鳥インフルエンザ(H5N1)対策情報サイト - 知っていますか?強毒性インフルエンザの脅威

信頼される安心を、社会へ。 セキュリティ・防犯・警備のセコム
 
鳥インフルエンザ(H5N1)対策情報サイト > 鳥インフルエンザ・新型インフルエンザ バックナンバー > 2013年7月

鳥インフルエンザ・新型インフルエンザ バックナンバー  ※外部サイトへリンクしています

2013年7月

WHOが新たなMERS-CoV患者の発生を発表(2013年7月30日、厚生労働省検疫所)

7月29日付で公表された世界保健機関(WHO)の情報によりますと、サウジアラビアでMERS(マーズ)コロナウイルスに感染した確定患者が新たに1人発生しました。
患者はアシール地方の83歳の男性で、7月17日に発症し、現在、入院中です。また、以前にアシール地方から報告された患者1人が死亡しました。
全体として、昨年9月からこれまでに、WHOに報告されたMERSコロナウイルスに感染したと確定された患者は91人で、このうち46人が死亡しました。
現在の状況と利用可能な情報に基づいて、WHOはすべての加盟国へ、重症急性呼吸器感染症(SARI)のサーベイランスを継続し、通常でないパターンの症例を慎重に検討するよう推奨しています。
医療従事者は、引き続き、警戒するよう勧められます。最近、中東から帰国し、SARIを発症した患者には、現在のサーベイランスに関する推奨に示されている通り、MERSコロナウイルスの検査をすべきです。
可能であれば、診断のために患者の下気道からの検体を採取すべきです。また、臨床医は、免疫不全患者では、下痢のような非特異的な症状・所見がみられた場合でも、MERSコロナウイルスの感染を考慮すべきです。
医療機関では、感染予防・制御を総合的に実施する重要性を再認識すべきです。MERSコロナウイルスの感染が疑われる患者や確定患者に医療を提供する施設では、他の患者や医療従事者、医療機関を訪れる人にウイルスが感染するリスクを減らすために適切な対策を行うべきです。
WHOは、すべての加盟国に対し、MERSコロナウイルスの新たな感染者が発生した際には、考えられる感染源と臨床経過の情報を合わせて、速やかに評価して報告するよう呼びかけています。感染様式を確認するための感染源調査は速やかに実施されるべきで、それにより、ウイルスの更なる伝播を防ぐことができます。
WHOは、この事例に関して入国時の特別なスクリーニングおよび渡航や貿易を制限することを推奨していません。
WHOは、現在の状況について事務局長に助言するため、国際保健規則に基づく緊急委員会を開催しました。緊急委員会は、WHOの全地域の国際的な専門家から構成されており、現時点の情報に基づいてリスクアセスメントを行った結果、満場一致で、国際的な公衆衛生上の脅威となる緊急事態(Public Health Emergency of International Concern: PHEIC )の要件は満たしていないと助言しました。 海外渡航時には、手洗いの励行や動物との接触を避けるなど、一般的な衛生対策を心がけていただくとともに、MERSコロナウイルスの患者が発生している国に滞在した後に、発熱や咳などの呼吸器症状が現れた場合には、検疫所にご相談ください。

A型インフルエンザ死者 サンパウロ州は昨年比4倍増(2013年7月30日、サンパウロ新聞)

ブラジル厚生省が公表したデータによると、今年これまでにサンパウロ州でA型インフルエンザ(H1N1)に感染して死亡した患者数が昨年1年間の死亡者数の4倍以上にも上ることが明らかになりました。26日付フォーリャ紙(ウェブ版)が報じたものです。
この調査は今年初めから7月6日までのデータに基づいており、同期間の死亡者数は324人でした。一方、サンパウロ州における昨年1年間の死亡者は73人だったことから、厚生省は同州でのインフルエンザ対策として1390万レアルを充当することを発表しました。なお、ブラジル全体では今年これまでに466人が死亡しているといいます。
病理検査の大手フレウリ社の感染病専門医セルソ・グラナト氏は、インフルエンザの流行は通常6月上旬の気温が低くなる時期に始まるが、今年は5月上旬から冷え込みが始まったため流行の時期が早まったと説明しています。予防策としては、マスクの使用とアルコールジェルでの手の消毒、人込みを避けることなどが挙げられています。
また、ワクチン接種により肺炎の入院患者数が32〜45%減少し、全死亡率も39〜75%減少しているという研究結果が出ています。高齢者の場合は、肺炎にかかる危険性が約60%、入院及び死亡する危険性も50〜68%減少するということです。
予防接種は世界保健機関(WHO)の勧告に従い、呼吸器疾患が悪化しやすいとされるグループが優先されており、重度の卵アレルギーのある人のみ接種不可となっています。

ネパール 多数のH5N1集団感染が発生(2013年7月29日、CIDRAP)

新しい会計年度に入ったネパールでは、最初の13日間で新たに12件のH5N1鳥インフルエンザの集団感染が報告されました。(訳注:ネパールの会計年度は毎年7月半ばから始まります。今年の会計年度は7月15日から来年の7月14日までです)首都カトマンズからの報告を中国国営新華社通信が伝えています。
鳥インフルエンザが発生した地域(バクタプル、マハデフスタン、キルティプル、ラムコット、ナイルカップ)では約6,000羽の鶏が殺処分され、ほぼ同数の鶏が病気で死にました。さらに4,000kgの飼料と8,000個の鶏卵が感染拡大防止のために処分されたと伝えています。 ポカラ(カトマンズの西にある観光都市)に近い2つの農場でも家きんに鳥インフルエンザが発生しているとの報告があり、当局により数百羽の鶏が殺処分されています。
レポートには、死んだ鶏は通常オープンな場所で処分される、とあり公衆衛生に脅威をもたらします。当局はこの行為をやめて埋設するよう市民に警告を行なっています。
ネパールでは2008年に初めてH5N1の家きんへの感染が発生しました。2012年から2013年にかけての会計年度には24件の集団感染が報告されています。

WHO 新たに7人のMERS-CoV患者と1人の死亡例を発表 (2013年7月26日、WHO)

サウジアラビア保健省(MOH)は、7人の中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)患者の新たな発生と、以前報告のあった患者1人が死亡したことを発表しました。
このうち4人はリヤドの患者と東部地区の患者との接触者の中から確認されました。4人の感染者は7歳から15歳までの年少者で全員が症状のない無症候例です。これ以外の感染者の2人も無症候であり、東部地区とアルアフサの女性の医療従事者です。7人目の感染者は東部地区の50歳の女性です。現在肺疾患で病院に入院していますが、症状は安定していると思われます。
さらにMOHは、以前報告した東部地区の患者が死亡したと発表しました。(6月23日に報告のあった32歳の男性) これにより2012年9月以降世界で確認された患者数は77人となり、このうち40人が死亡したことになります。
WHOはこれまでに以下の中東の国々を起源とする患者の報告を受けました。ヨルダン、カタール、サウジアラビア、それにアラブ首長国連邦(UAE)、フランス、ドイツ、イタリア、チュニジア、そしてイギリスも患者確認の報告をしています。患者は治療のために移送されたか中東から帰国して発病しました。フランスとイタリア、チュニジア、イギリスでは、中東への旅行経験のない人々で、患者と濃厚接触のあった人々の間にも限定的な感染がありました。

インディアナ州とオハイオ州が新たなH3N2v患者の発生を報告(2013年7月26日、CIDRAP)

インディアナ州とオハイオ州は先週、変異型H3N2(H3N2v)の患者がそれそぞれ1人ずつ確認されたことを報告しました。CDC(疾病予防管理センター)が26日の週間FluViewで発表したものです。
新たに2人の患者が確認されたことにより、今年の合計患者は14人になりました。またオハイオ州では今年初めての患者です。残りの13人は全てインディアナ州で確認されています。この2つの州は昨年断然多くの患者が発生しました。全米で確認された309人の患者のうち138人がインディアナ州で、107人がオハイオ州で発生しました。ちなみに2012年に3番目に患者数が多かったのはウィスコンシン州の20人です。
CDCは「現時点では持続的なヒト−ヒト感染は確認されていない。また14人全員が発病前の週にブタとの接触があったことが報告されている」と述べています。当局ではH3N2vがヒトとブタの間でどれだけ広がっているか調査を続けており、「調査を続けている以上、更なる患者が確認されるかもしれない」と付け加えました。
少なくとも今年インディアナ州で確認された患者の幾人かはカントリーフェア(郡の農業共進会)に参加し、ブタと接触していました。

