詳しく調査した結果確認されたものであると述べています。
散発的な感染の増加原因ははっきりしておらず、サーベイランスが強化されたため、未だに特定されていないウイルスの保有動物が広範囲に広がったため、季節的な変動のため、曝露のパターンに変化が生じたためなどが可能性として上げられるとしています。
報告はまた、多くの新たな患者の間の関連を具体的に示しています。例えば41歳のフィリピン人看護師は、MERS患者との接触歴はなく、逆に2人の医療従事者に感染させたと考えられると書いています。WHOは、家族内や医療機関内での持続的な感染は、感染予防対策の重要性を思い起こさせると述べています。
一方、別の声明でWHOは、以前「確定診断例」として発表した2人の患者を分類しなおし、「疑い症例」としたと発表しました。5月に行った追加検査により見直されたものです。WHOでは「疑い症例」とは高い確率でMERS-CoV感染と考えられるものの検査を完結するための十分な検体が不足している症例と定義しています。
この2人は、ヨルダンを旅行して発症した最初の患者と濃厚接触のあったイタリア人の2歳の少女と42歳の女性です。2人の感染が最初に報告されたのは6月上旬のことでした。
2人の分類が見直されたことにより、世界のMERS患者の合計数は130人に引き下げられました。この中には58人の死亡者が含まれます。WHOはこのほかに17人の「疑い症例」があると言っています。
20日投稿されたツィッターによると、WHOのスポークスマンであるグレゴリー・ハートル氏は、アウトブレイクの最新の状況を討議するためにWHOのMERS-CoV緊急委員会が9月25日に開催される予定であり、それに引き続いて報道関係者への説明会が行なわれる見込であると述べたとのことです。この緊急委員会は7月上旬に組織されたもので、来週の開催は3回目となります。
7月中旬に開催された前回の会議で委員会は、MERS-CoVの感染が進展していることは深刻な懸念事項ではあるが、保健衛生上の国際的な非常事態のレベルには達していないと述べています。

発生から1年 MERS-CoVの謎は未解決(2013年9月20日、CIDRAP)

いったいどの動物がMERS-CoVの感染源なのか、ラクダなのか、それともヒトからヒトへの感染が繰り返されているのか、科学者にとってこれらの謎は未解決のままです。
中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)の感染が初めて報告されてから1年がたちましたが、この病原体は依然としてほとんどが謎のままです。
科学者は若干の手がかりを得ています。しかし依然としてどの動物が感染源なのか、動物からヒトへはどのように感染するのか、ヒトからヒトへはどのようにして感染すのかは分かっていません。また感染した患者はどれだけの期間、他の人々に感染させることができるのかについても分かっていません。
一方、感染しても症状が出ない患者もいることはわかっていますが、それらの無症状の人々が他の人々への感染力を持っているのかどうかは誰も知りません。効果的な治療法の開発へのゴールは程遠い状況です。ワクチンも同様です。
多くの専門家は、MERS-CoVの科学的データが出てくるのが異常に遅いことに不満を抱いています。彼らはMERS-CoVの状況が10年前に起こったSARS(重症急性呼吸器症候群)のときの状況と対比します。
SARSは別のコロナウイルスが原因で起きます。2002年の暮れに中国南部で最初に現れました。その冬には香港に到達し、3月15日にはWHOが警報を発令しました。最終的には香港から世界の約30カ国に飛ぶ航空機の経路でおよそ8,000人が感染し、800人が死亡しました。(異なる人数の報告もあります)。SARSの発生は大きな国際的な反応を誘発し、7月には消滅しました。アメリカCDC(疾病予防管理センターのMERS対策責任者であるMark Pallansch博士は「SARSは確認され、特定され、制圧された。全期間を通算しても現在のMERSの期間よりも短かった。」と言っています。
2つの状況はあらゆる点で並行ではありません。特に患者数についてはそうです。しかしSARSについてのデータはMERSの場合よりもはるかに自由に流れました。この理由は複雑で不明です。しかしSARSの時には科学者は報道機関が発表する以前に非公式にデータを共有しており、それは現在のMERSのものよりも多かったことが一つの要因だと言う者もいます。
MERS-CoVへの対応については明るい点もあります。特に診断検査法の開発や政府の対応に関するガイダンスの提供などがそうです。しかし普通の感覚は、あまりにも多くの疑問が残っていることへのフラストレーションです。

カンボジア 新たに2人の鳥インフルエンザ患者 1人は死亡(2013年9月19日、新華社)

カンボジアで新たに2人のH5N1鳥インフルエンザ感染者が確認されました。これによりカンボジアで今年確認された患者は20人になりました。
患者はタケオ州の5歳の少女とカンポット州の2歳の少女です。このうちカンポット州の2歳の少女は18日に死亡しました。
カンボジア最大の小児病院であるカンタ・ボファ病院の副院長であるデニス・ローレン医師は新華社通信に対して「カンポットの小さな女の子は病院に到着したときには極めて深刻な状況となっており、18日に死亡した。タケオの少女はまだ入院中だが、状態は安定している」と伝えました。ことしカンボジアで確認された20人の患者のうち助かったのは9人だけとなっています。
WHOによるとH5N1鳥インフルエンザは通常病気の家きんの間で広がりますが、時折家きんからヒトに感染することがあります。感染した場合には極めて重症化し、入院が必要となります。
カンボジアは今年、このウイルスが初めて確認された2004年以降最悪の発生件数を数えています。19日までの合計患者数は41人となり、そのうち30人が死亡しています。

MERS-CoVの動物からヒトへの感染は複数回おきた可能性(2013年9月19日、CIDRAP)

中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)に関する大きな疑問の一つは、ウイルスが動物からヒトに感染したのは最初の1回だけだったのか、それとも複数回の感染が起きているのかということです。19日発表された研究は、21人のサウジアラビア人患者から採取したウイルスのサンプルが遺伝子的に多様性を示していることを上げて、複数回の感染が起きている可能性が高いことを示しました。
サウジアラビアとイギリス、アメリカの研究者のチームは、21個のサンプルのゲノムには多くの多様性があることを発見しました。仮に動物からヒトへの感染が1回だけでその後はヒトからヒトへの感染を繰り返したとするとこれだけ多くの多様性を示すのは不自然であることから、動物からヒトへの感染は複数回起きたのではないかと推測しています。この研究結果は「Lancet」誌に掲載されました。
さらに研究チームはヒト−ヒト感染はこれまで考えられていたよりもやっかいであり、気づかないうちに感染してウイルスを拡げてしまっている人々がいる可能性があると述べています。

WHO 最近のMERS-CoV患者18例を認定(2013年9月19日、CIDRAP)

WHOは19日、9月1日以降サウジアラビアから報告のあった18人のMERS患者を認定しました。
また、サウジアラビア保健省(MOH)は英語版の声明で新たに3人の患者が確認されたことを発表しました。
WHOが確認した18人には3人の死亡者が含まれています。18人の居住地はハフル・アル・バティン、メディナ、リヤドで、年齢層は3歳から75歳までに分布しています。これらの患者はMOHによって9月1日、5日、8日、10日、11日に発表されたものであるとWHOは伝えています。 これによりWHOのMERS-CoV患者の集計は、患者数が132人、死亡者数は58人となりました。
また、以前報告のあったカタールの患者が9月6日に死亡したことも伝えています。
サウジアラビアMOHの声明は新たな3人の患者の発生を伝えました。この声明は18日アラビア語で発表され、機械翻訳された内容が一部の報道で伝えられていたものです。
・ メディナ在住の75歳のサウジアラビア人女性。死亡。他のMERS患者との接触により感染。
・ メディナ在住の35歳の男性。他のMERS患者との接触により感染。現在病院のICU(集中治療室)に入院中。
・ リヤド在住の83歳の男性。死亡。
3人とも複数の慢性疾患を持っていたとMOHは伝えています。この3人は19日更新されたWHOの集計には含まれていません。サウジアラビアでのMERS患者は合計107人となり、49人が死亡しています。

H7N9型ヒトヒト感染可能性 (2013年9月19日、NHK)

中国で、ことしの春、感染者が相次いで出たH7N9型の鳥インフルエンザウイルスは、鼻やのどの粘膜に取り付き、せきやくしゃみでヒトからヒトに広がりやすいよう遺伝子が変化していることがオランダのグループの研究で分かりました。
オランダのエラスムス大学病院の研究グループは、H7N9型の鳥インフルエンザウイルスの感染力を調べようと、19歳から73歳までの男女12人から気道や肺などの細胞を提供してもらい実際にウイルスが取りつくかどうか実験を行いました。
その結果、H7N9型のウイルスは、気道や肺だけでなく、鼻やのどの細胞にも付着するなど、ほかの鳥インフルエンザウイルスにはない特徴を持っていることが分かったということです。
ウイルスが鼻やのどの細胞に付着して感染するとせきやくしゃみなどの飛まつを通じてヒトからヒトに感染を広げる恐れが高まります。 H7N9型の鳥インフルエンザウイルスは、現時点では、ヒトからヒトへの持続的な感染が確認されていませんが、研究グループのティース・カイケン教授は「さらに遺伝子が変化してヒトへの適応性を高めれば大流行が起きる可能性がある」として警戒を呼びかけています。

東伊豆の小学校でインフルエンザ(2013年9月19日、中日新聞)

静岡県疾病対策課は18日、インフルエンザの集団発生による学級閉鎖が今秋初めて報告されたと発表しました。県内での学級閉鎖は昨年よりも約二カ月早く、過去十年では二番目に早いです。
同課によると、学級閉鎖したのは東伊豆町立熱川小学校で、2年生の1学級で発熱した男女児童八人が17日に欠席しました。簡易検査の結果、いずれもB型インフルエンザとみられます。同校は18〜20日まで学級閉鎖にしました。
インフルエンザは例年、12月から流行する傾向があり、同課の担当者は「10月のうちに積極的に予防接種を受けてほしい」と呼び掛けています。

フィリピン人看護師がMERSで死亡(2013年9月17日、CIDRAP)