南アフリカ 3400羽のダチョウにH7N7(2013年7月26日、CIDRAP)

OIE(国際獣疫事務局)の発表によると、南アフリカ当局は25日、6カ所の農場で合計3,400羽のダチョウがH7N7低病原性鳥インフルエンザに感染したと報告しました。 感染したトリの数は、2つの小さな農場ではそれぞれ1羽ずつだったのを初めとして3,907羽を飼育していた農場では2,344羽が感染しました。6カ所の農場合計では9,374羽のダチョウを飼育しており、感染率は36%になりました。感染が始まったのは全て5月でした。OIEはこの地域で続いていたH7N1の発生をフォローアップしている最中に、H7N7の発生が確認されたと述べています。

WHO MERSに関連した旅行のアドバイスを発表(2013年7月25日、CIDRAP)

WHOは25日、慢性疾患を持つ患者と、MERS(中東呼吸器症候群)患者が最も多く発生しているサウジアラビアに巡礼に行く人たちに対して、かかりつけの医師に相談するようアドバイスしました。
WHOは、旅行に行くことでの危険性は「非常に低い」として数百万人がサウジアラビアを訪れるというイスラムの小巡礼(ウムラ)、大巡礼(ハッジ)の期間中の旅行制限や国境での入国管理の強化は推奨していません。リコメンデーションは、旅行に伴う感染を予防するための定められた措置をきちんと認識させることに焦点をおいています。
一方サウジアラビア当局は25日、新たに1人のMERS患者が発生したことと、以前報告のあった患者1人が死亡したことを発表しました。 新たな患者は南西部のアシルに住む83歳の男性とだけ伝えており、詳細は不明です。今回の新たな患者の発生と死亡が確認されるとサウジアラビアのMERS患者は71人となり死亡者数は39人になります。
イスラム教の聖なる月であるラマダン期間中(今年は7月9日から8月7日)にはウムラ(小巡礼)のために巡礼者がサウジアラビアに集まってきます。そして10月のハッジ(大巡礼)(今年は10月13日から18日)にはさらに多くの旅行者が訪れます。
2週間前サウジアラビア保健省(MOH)は、年配者(65歳以上)、慢性疾患患者、子ども、妊婦はMERSの危険性があることから、今年は巡礼には行かないようアドバイスを行ないました。メディアは政府がこれらの人々にはビザを発行しないことを伝えました。また政府は旅行者に対して混雑した場所ではマスクを着用するよう勧めました。
25日の声明によりWHOは先週の約束を果たしています。WHOの特別緊急委員会が、MERS-CoVの状況はまだ国際的な公衆衛生上の非常事態にまでは至っていないと結論付けたことを発表した際に行なった約束です。WHOのガイダンスは巡礼者が訪れる国の政府へのアドバイスで構成されていますが、サウジアラビア保健省の警告のレベルには届いていません。
WHOは声明の中で「現時点では、個々の巡礼者がMERS-CoVに感染するリスクは極めて低い」と述べています。
しかし、ガイダンスは慢性的な健康問題を抱える人々に対しては警鐘をならしており「以前から医学的な問題を抱えている人々(例えば糖尿病、慢性肺疾患、免疫不全などの慢性疾患)は旅行中にMERS-CoV感染を含むさまざまな病気の危険性が増加しうることから、旅行に出発する前に医療機関に相談し、危険を再確認するとともに巡礼に出かけるべきかどうかの評価してもらうよう、各国は巡礼者に対してアドバイスすべきである」とも言っています。
WHOはまた、各国の政府が巡礼に出かけようとしている人々や旅行代理店に対して、手洗いや食品の安全、個人の衛生管理、動物との不要な接触の回避などの一般的な旅行時の予防措置についてのガイダンスを提供すべきであると言いました。このような保健衛生上の注意点は旅行代理店のオフィスや空港などの重要な場所に掲示しておくよう勧めています。
そのほかWHOの主なアドバイスは以下の通りです。
・ 開業医と医療施設はMERS-CoVの感染コントロールと治療方法に関するWHOもしくは自国のガイドラインを備えておかなくてはならない。
・ 巡礼者に同行する医療関係者はMERS-CoVに関する情報とガイダンスに関する最新の知識を持っていなくてはならない。
・ 巡礼から戻った後2週間以内に発熱や咳を伴う呼吸器疾患が見られた場合には、医学的な監視を行う必要がある。
・ 重大な呼吸器疾患を発症した帰国者と接触があり、同様の症状が出ている人々については地元の保健当局に報告し、当局によってMERS-CoVの監視が行われなくてはならない。
・ 各国は病気の旅行者を航空機や船舶上、そして入国管理所においてチェックできるよう、定められた方策が確実に行なわれるようにしなくてはならない。

コウモリからMERS-CoVに最も近い新しいウイルスを発見(2013年7月23日、CIDRAP)

南アフリカのコウモリの糞から見つかった新しいコロナウイルスが、これまで見つかっているウイルスよりもMERS-CoVにより近いウイルスであるという研究結果が発表され、MERS-CoVの発生源がコウモリではないかとの見解が脚光を浴びています。
この研究はEmerging Infectious Diseases(新興感染症)誌に掲載されたものですが、ヒトにMERS-CoVを感染させている動物が何なのかというミステリーは解決していません。しかし研究チーム(ボン大学といくつかの南アフリカの研究機関)は、この発見はヒトのウイルスの原種がアフリカのコウモリの体内で進化したことを示唆していると述べています。
この科学者チームは以前、MERS-CoVはヨーロッパのPipistrellusという種類のコウモリから見つかったコロナウイルスに非常に近いということを発見しました。彼らは今回新たに発見したウイルスはPipistrellusのウイルスよりも遺伝的によりMERS-CoVに近いと言っています。

鳥インフルH7N9型は鳥類に病原性持たず、人体で変異し感染力強まる=中国研究チームが発表(2013年7月22日、新華経済)

中国農業科学院ハルビン獣医研究所のチームがこのほど、鳥インフルエンザウイルス「H7N9」型は鳥類に対しては症状を引き起こす病原性を持たないが、人体に入って変異すると哺乳類に対して病原性を持ち、感染力が強まるとする研究結果をまとめ、19日、米サイエンス誌で発表しました。人民網が伝えたものです。
H7N9型は今年2月以降、中国国内で132人が感染し、うち43人が死亡しました。このウイルスはかつて人から検出されたことがなかったため、科学、公共衛生分野でその特性について大きく注目されています。
研究チームが家禽(かきん)とマウスで人から検出したH7N9型ウイルスの病原性を調べたところ、マウスは重い症状が出て体重が30%減少した後、死にました。
研究チームを率いた陳化蘭氏は「H7N9型は鳥類に対して病原性がなく、感染が分かりにくい分、人に感染して突然変異しやすく、人の間で感染力が強くなる。世界はH7N9型への警戒を怠らず、変異の状況に注目して研究や対策を強化する必要がある」と訴えました。

OIE(国際獣疫事務局) ラクダがMERS-CoVの感染源である可能性を軽視(2013年7月22日、CIDRAP)