フィリピン当局は17日、サウジアラビアで就労していた41歳のフィリピン人看護師が、最近中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)に感染して死亡したと発表しました。またもう1人のフィリピン人女性も感染しましたが回復しつつあるとのことです。
GMAニュース(フィリピンケソン市)の報道によると、フィリピン外務省の報道官ラウル・エルナンデス氏は、この女性は8月中旬に発症し、8月29日にリヤド市内の病院で死亡したと発表しました。
2人目の女性は透析の目的で同じ病院に連れて来られましたが、そこで感染しました。現在は回復しつつあると伝えられています。2人の名前や年齢は公表されていないほか、2人目の患者の職業も発表されていません。
41歳の看護師はMERSによる初めてのフィリピン人死亡者であると伝えています。また同時にサウジアラビアで働く外国人労働者としての初めてのMERS患者と思われると報告しています。サウジアラビア保健省(MOH)はこれまでに発表した何人かの患者を「市民(citizens)」ではなく「住民(residents)」と表現してきましたが、患者の故国については発表していませんでした。
5月にWHOの専門家であるアンソニー・マウンツ博士は、インドやフィリピンからサウジアラビアに来ている外国人労働者がMERS-CoVに感染して故国に持ち帰る可能性があるとして懸念を表明していました。彼はこのステップがウイルスを監視体制のあまり強くない国々に広げてしまいかねないと心配していました。
今回のフィリピン人看護師の報道は、サウジアラビアMOHが9月5日に「リヤドの保健施設に勤務していた41歳の女性の住民」が死亡したと発表した内容と一致するように思われます。その際の声明はこの女性の詳細については伝えませんでした。
GMAの記事はリヤドの病院の当局者の話として、この看護師は8月中旬に発熱と咳を訴え、8月22日に人工呼吸器を装着され、2日後に病院の集中治療室に移されたと伝えています。また当局者はこの女性が7月中旬に休暇でアメリカを訪れていたとも話しています。 記事はサウジアラビアには少なくとも100万人のフィリピン人労働者が住んでいると伝えています。

アーカンソー州 2件の変異型H1N1感染が発生(2013年9月16日、CIDRAP)

アーカンソー州の保健当局はブタとの接触のあった人の中に2人の変異型H1N1(H1N1v)インフルエンザの感染が確認されたと発表しました。2人とも既に回復しており、接触者のモニタリングでも他には感染者はありませんでした。アーカンソー保健局が9月13日の声明で発表したものです。
州の疫学専門家であるDirk Haselow博士は、今回の2例は、インフルエンザが疑われる患者の綿密なサーベイランスと、獣医との密接な協力によって発見されたものであり、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によって確認されたと述べました、同氏は、動物のインフルエンザウイルスの変異株は年に2〜3件ヒトへの感染が確認されており、一般的には軽症で終わることが多いが、季節性のインフルエンザとは異なり、ヒトからヒトへの感染は容易には広がらないと言っています。
州では状況の監視を続けており、精力的に新たな患者の発見に努めていますが、現在までのところ保健当局はブタとの接触に関して新たな注意の呼びかけは行なっていないと述べています。
H1N1ウイルスの三重再集合体(トリプルリアソータント=トリ、ブタ、ヒトのインフルエンザウイルスが交じり合ってできたウイルス)は1990年代からアメリカのブタの間で循環しています。このウイルスが散発的にヒトに感染した場合、CDCでは変異型ウイルスと分類しています。
2011年の末に保健当局は、職業上ブタとの接触のあったウィスコンシン州の住民から、2009H1N1ウイルスのマトリックス遺伝子(M遺伝子)を受け継いだ三重集合体のブタH1N1ウイルスを確認しています。
CDCによると、新たな2人のH1N1v患者がアーカンソーで確認されたことにより、アメリカ国内の変異型ブタ由来インフルエンザの患者は16人になったと発表しています。

FAO(国連食糧農業機関) インフルエンザシーズンを前にH7N9、H5N1への警戒を呼びかけ(2013年9月16日、CIDRAP)