ヒトへのMERS-CoV(中東呼吸器症候群コロナウイルス)の何例かに関しては、感染源はラクダではないかという疑いが持たれ続けてきました。しかしOIE(国際獣疫事務局)は22日、そのような関連を示す証拠はほとんどないと述べました。
一方WHOは21日、サウジアラビアから報告のあった41歳の男性と59歳の女性の2人の最新のMERS-CoV患者を確認しました。2人とも病院の集中治療室に入院しています。
これまでウイルスの感染源となる動物は特定されていません。しかし何人かの患者は発病前、ラクダとの接触があったことが報告されています。例えば、UAEを訪れた後、MERS-CoVの治療をドイツで受けたドイツ人医師は発病する前に病気のラクダと密接な接触をしていたことを4月に発表しています。73歳のこの男性は競争用のラクダを所有しており、帰国後ドイツで治療を受けましたが3月26日に死亡しました。
しかしOIEは22日、「Q&A」を報道発表し、ラクダとの関連を軽視しました。
「現時点でMERSのヒトへの感染においてラクダが感染源であることを示唆する強力な証拠はない」「MERS-CoVはラクダからは確認されていないほか、現在得られている情報ではラクダへの曝露が重大な危険因子であるとの示唆はない。多くの証拠が得られるまでは感染源として考えられる全ての可能性に心を開いておくことが重要だ」と述べています。
アメリカ、オランダ、その他の国々の科学者は現在MERS-CoVの宿主を確認するために動物から採取したサンプルの検査を続けています。しかし今のところ確定した知見は報告されていません。
OIEは、サンプルの検査はウイルスそのものを発見する目的で行なわれるべきであり、 抗体を見つけるために行なうべきものではない。なぜならウイルスの血清抗体価の検査は「動物ではこれまで行われていないことから信頼できないと思われる」からであると述べています。OIEではMERS-CoVの抗体と他のコロナウイルスの抗体は識別することができないために擬陽性の結果が生ずることがあると言っています。

◆サウジアラビアの患者に曝露は見られず
サウジアラビアで確認された最新の2人の患者についてWHOは、どちらの患者も他のMERS-CoV患者や動物との接触歴はなかったと発表しました。声明は2人とも基礎疾患があったと伝えていますが、これは他の多くのMERS患者の特徴と一致するものです。
2人の患者が発生したことによりWHOのMERS患者の集計数は90人となり、死亡者は45人となりました。
WHOでは21日の声明では旅行に関する新たなリコメンデーションは発表していません。先週WHOはこのようなリコメンデーションを近々発表する予定であると約束していました。この約束は、MERSはまだ国際的な懸念への公衆衛生非常事態を宣言するまでには至っていないとのWHOの特別諮問委員会による結論に引き続いて発表されました。
一方ヨーロッパ疾病予防管理センター(ECDC)は、7月19日の最新版のリスクアセスメントで、ヨーロッパへのMERS患者の移入の危険性は変わっておらず、散発的に患者が入ってくることは引き続きありそうだと述べました。
移入されたケースは今年、イギリス、フランス、イタリアで見つかりました。また数人の患者が治療のために中東からドイツに移送されました。イギリス、フランス、イタリアでは数名の人々に感染が広がりましたが、持続的な感染までには拡大しませんでした。
「EU内での二次感染の危険性は低いレベルに止まっており、呼吸器症状を呈する患者やその接触者の周辺で曝露があったかどうかのスクリーニングと、調査対象となっている患者に対する感染予防管理対策の厳格な実施により、更に減らすことができるだろう」と述べています。
また、ECDCは、ほとんどのMERS患者が男性で年長者であることについて(ほとんどの患者はサウジアラビアで見つかっているが、男性が女性よりも多い)可能性のある部分的な説明を提供しました。
「サウジアラビアの人口は女性よりも男性の方が多いということに注目することが重要である。(男:女=1.21:1)このゆがんだ男女比率は25歳〜54歳の世代で最も加速されており男:女=1.36:1となっている。中東地域でのケアを探したり受けたりする行動の性差が関係している可能性がある」と言っています。
患者の男女比と年齢構成は最近になって若干変化してきています。綿密な調査により女性の患者や若い患者が見つかってきています。ECDCは先週までに確認された88例のうち62%は男性で年齢の中央値は51歳であると言っています。

河北省で初の鳥インフル感染=中国(2013年7月21日、時事通信)

新華社電によると、中国河北省衛生庁は20日、同省廊坊市の女性(61)がH7N9型鳥インフルエンザに感染したと確認しました。河北省での感染者は初めてです。中国本土の感染者は134人となり、このうち死者は43人です。
女性は14日に重い肺炎と診断され、18日に北京の病院に移り、H7N9型の感染が確認されました。危篤状態だということです。

WHO 南米、南アフリカでインフルエンザが活発化(2013年7月19日、CIDRAP)

WHOは19日、南米大陸と南アフリカでインフルエンザの活動が「著しく」活発化していると発表しました。他方それ以外の地域でもあちこちで若干の増加が見られます。
WHOの最新の週報によると熱帯地域に属する南米の大部分の国では、呼吸器疾患の原因ウイルスはH1N12009ウイルスがRSウイルスの数を追い抜きました。南米の温帯地域でもインフルエンザウイルスのパーセンテージが高くなってきていますが、まだRSウイルスの方が主流となっています。
WHOが高いレベルもしくは比較的高いレベルの流行を報告している地域は他にインド、ベトナム、キューバ、ドミニカ共和国ですが、キューバとドミニカ共和国では減少傾向にあると伝えています。また、コスタリカ、エルサルバドル、ナイジェリアではインフルエンザは増加し始めており、オーストラリアやニュージーランドなどのオセアニア地域ではいまだに低いレベルに止まっています。北半球では予想通り休止期のレベルとなっていると述べています。

鳥インフル元重症患者が出産、世界初か 中国(2013年7月19日、AFP)

中国東部の江蘇省で17日、鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)感染で一時重体だった女性(25)が女児を出産しました。国営紙・環球時報が19日、「奇跡」として報じました。鳥インフルエンザ元患者の出産は世界初とみられます。
この女性は、妊娠5か月だった今年4月にH7N9型ウイルスへの感染が確認されました。容体は非常に深刻で、集中治療室で5週間にわたって抗生剤、抗ウイルス剤の投与、ホルモン療法が行われたということです。主治医によると特に肺の感染症状がひどく呼吸困難を起こしており、人工呼吸器と毎日のX線検査が必要だったといいます。
女性は5月に集中治療室を出ましたが、17日に出産するまで入院していました。生まれた女児は体重3300グラム、身長50センチで、母子ともに状態は安定しているといいます。
主治医は「奇跡だ」とコメントしたうえで、女児にH7N9型ウイルス感染の影響がないかどうか、定期的な検査が必要だと述べたと、環球時報は伝えています。

新たなMERS患者を確認 UAE4人、サウジアラビア2人 (2013年7月18日、CIDRAP)

新たに6人のMERS-CoV(中東呼吸器症候群)の患者が確認されたとの報告が18日にありました。そのうち4人はアラブ首長国連邦(UAE)で働く比較的若い医療従事者で、別のMERS患者の看護に当たっていました。他の2人はサウジアラビア人です。 この報告は、WHOが召集した専門家委員会が、MERSの状況は重大な懸念となっているが国際的な公衆衛生上の非常事態にはまだ至っていないと結論付けた翌日に発表されました。
WHOは声明を発表し、UAEの4人患者の確認を報告しました。声明なかでサウジアラビア保健省(MOH)が17日報告した2人の患者についても確認しています。UAEの患者は2カ所のアブダビの病院の医療従事者でMERS患者の看護の手伝いをしていたと言っています。
4人のうちの2人(28歳の男性と30歳の女性)は病気の症状は出ませんでした。他の2人(30歳と40歳の女性)は軽い上気道の症状だけで状態は安定しています。
MOHの短い発表によればサウジアラビアの2人の患者はリヤドに住む41歳の男性とアルアフサの59歳の女性で、2人とも集中治療室で治療をしていると伝えていますが、2人の職業や考えられるウイルスへの曝露については全く情報が伝えられていません。
MOHが17日発表した2人のサウジアラビア人患者については、WHOの声明に新たな情報の追加はありません。この2人はMERS患者と濃厚接触のあった26歳の男性と42歳の女性の医療従事者です。2人とも南西部のアシルに住んでいます。17日のMOHの発表では2人とも入院はしていないと伝えました。
今回6人の患者が確認されたことにより、非公式ではありますがMERS患者の合計数は90人となり死亡者は45人となりました。WHOの集計はまだサウジアラビアの2人を加えておらず、合計患者数88人で死亡者数45人となっています。このうちサウジアラビアで記録された患者数は70人で死亡者数は38人です。
UAEでは新たな4人の患者が確認されたことにより国内の合計患者数が6人となりました。先週報告のあった82歳の男性と、治療のためにドイツに運ばれて3月に死亡したUAE人の2人が含まれます。このほかにフランス人の65歳の男性は、UAEを旅行した後3月にMERSを発病しました。
この2日間で8人の患者の報告がありましたが、最近の傾向としてWHOが先週注目した患者の若年化と軽症化、女性の比率の増加の傾向がそのまま続く形になっています。特に8人の無症候患者が6月下旬に報告されましたが4人は女性の医療従事者で他の4人は子供でした。全員がサウジアラビアの患者です。
最新の非公式集計患者数の90人と死亡者数45人は致死率50%を意味し、7月9日に発表されたMERSの状況に関する概要でWHOが報告した56%よりも低くなっています。
この報告でWHOは、ヒト−ヒト感染で罹患した場合はヒト以外の感染源から感染した場合に比べて症状が軽いように見えると述べています。WHOではこの現象がサーベイランスや患者発見努力のアーチファクト(夾雑物の混入)なのかそれともヒト以外の感染源から感染した場合には重症化するということを意味するのかははっきりしないと言っています。

感染研、鳥インフルエンザA(H7N9)患者搬送における感染対策を公表(2013年7月17日、日経BP)

国立感染症研究所は16日、今冬の流行が危惧される鳥インフルエンザA(H7N9)患者を搬送する際の感染対策をまとめ、ホームページで公開しました。搬送を担当する人が、「標準予防策・接触感染対策・飛沫感染対策・空気感染対策を必要に応じて適切に実施し、患者に対して過度な隔離対策をとらないように適切に判断すること」が基本的な考え方となっています。
患者搬送における感染対策は、鳥インフルエンザA(H7N9)患者、搬送従事者、搬送に使用する車両、その他から構成されます。
搬送は、一般医療機関において、鳥インフルエンザA(H7N9)患者が確認された場合を想定しています。
例えば、鳥インフルエンザA(H7N9)患者(疑似症患者も含む)については、「気管挿管されている場合を除いて、患者にはサージカルマスクを着用させる」としました。呼吸管理下にある患者に対しては、「感染対策に十分な知識と経験のある医師が付き添う」としています。また、自力歩行が可能な患者については、「歩行を許可し、車いす、ストレッチャーを必要に応じて利用し車両などで搬送する」と明記しました。搬送の際は、車両などの内部に触れないよう患者に指示をすることも盛り込んでいます。
要となる搬送担当者については、自らが感染する危険があることに配慮、全員がサージカルマスクを着用するよう求めました。また、搬送中に患者のそばで観察や医療に当たる者については、湿性生体物質への暴露がありうるとし、眼の防御具(フェイスシールドまたはゴーグル)、手袋、ガウンなどの防護具を着用することとしました。気管挿管や気道吸引の処置などエアロゾル発生の可能性がある場合には、空気感染対策としてN95マスクもしくは同等以上のレスピレーターを着用することも明記しています。
搬送に使う車両(船舶や航空機も含む)については、搬送従事者や患者がそれぞれ必要とされる感染対策を確実に実施している限り、患者搬送にアイソレーターを使う必要はないと言及しました。また、患者収容部分と車両などの運転者や乗員の部位は仕切られている必要性はない、としつつも、可能な限り患者収容部分は独立した空間とすることを求めています。
このほか、(1)搬送に当たっては患者家族等は車両に同乗させない。船舶や航空機の場合はケースバイケースで判断する、(2)搬送後に感染が明らかになった場合は、搬送時の感染対策が十分だったかどうかを検証する。その上で不十分だったと考えられる場合は最寄りの保健所に連絡したうえで、搬送従事者は「積極的疫学調査ガイドライン」等に従った健康管理を受ける、などが明示されました。

【関連サイト】 鳥インフルエンザA(H7N9)患者搬送における感染対策(国立感染症研究所)

新型ウイルス対策で巡礼ビザ発給制限へ、サウジアラビア(2013年7月17日、AFP)

フランス保健省が16日、明らかにした情報によると、サウジアラビア保健省は、中東呼吸器症候群(Middle East Respiratory Syndrome、MERS)対策のため、年に1度行われるイスラム教のメッカ巡礼(大巡礼)や、その他の期間に行われる小巡礼のために同国を訪れる人向けのビザ発給を制限する意向だということです。
医師らに出された仏保健省からの緊急通達によれば、巡礼ビザ発給の制限対象となるのは、高齢者(年齢範囲は指定なし)、妊娠中の女性、子ども、および慢性的な持病、とりわけ心臓病、糖尿病、呼吸器疾患、腎臓病、免疫システム不全の罹患者などで、今年はこうした対象者にビザを発給しない方針。通達はサウジアラビア保健省を監督する保健総局が発行しました。
世界保健機関(World Health Organization、WHO)によると、MERSによる死者は世界全体でこれまでに45人で、うち38人がサウジアラビア国内で死亡しています。

WHO 中東呼吸器症候群(MERS)による非常事態宣言を見送り(2013年7月17日、CIDRAP)

WHOのフクダ・ケイジ事務局長補は報道陣に対し、MERSによる公衆衛生上の世界的な非常事態宣言を行なうことは現時点では有害無益となるだろうと述べました。
MERS-CoV(中東呼吸器症候群コロナウイルス)の状況は「深刻であり重大な関心事」ではあるものの、世界的な非常事態のレベルにまでは至っていないと判断し、WHOが組織した専門委員会が17日に決定したものです。
委員会は非常事態を宣言するという「劇的な行為」はふさわしくないと感じ、効果よりも害の方が多くなるかもしれないと判断したとフクダ氏は述べています。委員会が全員一致で下した判断です。
また記者会見においてフクダ氏は、WHOはMERS-CoVに関連して旅行の制限を勧奨する計画はもっていないが、数日以内に旅行に関するいくつかのアドバイスを纏める予定であると述べました。
このWHOの声明はサウジアラビア当局が新たに2人のMERS-CoV患者の確認を発表した数時間後に出されました。2人とも軽症です。2人はそれぞれ26歳のサウジアラビア人男性と42歳の女性の「住民」で、2人とも南西部のアシルに住んでいると伝えています。
サウジアラビア保健省(MOH)は声明の中で、男性は以前発表された患者との接触者で、女性の方は医療機関で働いていたと伝えました。2人とも入院はしていません。
以前報告のあったアシルのMERS患者は66歳の男性でMOHから7月8日に発表されました。MOHは過去数週間で1460人の人々のウイルス検査を実施したと述べています。
アメリカCDC(疾病予防管理センター)によると、今回発表された2人を加え、これまでに確認されたMERS患者数は合計は84人となり、45人が死亡したことになります。(WHOはまだ今回の2例を発表していません)合計患者数のうちの68人と死亡者数のうちの38人がサウジアラビアで発生しています。

中東呼吸器症候群、新感染症か検証- 新型インフル等特措法に該当か判断で (2013年7月16日、CB NEWS)

アラビア半島諸国を中心に発生が報告されている中東呼吸器症候群(MERS)が、新型インフルエンザ等対策特措法に該当するかどうかについて、政府の担当者は16日、東京都内で開かれた都道府県担当者会議で、新感染症に該当するかを検証し、最終的な判断を行うとの考えを示しました。
同日開かれた会議では担当者が、MERSの発生状況などについて、昨年9月以来、サウジアラビアやヨルダン、アラブ首長国連邦などのアラビア半島諸国を中心に発生していることや、7月9日の時点で80人が感染し、このうち45人が死亡していることを報告。感染源は現時点で不明としながらも、「濃厚接触者間での限定的なヒト―ヒト感染がある」と指摘しました。
さらに、厚生労働省が地方自治体を通じて、MERSの症状を示す患者の情報提供を医療機関に依頼したことや、地方衛生研究所に検査キットを配布し、検査体制の整備を進めている現状を解説。また対策として、アラビア半島諸国への渡航者や、同諸国からの帰国者に対する、検疫所のウェブサイトやポスターを通じた注意喚起のほか、WHOなどを通じた情報収集、国民への情報提供などを挙げました。
MERSが新型インフルエンザ等対策特措法に該当するのかとの質問に対し、担当者は「まずは新感染症に当てはまるかを見ていく」と説明。未知の感染症などに当てはまるかどうかを検討した上で、最終的に決めるとの見通しを示しました。