国連食糧農業機関(FAO)は16日、世界各国に対し、H7N9とH5N1鳥インフルエンザは依然として深刻な脅威をもたらしているとして警戒を呼びかけました。特にインフルエンザシーズンをこれから迎える北半球では注意が必要であるとしています。
FAOの主席獣医官であるJuan Lubroth博士は声明の中で「世界は過去10年のH5N1への取り組みと最近のH7N9への対応により、これまでにないほど鳥インフルエンザへの準備を整えている。しかし変わらぬ警戒が求められている。」と述べました。ローマで開催されているアメリカ国際開発局(USAID)とWHO、OIE(国際獣疫事務局)の合同会議の席上で発言したものです。同氏は感染の発生した国と近隣諸国、貿易相手国に対して鳥インフルエンザウイルスの発見の努力を強化するよう呼びかけました。特にH7N9ウイルスはトリに感染しても症状が出ないために発見が難しいことから一層の努力を求めています。
H7N9への対応強化のためにFAOは200万ドルの緊急融資を決定したと発表しましたが、さらにUSAIDから500万ドルが追加されました。Lubroth氏は、いくつかの発生リスクのある国々は今やH7N9を確実に発見できるようになったと強調し「継続的にウイルスを特定していくことがコントロールを続け、拡大を抑えるために重要だ」述べました。
FAOとUSAIDは更なる短期的な努力が必要だとして、目標を定めたサーベイランスと生産と流通システムのトレースバック、非常事態時の計画、補償システムの開発などの必要性を訴えました。
Lubroth氏はまた、長期的なステップとして各国が家きんの売買取引方法の改善に投資すべきであると呼びかけました。「構造改革は、適切な食品安全と衛生的な処理を行なう施設を開発し、健康的で安全な市場を作りあげるだろう」と言っています。 中国でのH7N9ウイルスの感染源は家きんであると考えられています。現在までの感染者は135人を数え、44人が死亡しています。多くの感染者は4月と5月に集中しました。夏には発生のペースが落ちて散発的な発生となりましたが、保健当局者は涼しい時期の到来と共に再び活発化する可能性があると言っています。

イタリアの養鶏業者3人がH7N7鳥インフルエンザに感染(2013年9月13日、CIDRAP)

ヨーロッパ疾病予防管理センター(ECDC)は13日、H7N7高病原性鳥インフルエンザの家きんへの流行が起きているイタリアで、3人の養鶏業者がH7N7による結膜炎に感染したと発表しました。世界の金融・経済ニュースを伝える「ブルームバーグ・ニュース」は今週、イタリア北部のエミリア・ロマーニャ地区で現在6件のトリへの集団感染が起きていると伝えていました。
1人目の患者は51歳の男性で8月30日に結膜炎を発症し、9月3日には回復しました。この男性は自宅に隔離されました。男性の4人の家族も10日間に亘り監視下に置かれています。
また2人目の患者は46歳の男性で両眼に結膜炎を発症しました。男性は感染の拡大を防ぐために隔離されました。3人目の患者の詳細は伝えられていませんが同様に隔離されたとのことです。3人とも同じ養鶏場で働いていたといいます。
このうちの1人については9月2日にメディアによって報道されましたが、年齢までは伝えられていませんでした。ECDCは13日の発表で「病気のトリに曝露した全ての従事者とその接触者に対して積極的なサーベイランスが行なわれている。同様の措置が殺処分に従事した従業員にも取られている」と言っています。
「ブルームバーグ・ニュース」は、8月28日以降エミルア・ロマーニャでは新たに3件のH7H7鳥インフルエンザが発生し、この地域での集団感染は6件になったと9月11日のニュースで伝えました。そのうちの1件は8月28日にOIE(国際獣疫事務局)も公表しています。
OIEが確認した1件ともう1件については同じ経営の企業が所有する養鶏場で発生したものですが、この企業の養鶏場では以前にも鳥インフルエンザが発生していました。一方3件目の感染は個人が家の裏庭で飼育していた家きんに起きたものです。「ブルームバーグ・ニュース」は今回の3件の鳥インフルエンザに関連して約22万羽のトリが殺処分されたと報じました。既にこれまでの3件の集団感染で73万羽が殺処分されていると伝えています。

H7N9の感染性に関する新たな2つの知見(2013年9月13日、CIDRAP)