UAE 82歳の男性がMERSを発症(2013年7月12日、CIDRAP)

アラブ首長国連邦(UAE)の82歳の男性が中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)に感染してアブダビの病院に入院しました。診断と治療がともにUAE国内で行なわれるのは初めてのケースとなります。
UAEの国営通信社Wamは、この男性は以前から多発性骨髄腫で治療中の患者だったと伝えました。
これにより世界のMERSの患者数は82人となり、45人が死亡したことになります。
ほとんどの患者はサウジアラビアから報告されてきましたが、1人のUAE人は3月の下旬にドイツで診断を受け治療した後に死亡しました。その患者は73歳の男性で基礎疾患を持っていました。
65歳のフランス人はUAEを旅行した後フランスに帰国し、5月に死亡しました。
一方サウジアラビア保健省は12日、ウムラ(小巡礼)とハッジ(大巡礼)に巡礼を行なう人々のための保健衛生上のアドバイスを更新しました。
保健省は、年長者と心臓病や腎臓病などの基礎疾患のある人々は、MERS-CoVが発生していることを踏まえて、予防措置として今年は、巡礼に訪れるのを延期するよう強く勧めました。また妊娠中の女性と子どもたちも巡礼を延期するよう勧めています。
今年の初め、政府は国内外のイスラム巡礼者に対し、メッカのグランドモスクが改修工事中であることを理由に、今年はハッジ(大巡礼)、ウムラ(小巡礼)に来訪するのを延期するよう要請していました。この動きは、政府が要請した背景にはMERSの影響があるのではないかとの憶測を生みます。

カンボジア 3歳の男児がH5N1鳥インフルエンザに感染(2013年7月12日、CIDRAP)

中国国営新華社通信の報道によれば、カンボジア東部のプレイベン省で3歳の男児がH5N1鳥インフルエンザに感染したとのことです。今年に入ってカンボジアでの感染者は14人となります。
WHOとカンボジア保健省は7月12日の共同声明で、この子が7月8日に発熱と咳、呼吸困難を訴えてプノンペンのカンタ・ボファ病院に入院し、7月10日にH5N1ウイルスの検査で陽性が確認されたと伝えています。声明は「病院でタミフルによる治療が行なわれ、現在の容態は安定している」と言っています。
この子が住んでいる村では家きんが死んでいるのが報告されており、この子も「発病前に病気で死んだ家きんとの接触があったようだ」付け加えています。
カンボジアで今年確認された14人のH5N1患者のうち9人が死亡しています。2005年以降35人のH5N1患者が発生し、28人が死亡しました。カンボジアのH5N1患者数は世界で5番目ですが、今年は第1位の多さになっており、第2位のエジプトは4人です。

WHO 新たなMERS-CoV患者と死亡例を発表(2013年7月11日、WHO)

WHOは11日、サウジアラビアで新たな中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)の患者が確認されたと発表しました。 患者はアシル地区の66歳の男性で、基礎疾患があり現在重体となっていますが容態は安定しています。
またこれとは別に、以前報告のあったカタール人でイギリスで治療していた患者が6月28日に死亡したと発表しました。これにより昨年の9月以降確認されたMERS-CoVの患者数は合計81人となり、45人が死亡したことになります。

チリ H1N1インフルエンザで33人が死亡(2013年7月10日、新華社)

チリの保健省は10日、今年に入ってAH1N1型インフルエンザで33人が死亡したと発表しました。このうちの12人はこの数週間で亡くなっっており、北部のタラパカ地区で発生しています。
これだけの死亡者が出ているにもかかわらずJaime Manalich保健相は、流行は抑えられていると言っています。
Manalich 氏は記者会見で「10日現在、流行は抑えられているようにみられる。私はこのことを細心の注意をもって伝える。第27週の疫学データでは、深刻な数の新規患者は発生していない」と述べました。
「現在イキケの病院の集中治療室に3人のインフルエンザ患者が入院している」「インフルエンザで外来を受診する患者の数は前回よりも25%下がった」と付け加えています。
チリ北部でのH1N1型の流行とはうらはらに、冬季シーズンを迎えている南アメリカの各地では他の型の季節性インフルエンザも発生しており、住民に警戒感を与え、大規模なワクチンキャンペーンに発展しています。
北部の砂漠地域での平均患者数はその他の地域の平均患者数の25人よりもかなり高く、タラパカでは160人となっています。

H7N9、日本人に免疫なし 中国で広がった鳥インフル(2013年7月11日、朝日新聞)

中国で人への感染が広がった鳥インフルエンザ(H7N9)ウイルスに対し、すべての年代の日本人に免疫がないことが東京大と国立感染症研究所などの研究でわかりました。日本に上陸すると被害が大きくなる可能性が高いことを示す結果で、11日付英科学誌ネイチャー電子版に発表しました。
2009年に世界的大流行を起こしたH1N1型ウイルスに対し、中高年以上の人はある程度の免疫を持っていました。ところが研究チームが、10〜12年に採取された血液を使って日本人の免疫を調べたところ、0歳代〜90歳代の500人全員がH7N9型に対する抗体を持っていませんでした。
また半数が死ぬ量のウイルスをマウスに感染させて抗ウイルス薬を投与する実験では、タミフルやリレンザ、イナビルを投与されたマウスは、死ななかったものの体重が2〜4割も減少。人でも効きにくいかもしれないことを示す結果となりました。承認申請中の新薬T705を投与されたマウスの体重は減りませんでした。
チームの河岡義裕・東大医科学研究所教授は「09年のH1N1型は、成人に多少は免疫があったので重症化する人も限られていた。H7N9型に対しては誰も免疫がないため、重症化する恐れがある。秋以降、また人への感染が起こるかもしれないので、注意深く状況を調べる必要がある」と話しています。

中国 H7N9患者は132人、死亡者は43人に(2013年7月10日、新華社)

中国保健当局は7月10日、H7N9鳥インフルエンザの中国国内での患者数が132人となり、このうち死亡者は43人になったと発表しました。
全患者のうち85人は治療後に病院から退院しました。国家衛生・計画生育委員会によれば、残りの患者は現在も病院で治療中であるとのことです。H7N9感染者の発生は10カ所の省の40の市に及んでいると声明は伝えています。
先月中国東部の江蘇省で新たに1人の患者が確認されましたが既に回復していると付け加えています。

南米、アフリカでインフルエンザ患者が増加(2013年7月10日、CIDRAP)

インフルエンザの活動度は本格的な冬の到来と共に南アメリカとアフリカ南部の温帯地域で、この数週間「かなり増加」しました。WHOが7月5日付けの情報を今週に入ってからWebサイトで発表したものです。
WHOの発表によれば、南アメリカでは全般的な呼吸器疾患が多く、増加しています。引き続きRSウイルスが主体となっていますが、インフルエンザウイルスの割合が増加してきています。2009H1N1とH3N2の両方が流行しています。
南アフリカでは、シーズン開始となった4月の下旬からインフルエンザとともに一般的な急性呼吸器疾患が増加しました。2009H1N1ウイルスが主流ですが、H3N2の流行も見られています。
対照的にオーストラリア、ニュージーランド、太平洋諸島ではインフルエンザの流行は低いレベルに止まっています。
一方、アジアの多くの熱帯地域ではインフルエンザの患者数は減少しました。ただしスリランカとベトナムでは「比較的高いレベル」の流行が続いているとWHOは報告しています。
中央アメリカとカリブ海地域では、大部分が流行は低いレベルであるか変わりない状況ですが、キューバとドミニカ共和国では活発な流行が報告されているほか、コスタリカ、エルサルバドル、パナマでは患者数の増加が始まっています。
北半球の温帯地域では非流行期の低いレベルに落ち着いています。