中国で今年発生したH7N9ウイルスはヒトの下気道と上気道の細胞に結合する適合性を備えており、ブタの気道組織で効率よく増殖するとの研究が発表されました。
最初の研究はオランダのエラスムス大学メディカルセンターの研究チームが行なったもので、上海株と安徽株のH7N9ウイルスのヘマグルチニンを含んだ2種類の遺伝子工学的に作られたH7ウイルスの気管内への結合パターンを調査しました。チームはこの研究結果を12日エルゼビア社が発行する「American Journal of Pathology」誌の10月号に発表しました。
彼らはヒトの異なるタイプの気管内組織への結合パターンを調べるために組織化学的な手法による分析を行ないました。そしてH3N2や2009H1N1、H5N1などそれぞれ異なる頻度でヒトに感染する他のインフルエンザウイルスとパターンを比較しました。その結果H7N9は他の鳥インフルエンザウイルスと同様に上気道よりも下気道の組織により強く結合することが分かりました。しかし他の鳥インフルエンザウイルスとは異なり、H7N9は細気管支と肺胞の上皮細胞に大量に結びつき、広範囲に亘るタイプの細胞に結合しました。
Thijs Kuiken博士はエルゼビアの報道発表で「これらの特徴はヒトインフルエンザウイルスと比較して新生のH7型鳥インフルエンザウイルスが病原性を増していることと一致する」と述べました。
実験で得られたもう一つの重要な発見は、鼻甲介(びこうかい)、気管、気管支の繊毛細胞にH7N9ウイルスがより集中的に結合することです。このことはヒトにより効率的に感染する可能性を暗示しています。しかしKuiken博士は、H7N9の感染が主として散発的であるということは、このウイルスが効率的にヒトに感染するための性質を完全には獲得し切れていないことを示唆していると言っています。同氏は、中国でのH7N9ウイルスの結合のパターンは重症化の可能性と効率的な感染の可能性を示唆してはいるが、結合はウイルスの増殖サイクルの第1ステップに過ぎず、このウイルスがパンデミックを引き起こす可能性があるかどうかを完全に測定するには、ホストの反応など他のステップについても考慮することが必要だと述べました。
一方ブタの組織の研究を行なったチームは、H7N9ウイルスにブタへの感染能力があるかどうかを確認することが研究の目的だと記述しました。ブタは農業現場や市場などでしばしばヒトや家きんと接触して、ウイルスが他の哺乳類に適応するための仲介の役割を演じることが知られています。この研究グループには中国と香港のほかアメリカの聖ジュード小児研究病院の科学者らが参加しており、研究結果は「Journal of Virology」誌の9月11日号に発表されました。
「このウイルスがブタに感染し、更に他の哺乳類にも適応を広げていくとすれば、公衆衛生上の重大な懸念である」と書いています。以前の研究で中国の研究チームは、H7N9が実験的にブタに感染しうることを発見しました。しかし同じケージ内の他のブタには感染は広がらないように見えました。チームは、中国の感染が起きた地域で行なわれた養豚場のサーベイランスでは4,000以上の動物と環境のサンプルからはH7N9ウイルスは見つからなかったことに注目しました。
H7N9の豚への感染性を更に調査するために、チームは生きた動物で見られるパターンを模倣するためにブタの呼吸器の組織サンプル(生体から外に取り出した「外植片」)を使用しました。彼らはこの方法が大きな動物を使うよりも面倒がなくてより安価であると共に、迅速に試験が行なうことができ、より多くのインフルエンザウイルスを試験するには人道的だと強調しました。試験には3種類のH7N9株と3種類の対照ウイルスが使用されました。対照ウイルスにはこれまでにブタに感染したことがないウイルス1種類も使用されました。3種類のヒトH7N9株はブタの上気道と下気道の組織で効率的に増殖しました。
試験結果は、新しいH7N9ウイルスがブタに感染することができることを確認しましたが、研究チームは、この結果はH7N9の発生と、哺乳類への感染力を増強するようなウイルスの突然変異もしくは遺伝子セグメントを獲得する危険性を増大するものであると結論づけています。
彼らは、中国でヒトへの感染が夏の間にも確認されたことは、H7N9は依然として循環し続けていることを示していると強調しました。しかし現時点では中国北部、東部地域にはウイルスのブタでのモニタリングシステムはありません。

サウジアラビアで新たに8人のMERS患者 世界の合計患者数は130人に(2013年9月11日、CIDRAP)

サウジアラビア保健省(MOH)は10日から11日にかけて新たに8人の中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)患者が確認されたと発表しました。8人全員がMERS患者との接触者であり、そのうちの4人は医療機関内で感染した可能性が疑われています。MOHは、患者は全員がリヤドとメディナ在住の若年から中年にかけての成人で大部分が軽症もしくは無症状であると言っています。新たな患者が確認されたことで世界の合計患者数は130人となり、このうち57人が死亡したことになります。
10日発表された4人のうち3人は無症状の患者でした。メディナ在住の22歳の男性、同じくメディな在住で医療機関に従事する24歳の男性、それにリヤド在住の60歳の男性です。もう1人の47歳の男性はリヤド在住で、症状は安定しているとMOHは伝えています。
11日発表された4人は全員がリヤドからの報告であり、そのうち3人が医療従事者でした。47歳の女性と39歳の女性は軽い症状であり、38歳の男性は症状が安定しています。4人目の患者は51歳の女性ですがやはり安定した状態にあるとのことです。
保健省では9月7日と8日に別の8人の発表を行なったばかりでしたが、今回の発表はそれに引き続いてのものとなりました。前回発表の8人のうち3人は死亡しています。
WHOでは9月7日以降MERSのデータを更新しておらず、合計患者数は114人、死亡者54人のままになっています。この数にはサウジアラビアで確認された最近の16人が含まれていません。

中国鳥インフル、早くも猛威の予兆 警戒レベル一気に引き上げ段階へ(2013年9月11日、産経新聞)