WHO 最近のMERS患者の動向に変化のきざし(2013年7月9日、CIDRAP)

WHOは7月9日、最近のMERS-CoV患者の傾向として軽症の患者が増えてきていること、低年齢化してきていること、女性の比率が増えてきたことを報告しました。しかしこれが何を意味するのかについては正確には分かっていません。
この報告はサウジアラビア保健省(MOH)が新たな患者の発生を確認したとの報告に続けて発表されました。新たに確認された患者は南西部のアシル州の66歳の男性で、落ち着いた状態にあるとのことです。これによりサウジアラビアでのMERS-CoV(中東呼吸器症候群コロナウイルス)の患者数は66人となり、このうち38人が死亡したことになります。
また、MOHは別の患者が回復したことも発表しました。この患者は北東部のハフルアルバティンで医療従事者として働いている女性です。この女性はWHOが2日前に発表した症例と明らかに同じ患者と思われます。WHOはこの女性の年齢を56歳と発表しました。
WHOが9日発表した最新の集計データによると世界のMERS-CoV患者の合計は80人となり45人が死亡しています。これにはサウジアラビアの最新の患者は含まれていません。また7月7日にWHOが発表した人数よりも死亡者数が1人増えています。WHOのグレゴリー・ハートル広報官は、死亡者数が増加したのは、昨年9月からロンドンで治療していたカタール人の患者が先週死亡したためと説明しています。

◆無症候患者(感染しても症状の出ないケース)
WHOは、6月20日の前回のサマリー発表以降サウジアラビアから16人の新たな患者が報告されているがこのうちの8人は無症候患者だったと述べました。無症候患者のうちの4人は女性の医療従事者で、それ以外の4人はMERS患者と接触のあった子どもたちでした。
現時点で確認されている80人の患者のうち45人(56%)が死亡しています。また、性別が分かっている75人の患者のうち49人(64%)が男性であり、年齢の中央値は51歳であるとWHOは報告しています。
WHOが前回サマリーを発表した6月20日の時点では致死率は59%(64人中38人が死亡)でした。今回の56%よりも僅かに高めでした。また前回は患者の72%が男性と報告されていました。
「最近の無症候例や軽症例の報告によりMERS-CoVによる死亡患者の割合は以前より低下してきている。平均年齢においても同様である。また女性患者の割合は増加している。これらのケースが重症患者の周辺で行なわれた接触者調査の一部で確認されたことは注目に値する」とWHOは言っています。
集団感染の最初の患者はおそらく人間以外の感染源からウイルスを捉えたようであり、そしてその大部分は男性であったと述べています。レポートは更に「接触者の中から見つかる比較的軽症な例は、サーベイランスの強化や患者発見努力によるアーチファクト(夾雑物の混入)なのか、それとも人間以外の感染源から感染した場合と、ヒト−ヒト感染で感染した場合の発症力の違いを意味するのかは不明である」と付け加えています。
WHOは更に、最近の軽症例、無症候例は、未確認の多くの軽症例が隠れている可能性について懸念を抱かせるものであると述べています。ヒト−ヒト感染が起きているのは明らかです。しかし市民社会においてそれが持続的に起きているかどうかは明らかになっていません。

◆考えられる2つのシナリオ
WHOは「現在観察されているこの疾患の発現パターンは首尾一貫しており、ウイルスを保有する動物の間で持続的に感染が繰り返されていて散発的にヒトに感染するがヒトの間では持続的な感染には至らず小規模集団での感染に止まっているか、もしくは気づかないままにヒトの間で持続的な感染が起きていてときおり重症例が確認されているのかのどちらかである」と言っています。
この疑問に答えるには、接触者の詳細な調査、他の中東諸国でのサーベイランスの強化、第1患者の人間以外の感染源の調査研究が緊急に必要であると付け加えました。
無症候患者が気づかないうちにウイルスを拡げるのではないかという心配がありますが、WHOではそのようなケースが公衆衛生上どれだけ重大なのかは分からないと述べています。2003年に発生したSARS(重症急性呼吸器症候群)は同じようにコロナウイルスが原因で発症する疾患ですが、そのときの記録は「仮に無症候患者からの感染があったとしても極めて少数である」ことを示唆しています。
また、無症候患者のMERS-CoV検査の偽陽性は、検査室の汚染によっても起こりうるとして、疑わしい患者の場合には血清学的検査やその他の検査を追加して行うことが必要だと述べています。
最近のMERS患者のパターンについての同様のコメントは、イングランド公衆衛生サービス(PHE)がスポンサーとなって開催されたロンドン会議でも聞かれました。
PHEのジョン・ワトソン博士は、集団感染の2人目の患者は最初の患者よりも軽症の傾向がみられるとして、軽症患者や無症候患者の重要性はまだ分かっていないと話しています。
WHOの声明の他のポイントとしては、近く予定されている大規模な集会に向けて、旅行者へのアドバイスを準備中であると述べています。サウジアラビアは今月ウムラ(小巡礼)があるために巡礼者による混雑が予想されるほか、10月にはさらに大規模なハッジ(大巡礼)も予定されています。
またWHOは血清学的検査の標準化を図るために、1組の陰性の血清と陽性の血清のセットを集める調整を行なっていると言っています。
他には院内感染の防止に関するリコメンデーションの見直しと、自宅でケアを受ける患者のための感染予防対策の作成を行なっているとのことです。

◆緊急パネルが初会合
WHOの新たな「国際保健規則」に基づくMERS-CoV緊急委員会が9日、3時間に亘る初のテレカンファレンスを開催しました。WHOのマーガレット・チャン事務局長が明らかにしたものです。
専門家による15人のメンバーはWHO事務局による報告を聞いた後、MERSの患者が発生している国々の代表者の説明を聞きました。
パネルメンバーは、更なる討議を深め熟慮を行なうには時間が必要だとして第2回目の会議を7月17日に行うことを決めました。
委員会の任務は、WHOに対して、MERSに取り組む上での技術的なアドバイスを提供することにあります。その設立は先週発表されました。

サウジアラビア 新たにMERS患者1人を確認、治療中の2人が死亡(2013年7月7日、WHO)

サウジアラビア保健省(MOH)は新たに1人のMERS-CoV患者が確認されたと発表しました。また以前報告のあった2人の患者が死亡したことも併せて発表しています。
新たな患者はサウジアラビア北東部のハフルアルバティン市に住む56歳の女性です。この女性は医療従事者でMERS-CoV患者との接触歴がありました。接触した患者はその後回復して退院しています。
また、死亡した2人は東部地区の53歳の市民と、ジェッダに住む2歳の男児です。
これにより2012年9月以降WHOが発表したMERS-CoVの患者数は80人となり、このうち44人が死亡しています。
現在の状況と情報に基づき、WHOは加盟国に対し重症急性呼吸器感染症(SARI)のサーベイランス(監視活動)を継続すると共に、いかなる非定型的なパターンについても注意深く見直すよう勧めます。
医療従事者は警戒を維持してください。最近中東から戻ってきてSARIを発症した旅行者は、現行のサーベイランス推奨基準に基づきMERS-CoVの検査を受けなければなりません。診断のために患者の下気道からの検体は、可能な場所においては採取されなければなりません。臨床医は、MERS-CoV感染症は免疫不全のある患者の場合には、下痢のような非定型的な症状を示すことがあることを思い出してください。医療機関は感染予防と制御(IPC)の組織的実行の重要性を思い出してください。MERS-CoV感染が確認された患者もしくはその疑いのある患者のケアを行なう医療機関は、ウイルスが他の患者や医療従事者、来訪者に感染するリスクを軽減するための適切な措置を講じなければなりません。
全ての加盟国は、新たなMERS-CoV患者の発生や感染につながる曝露の可能性、臨床経過の詳細についてすぐに評価を行い、WHOに通知することを思い出してください。
曝露の仕方を特定するために感染源の調査はすぐに開始されなければなりません。それによりウイルスの感染拡大を防ぐことができます。
WHOは今回の事案によって入国時の特別なスクリーニングを勧めることはありません。また現時点で旅行や貿易の制限を推奨するものでもありません。
WHOは引き続き密接に状況をモニターし続けます。

中国 H7N9とH3N2の重複感染例を発表。死亡患者数も更新(2013年7月5日、CIDRAP)

中国保健当局は、4月に15歳の少年がH7N9とH3N2の2種類のインフルエンザウイルスに同時感染していたことを報告しました。この少年は既に回復しています。WHOが7月4日発表したものです。少年は江蘇省出身で4月25日に発症し、翌日入院しました。その後回復して5月2日に退院しています。WHOによれば分子検査によってH3N2と新型のH7N9ウイルスの両方に陽性反応が確認されました。中国国家衛生・計画生育委員会から報告があったものです。
7月1日江蘇省保健当局はこの症例について国と省の専門家に相談しました。
この少年の詳細は、6月15日に「ランセット」誌に中国の研究チームが発表したH7N9-H3N2重複感染例と一致しています。 チームによると少年にはこれといった持病はなく、発病前は健康な学生であったということです。病院でオセルタミビル(タミフル)で治療を受けました。
重複感染はヒトのウイルスとトリのウイルスの間で遺伝子交換をおこす原因となる可能性があることを強調しています。
新たにこの少年のケースを加えるとこれまでの患者数は133人になります。台湾人男性1人を除き全員が中国人です。この台湾人男性についても中国の感染地域に働きに出ていました。
WHOはまた、この疾患による死者が43人になったことが報告されたと伝えました。これは5月29日に報告された数よりも8人多くなっています。この数字には6月26日に報道機関によって伝えられた上海の男性も含まれているようです。
重症患者の幾人かは数週間に渡って入院し続けており、死亡者数の増加はこのうちの何人かが亡くなったことを示唆していると思われます。
WHOの事務局長補佐であるケイジ・フクダ氏は5日に開かれた記者会見の中で、H7N9は依然として懸念事項であるが、現時点ではH7N9の活動は全く見られていないと話しました。
「これはインフルエンザウイルスの通常のパターンである。鳥インフルエンザも季節性インフルエンザも夏季には鎮まる傾向がある。寒い時期を迎えたときに、他の国々で新たなH7N9患者が発生しないかどうか注意深く見守っているところだ」と言いました。
フクダ氏は記者に対して、おそらくH7N9に関する緊急委員会の招集が早まるだろうとして、保健当局者は各国が新たなH7N9患者を確実に発見できるよう集中すべきだと述べました。

WHO MERSのガイダンスのための緊急パネルを設立(2013年7月5日、CIDRAP)

WHOは7月5日、MERS-CoVがより広範囲に拡大する可能性に備えて、MERS-CoVのガイダンスを提供するための専門家による緊急委員会を立ち上げることを発表しました。
これに加えてサウジアラビアで新たに2人のMERS患者が確認されたほか、以前発表された2人のサウジアラビア人患者が死亡したと発表しました。これによりMERSの合計患者数は79人となり、42人が死亡したことになります。
新たに確認されたのは66歳と69歳の男性で、2人ともリヤド出身です。2人は6月28日に入院しましたが、重体となっており、集中治療室に入っています。2人の間で接触があったかどうかについては触れていません。
死亡した2人についてはサウジアラビア当局が7月2日に発表しました。リヤド出身の63歳の女性とアルアフサ出身の75歳の男性であると伝えています。
ケイジ・フクダWHO事務局長補佐は5日、ジュネーブでの記者会見で緊急委員会の編成を発表しました。
「我々はこの件について十分に討議してきた。また我々が決定したことは、来週前進を遂げ、国際保健規則の緊急委員会を招集するということである」と言いました。
「我々はいかなる可能性にも備え適切な位置をとっておくことを真に望んでいる。また各国に対してもいかなる可能性にも備えておくことを希望する」 「これは事務局長とWHOが外部の専門家グループからの意見を受け取ることも認めるものである。従って正式なコンサルテーションや情報が入ってくるのを受け取ることになるだろう」「仮に将来爆発的な感染が起きたとしても、われわれは既に緊急委員会の専門家グループを有しており、既にスピードアップしていることになる。我々は、将来動く必要になったときにはいかなる方向に対しても可能な限り素早く動くことができることを確実にしておきたいと望んでいる」と述べました。 彼はこのステップが率先的な動きであると説明しました。なぜならMERSに関しては「深刻な緊急事態」とまでにはなっていないからです。患者発生のパターンは過去3ヶ月間極めて安定しており、4月19人、5月21人、6月22人となっていると言いました。
また、質問に答えてフクダ氏は、サウジアラビア当局はMERSに関して全体的に良い対応を行なったと述べました。同氏は政府が行なった仕事として、地域にチームを派遣し、院内感染の調査を行い、病院内での感染予防策を進め、サウジアラビアの一般市民への情報提供を行なったことを挙げました。(サウジアラビア政府のMERS患者に関する声明は大雑把であり、多くの関係者は政府が発表する状況についての情報があまりに少なすぎることに不満を漏らしていました) フクダ氏は「全体の状況に関してもう少し詳細な情報を見てみたい」「個人的にはこの状況はサウジアラビアに特有の問題ではないと思っている。可能な限り多くの情報を得ることは科学界全体の要求であると考える」と言いました。
一方WHOは5日、MERS患者を調査する際の詳細なガイドラインを発表しました。WHOは丁度2日前に、いまだにミステリーとなっているウイルスの感染源を見つけるためのケースコントロール調査の同じような詳細なガイドラインを発表しています。新たな2つのガイドラインの目的は、公衆衛生当局などにMERS患者の調査の標準化されたアプローチを提供することにあります。多くのアドバイスは主として感染源が動物であるとされ、感染に至る露出が重大な問題となっている国々に適用されるものであると述べています。
他のMERS-CoV関連のニュースでは、フランスの研究チームが、現時点ではこのウイルスがパンデミックを起こす可能性はないのではないかという研究を発表しました。この研究結果は5日の「ランセット」誌に掲載されました。
MERSの症例と6月上旬に報告されてデータから、チームはこのウイルスの基本再生産数(1人の感染者から何人に感染するか)は0.60から0.69の範囲であると推計しました。これはパンデミックを起こす可能性を持つのに必要とする1.0より十分に低いとレポートは言っています。
「我々の分析は、MERS-CoVはまだパンデミックを起こす能力を持っていないことを示唆している」と著者は結論付けています。「我々はサーベイランスの強化と接触者の積極的な追跡調査、MERS-CoVの宿主動物の精力的な探索、ヒトへの感染ルートの解明を行うことを推奨する」と述べました。
5日のカナディアンプレス(CP)は、この著者とその他の専門家はこのウイルスが容易に変異してより感染しやすくなることはありうると警告したと伝えています。
この研究の筆頭著者であり、パリのパスツール研究所のアルノー・フォンンタネ博士はCPに対して「このウイルスが現在のままであるという保証は全くない。10年前のSARS(重症急性呼吸器症候群)と同じ道をたどることは大いにありうる」と言っています。

インディアナ州 さらに8人がH3N2vに感染(2013年7月3日、CIDRAP)