上海市や安徽省など、中国本土の2市10省と台湾で少なくとも136人への感染が確認され、このうち45人が死亡した「鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)」が今秋以降、再び猛威を振るうのではないかとの懸念が広がっています。
中国で再流行すれば、人的往来の多い日本にも感染が飛び火する恐れがあるだけでなく、日本を含む外資系企業の対中ビジネスの減速要因ともなります。
地元紙によると、世界保健機関(WHO)の専門家が今月、上海市公共衛生臨床センターで行われた鳥インフルエンザ問題に関する会議で、気温が下がる秋から冬にかけてウイルスが活性化し、H7N9型が再流行する可能性を警告し、当局に対策を呼びかけました。
専門家らは、生きた鳥を食用として取引する街中の市場が感染源になっているとみて、家禽(かきん)市場を完全閉鎖するよう求めました。上海市は、生きた鳥の取引を4月6日に全面禁止しましたが、6月20日からは当局が指定した郊外の市場などに限って営業再開を認めています。実際には中国各地で家禽類を生きたまま売買するヤミ市場や露天商などが後を絶たず、消費者の側も警戒感を抱かなくなっています。露天で売られる生きたニワトリの場合、1羽丸ごとの価格で10〜20元(約160〜320円)とスーパーで売られる商品に比べ大幅に安く、庶民の台所を支える食材になっているからです。
一方で事態は深刻化の兆しもあります。江蘇省疾病予防コントロールセンターの専門家が英医学誌の「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」に寄稿した論文で、H7N9型に感染して5月に死亡した同省無錫市(むしゃくし)の親子について、ウイルスが父親から娘に感染したとの研究結果を明かしました。
今回の流行でH7N9型ウイルスの「人から人」への感染を、中国の専門家が公の場で確認したのは初めてです。「人から人」への感染は、上海で死亡した親子と夫婦の2例でも疑われており、感染予防の警戒レベルを一気に引き上げねばならない段階を迎えています。
無錫市の親子で確認された感染は、60歳の父親が市場で生きた鳥を買った数日後の3月8日に発病して5月4日に死亡し、その娘も1週間後に発病して死亡したケースです。この娘は生きた鳥との接触歴がありませんが、マスクや手袋をせずに父親の看病に当たっており、父親のせきなどから、飛沫(ひまつ)感染したとみられるということです。「人から人」に感染する能力は限定的だとの見方もありますが、いずれにせよ日常的な予防対策が欠かせなくなることは間違いありません。
上海の日本総領事館では在留邦人に対し(1)不用意に鳥や家畜に近寄らない(2)人混みはできるだけ避け、人混みではマスクをする(3)手洗いやうがいを励行する−などの予防策を呼びかけています。再流行に備えたリスク対応策は、まだ気温が高い今のうちに練りたいところです。

MERS「薬の併用で悪化防げる」(2013年9月9日、NHK)

中東やヨーロッパで100人余りが感染し、うち50人が死亡しているMERSコロナウイルスについて、アメリカの研究グループは、2種類の薬の併用で症状の悪化が防げることを動物を使った実験で確認したと発表し、今後、ヒトの治療にも応用できると注目を集めています。
アメリカのNIH(国立衛生研究所)=国立衛生研究所の研究グループは、アカゲザル6匹にMERSコロナウイルスを感染させ、このうち3匹について、肝炎の治療に使われる「インターフェロンα2b」と抗ウイルス薬の「リバビリン」を数時間おきに投与する治療を行いました。
その結果、治療しなかった3匹は、血液中の酸素の量が低下したり、肺が損傷を受けたりするなど症状が悪化しましたが、治療した3匹は症状が悪化せず、体内でのウイルスの増殖も抑えられたということです。
MERSコロナウイルスは、これまでに108人が感染、うち50人が死亡していて、予防のためのワクチンはなく、治療法も確立されていません。
研究グループによりますと、有効な治療法が示されたのは初めてで、ヒトの治療にも応用できる可能性があるとしています。 研究グループのハインツ・フェルドマン博士は、「患者を前にした医師たちにとっては、治療に向けた第一歩となる。今後も研究を続けて、有効な治療法を見いだしたい」と話しています。

ネパール 鳥インフルエンザで経済が崩壊する危険に(2013年9月9日、CIDRAP)

9月7日のヒマラヤンタイムズ紙によると、ネパールの養鶏業はカトマンズバレーなどで最近頻発しているH5N1鳥インフルエンザの影響で70億ルピー(約69億円)以上の損害を被り、国の経済に影響が出るかもしれないと伝えています。
養鶏業が不安定となったことで大小数千の養鶏場が事業を断念せざるを得なくなり、その影響はネパールの国民総生産の約4%に達すると記事にはあります。ネパールの鶏卵生産協会のシバ・ラム会長は、鳥インフルエンザの発生は産業を40年後戻りさせたと述べました。 国内の鶏肉の消費は落ち込みましたが、その原因は鳥が死んだためではなく市場のうわさのせいだと記事は伝えています。
ネパール政府は一部の評論家から感染コントロールの有効策を講じていないとの批判を受けています。農家はローンへの助成金の支給など、救済策を求めています。

サウジアラビア 新たに8件のMERS患者を発表 3人は死亡(2013年9月9日、CIDRAP)

過去2日間に、新たに3人の死亡を含む8人の中東呼吸器症候群コロナウイルス感染者が報告されました。これにより世界の合計患者数(非公式)は122人になりました。
サウジアラビア保健省(MOH)は9月7日に4人、そして8日にも4人のMERS患者の発生を発表しました。詳細についてほとんど伝えていないのは既に習慣化しています。
一方WHOはサウジアラビアでの4人の患者発生を発表しましたが、これはメディアによって9月6日に報道済みのケースです。12人の患者のうち7人はMERS患者との接触者か、もしくはMERS患者が入院している病院の医療従事者でした。これらのニュースに対する専門家の反応は、心配ないというものから懸念されるというものまでさまざまです。
9月7日にMOHが発表した患者にはハフル・アル・バティンでMERS患者と接触のあった18歳の男性と3歳の少女が含まれています。2人ともMERSの症状は全く出ておらず健康な状態であると伝えています。組織的なサーベイランスによって発見されたケースです。しかし9月7日に発表された他の2人は致命的だったとMOHは伝えました。1人はメディナに住む56歳の医療従事者でした。またもう1人はリヤドに住む53歳の男性でさまざまな慢性疾患を患っていました。
8日サウジアラビアのMOHは死亡者1人を含む別の4人のMERS患者を発表しました。3人は現在入院中です。1人は74歳の女性でさまざまな慢性疾患を持っており、ハフル・アル・バティンの集中治療室(ICU)に入院しています。他の2人はリヤドの病院に入院しています。1人は64歳の女性で慢性疾患があり、ICUに入院しています。もう1人は75歳の女性で慢性の呼吸器疾患があります。「適切な治療を受けているが健康状態は安定している」と伝えられています。2人ともリヤドの住民です。
亡くなった患者はMERS患者と接触のあった74歳のメディナに住む男性であるとMOHは発表しました。
新たな患者の発生によりサウジアラビアのMERS患者は96人となり、このうち47人が死亡したことになります。
WHOは9月7日に情報を更新し、9月6日に報告のあった4人の患者についていくつかの情報を交えて発表しました。このうち2人は死亡例でした。
1人目の患者はリヤド在住の41歳の女性の医療従事者で、基礎疾患はありませんでした。この女性は8月15日に発症し、状態が悪化して8月末日に死亡しました。WHOの発表によると女性には動物やMERS患者との接触歴は確認されなかったとのことです。2人目の患者はリヤドに住む30歳の医療従事者の男性です。この男性はMERS患者が入院していた病院で働いていました。9月1日に重症の肺炎に罹り、現在重体となっています。さらにハフル・アル・バティンに住む79歳の女性は8月21日に発症し、症状悪化のため9月2日に死亡しました。この女性はMERS患者との接触者で、家族内で発生した集団感染で感染したものであるとWHOは言っています。4人目の患者は慢性の心疾患を持つハフル・アル・バティンの47歳の男性です。発病したのは8月ですが、やはり家族内におきた集団感染で感染したもので、現在重体となっています。しかしWHOではハフル・アル・バティンの2つの家族内集団感染が同一のものかどうかについては明らかにしていません。
WHOのMERS患者の集計は、患者数114人、死亡者54人と発表していますが、サウジアラビアでの今回の8人を加えると患者数は122人、死亡者数は57人になるはずです。

WHO サウジアラビアで新たに4人がMERS-CoVに感染、2人が死亡(2013年9月7日、WHO)

WHOはサウジアラビアで新たに4人のMERS患者が確認されたと発表しました。 1人目の患者はリヤドに住む41歳の女性の医療従事者で8月15日に発症しました。基礎疾患はなかったと伝えています。女性の状態は悪化し、8月末に死亡しました。動物やMERS患者との接触はありませんでした。感染源の調査が続けられています。
2人目の患者はリヤドに住む30歳の医療従事者です。1人目の患者と同じ病院で働いていました。9月1日に発症し、現在重体となっています。
3人目の患者はハフル・アル・バティンに住む79歳の女性で、8月21日に発症しました。この女性は家族内でMERSの集団発生があり、患者との接触がありました。症状の悪化により9月2日に死亡しました。
4人目の患者はハフル・アル・バティンに住む47歳の男性で、慢性の心疾患を持っていました。8月23日に発症し、現在重体となっています。この男性は家族内でMERSの集団発生があり、患者との接触がありました。
2012年9月以降WHOが確認したMERS-CoV感染者の数は、世界で114人となり、このうち54人が死亡しています。

WHO 新たに2人のMERS-CoV患者を確認(2013年9月6日、WHO)

WHOは新たに2人のMERS-CoV患者が確認されたと発表しました。
1人目のケースはチュニジア保健省から通知がありました。患者は66歳の男性で5月1日に発症し、5月10日に死亡しました。この患者は以前、おそらくMERS患者と思われると発表されていました。この男性の娘と息子がMERSに感染していることが検査で確認されていたためです。最近になってアメリカCDC(疾病予防管理センター)が行なった検査で確定診断がついたものです。
2人目のケースはカタール保健省から通知されました。患者は基礎疾患を持つ58歳の女性で8月18日に発症し、8月31日に死亡しました。イギリスのイングランド公衆衛生局によって行なわれた検査で診断が確定しました。
2012年9月以降WHOが確認したMERS-CoV感染者の数は、世界で110人となり、このうち52人が死亡しています。

カタール 56歳の女性がMERSで死亡(2013年9月4日、CIDRAP)

カタールで56歳の女性が8月31日に中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)感染症で死亡しました。同国で先月確認された3人目の患者となります。
3日のクウェート・ニュース・エージェンシー(KUNA)の報道によると、カタール最高保健評議会の発表として、この女性がいくつかの慢性疾患と「リスクファクター」を持っており、8月23日にICUに入院したと伝えました。記事はこの女性がどのようにしてウイルスに感染したのかについては触れていません。
いくつかのニュースはこの女性がカタールでの初めての死亡者と報道しましたが、2012年9月に49歳のカタール人がサウジアラビアから帰国後に国内でMERSを発症し、6月にロンドンの病院で死亡しています。別のカタール人男性も昨年の秋に発症しましたが、ドイツで治療を受けて回復しています。
そのほか最近カタールで確認された2人の患者は、国外旅行をしていて発症した59歳の男性と、複数の慢性疾患を持病に持つ29歳の男性です。2人とも8月に発症しました。年長の男性は回復しましたが若い方の患者は重体が続いており、未だにICU(集中治療室)に入院しています。KUNAの記事によるとこの2人と接触のあった人々は全員ウイルス検査で陰性でした。
WHOはまだ今回のカタール人患者のケースや9月1日にサウジアラビア当局によって発表された新たな2人の患者について認定していません。WHOのMERS-CoV集計では患者数108人、死亡者数50人となっています。

カンボジア 幼児がH5N1鳥インフルエンザに感染(2013年9月4日、CIDRAP)

上海デイリー紙は4日、プノンペンのルッセイケオ地区の15カ月の男の子がH5N1鳥インフルエンザと診断されたと伝えました。カンボジアでの今年18人目の患者となります。
この子は発熱と咳、くしゃみ、下痢、呼吸困難、無気力によって地域の中核病院であるカンタ・ボファ病院に入院しました。検査の結果8月30日にH5N1ウイルスの陽性が確認されました。
現在オセルタミビル(タミフル)によって治療が行なわれており、状態は安定しています。
記事はWHOとカンボジア保健省の声明を引用して「感染が病気のトリや死んだトリとの接触によるものかどうかを確認するために、この子の村で保健省による調査が行なわれている」と伝えています。
カンボジアでは今年確認された18人の患者のうち10人が死亡しています。そして2005年に同国で初めて確認されて以来、子どもがことさら重症化する傾向が続いています。
カンボジア保健大臣のマム・ブンヘン博士は声明の中で「子どもたちは家きんが放たれているところで遊ぶのが好きであることから最も感染しやすく危険に曝されている」「両親、保護者は子どもたちを病気の家きんや死んだ家きんに近寄らせず、万一家きんに触れたときには子どもたちに石鹸と水で手を洗わせるよう訴える」と言いました。

イタリア 養鶏業者がH7N7鳥インフルエンザに感染(2013年9月2日、REUTERS)

イタリア保健省は2日、鳥インフルエンザの発生が相次いでいる北部エミリア・ロマーニャ地区で、養鶏業の男性が鳥インフルエンザの検査に陽性反応を示したと発表しました。
イタリア当局は8月に、いくつかの養鶏場でH7N7鳥インフルエンザウイルスが確認されたために、数千羽のトリを殺処分していました。イタリアの家きんに高病原性鳥インフルエンザが最初に発生したのは2000年のことです。保健省では、この男性は汚染地域で仕事をしており、病気の家きんと接触により感染して結膜炎を発症したと述べています。
H7N7型の鳥インフルエンザウイルスは病気のトリとの直接の接触によってのみヒトに感染し、通常は結膜炎のような軽い症状を引き起こすと言っています。ヒト−ヒト感染は極めてまれです。
家きんの間で広がっているインフルエンザは現在までのところ4カ所で確認されています。そのうちの2カ所は採卵養鶏場で、約700,000羽の雌鶏を飼育しています。
当局では感染地域の周りに防御と監視の地域を定め、家きんと加工品の移動を禁止すると共に獣医による検査を続けています。

鳥インフル予防で治験用ワクチン製造へ 厚労省専門家会議が効果検討(2013年9月2日、産経ニュース)

今春、中国で相次いで確認された鳥インフルエンザ(H7N9型)について、厚生労働省の専門家会議は2日、予防効果を検討するための治験用ワクチンを製造することを決めました。H7N9型のワクチンは海外にもまだなく、国立感染症研究所(感染研)がワクチン製造に適したウイルス株の選定を進めていました。
厚労省によると、感染研は8月下旬からワクチンメーカーにウイルス株を分与。メーカーはワクチン製造に適している株かなどを検討し、年内にも治験用ワクチンを製造します。
ただ、これまでの研究では、H7N9型は抗体があがりにくい可能性が指摘されており、ワクチンを製造しても思うような予防効果が得られない可能性もあります。来年初めにも動物での実験を行い、臨床研究を行うかを検討します。
厚労省によると、H7N9型は中国と台湾でこれまでに135人が感染し、44人が死亡。約75%の症例に家禽との接触がありました。日本ではこれまでに、H7N9型の抗体を持っている人は見つかっておらず、野鳥調査でもウイルスは確認されていません。専門家会議はワクチンの大量生産や備蓄はしないが、ウイルスが変異して大流行が起きる事態に備えてワクチン開発を進めることを決めました。

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