インディアナ州保健当局の発表によると、農業フェアのブタに関連して、新たに8人が変異型H3N2(H3N2v)ウイルスに感染していたことが分かりました。先週インディアナ州は、この夏初めてとなるH3N2v感染者の発生を報告しており、今回の報告により合計患者数は12人になりました。
先週報告のあった患者はグラントカントリーフェアに参加した人々でした。ISDH(インディアナ州保健局)は、新たな患者のうちの何人かは、2つ目のイベントであるハンコックカントリーフェアの参加者だったと述べています。このイベントは6月21日から28日まで開かれていました。ハンコックカントリーフェアはグラントカントリーフェアの1週間後に開催されました。2つの町は約65マイル(104Km)離れています。
H3N2vに感染した患者のうち少なくとも10人はフェアでブタと接触していました。また1人は自分の農場でブタとの接触がありました。ISDHはフェアでは感染から身を守るよう注意を呼びかけています。またISDHと地域の保健所では患者の調査を続けています。ISDHはインディアナ州獣疫委員会(Indiana's State Board of Animal Health)のサイトで、現在までに2つのフェアで29頭のブタがインフルエンザの検査で陽性だったと発表しています。
昨年アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は309件のH3N2v感染を報告しました。このうちインディアナ州では138件の感染が発生し、最もひどい州のひとつとなりました。現在までのところ今年の夏は他の州からの報告はありません。しかし保健当局はフェアの時期が始まったことから、他の州でも感染が起きたとしても驚くことではないと言っています。
フェアと関連したインフルエンザの発生は公衆衛生関係者に難しい問題を投げかけています。ブタ型のインフルエンザに感染しているブタは、しばしば病気の徴候が出ません。そのためにどのブタが感染しているかを見分けるのは困難です。CDCは、このウイルスは主として呼吸器からの飛沫を通じてブタからヒトへ広がると考えられており、このことが感染防御を難しくしていると言っています。

カタール人のMERS患者が死亡(2013年7月3日、CIDRAP)

MERS-CoVに感染して昨年9月以来ロンドンの病院で治療を続けていたカタール人男性が先週死亡しました。 この男性は6月28日に死亡しました。イギリスの新聞テレグラフ紙がロンドンのガイズ・アンド・セント・トーマス病院の担当官の発表を引用して報道したものです。この男性患者は、MERSが明るみに出た最初の2例のうちの1人です。この患者は最初の報告があった時点で49歳でした。
病院のスポークスマンであるロビン・ウィルキンソン氏は「ガイズ・アンド・セント・トーマス病院は、新型コロナウイルス(MERS-CoV)に伴う重症呼吸器疾患の患者が、あらゆる努力と完全な支持療法にもかかわらず状態が悪化し、6月28日金曜日に死亡したことを確認する」と新聞に語りました。
以前の報道によると、このカタール人男性は、2012年9月3日に発病しましたが、発病前に何度かサウジアラビアに旅行に行っていました。9月7日にカタールで集中治療室に入院しましたが、その後救急航空機で9月11日にロンドンに移送され、病院の集中治療室に入院しました。
この新型のコロナウイルスに対する世界的な警戒の呼びかけは9月23日に出されました。WHOがこのカタール人男性の発病と、その年の6月に死亡した60歳のサウジアラビア人男性に関する声明を発表したときのことです。(世界が最初にこの新型ウイルスに気がついたのは2012年9月20日のことです。サウジアラビアの医師がサウジアラビア人患者からこのウイルスを発見したとのレポートを ProMEDを通じて発表したときです)
非公式のデータですが、カタール人男性の死亡によってこれまでに確認されたMERS患者77人のうち43人が死亡したことになります。サウジアラビアは昨日2人の患者が死亡したことを伝えました。これらの死亡者はまだWHOの公式データには反映されていません。WHOの公式データは6月26日に最終の更新が行なわれており、77人の患者と40人の死亡者のままです。

カンボジア人男性がH5N1と他のインフルエンザウイルスとの重複感染(2013年7月3日、CIDRAP)

カンボジア保健当局は前日に続きもう1件のH5N1鳥インフルエンザ患者の発生を確認しました。この患者は58歳の男性で1月にインフルエンザ検査で陽性が確認されました。この男性から採取したサンプルをレトロスペクティブ(遡及的)に検査したところH5N1ウイルスとの重複感染だったことが明らかになったものです。
この男性の感染については7月2日、カンボジアとWHOの共同声明で発表されました。この声明には最近H5N1で死亡した6歳の少女のニュースと、これまで伝えられていなかったもう1件のH5N1患者が発生していたことを伝えています。この患者は5歳の少女で5月初めに確認されていました。
男性はプノンペン出身で、1月9日に最初のインフルエンザ検査を行っていました。クメール−ソビエト友好病院に入院治療を行い、既に回復しています。
H5N1型と重複して感染していたもう1種類のウイルスが何型だったのかについては触れていません。
この男性は今年に入ってカンボジアで確認された12人目のH5N1患者となります。また死亡した6歳の少女も加えるとカンボジアの累計患者数は34人となり、このうち28人が死亡したことになります。新たな2人の患者を加えることにより世界のH5N1患者集計は632人となり、376人が死亡したとWHOは発表しています。

サウジアラビア 2人のMERS患者の死亡を発表(2013年7月2日、CIDRAP)

サウジアラビア保健省(MOH)は7月2日、新たに2人のMERS-CoV患者が死亡したと発表しました。2人とも以前に感染が確認され治療中だった患者です。
患者はアルアフサ県在住の75歳の「市民」とリヤドに住む63歳の女性です。MOHは同時に3人のMERS患者の回復も発表しました。61歳のアルアフサの市民と41歳のリヤドの女性、50歳の東部地区の女性です。新たに2人の死亡が加わったことによりサウジアラビアのMERS-CoV感染は64人の患者のうち36人が死亡したことになります。
WHOの現時点での公式発表の数字には今回の死亡者はまだ反映されておらず、患者数77人、死亡者40人のままとなっています。
MOHが7人の患者(そのうち6人は無症候性)の発表をした6月23日以降、サウジアラビアのみならず他の国々からも新たなMERS患者の報告はありません。約2ヶ月間の活動期に続いて小康状態となっている状況です。5月2日にサウジアラビア当局は新たに7人のMERS-CoV患者の発生を発表しました。そのうちの5人は死亡していました。後になって分かったことですが、これらの患者は集団感染の患者の一部で、少なくともこのうちの3人はアルアフサの病院での感染でした。最終的にこの集団感染による患者は25人に上りました。
5月という月はフランスとチュニジア、イタリアで最初のMERS-CoV患者が確認された月でもあります。フランスの最初の患者は休暇でアラブ首長国連邦に旅行して帰国した男性でした。またチュニジアの患者はサウジアラビアととカタールに滞在していた男性です。イタリアではヨルダンに旅行した男性が感染しました。これらの患者は3人とも1人もしくは2人の接触者に感染を拡げました。しかし持続的な感染拡大にはなりませんでした。

カンボジア 6歳の少女がH5N1鳥インフルエンザで死亡(2013年7月2日、CIDRAP)

カンボジア保健省は7月2日、6歳の少女がH5N1鳥インフルエンザで死亡したと発表しました。今年のパターンとして、定期的で、散発的な患者の発生が続いていますが、これによりカンボジアは現在まで最悪の状態となっています。
保健省とWHOの共同声明は、この少女は南カンボジアのカンポット省在住で、6月28日にプノンペンの子供病院で死んだと発表しました。この少女は6月24日に発病し、容態が悪化するまでは個人開業医で治療を受けていました。その後6月28日にカンタ・ボファ病院に移送され、オセルタミビル(タミフル)での治療を受けましたが同日夜に死亡しました。調査の結果、少女が住んでいた村では最近家きんが死んでいたことが確認され、おそらく発病前に病気で死んだトリとの接触があったのではないかと考えられています。
カンボジアでは今年に入って12人の患者が報告され、そのうち9人が死亡したことになります。今回の少女のケースはカンボジアでこれまで確認されたH5N1鳥インフルエンザ患者の合計数を33人に、死亡者数を28人に引き上げることになります(WHOの6月月例報告データによる)。しかし保健省では今回の少女の発症によりこれまでの合計患者数は34人になると発表しました。もう1人の未発表のH5N1患者がいるのかどうかは不明です。
世界のH5N1の活動度に関する6月の最新版でWHOは、今年のカンボジアの患者は全て国の南部地域で発生しており、病気の家きんとの接触に関連した散発的な感染を反映したものであると述べています。
先月カンボジアとロンドンの合同研究チームは、東南アジアの最貧国のひとつであるカンボジアでH5N1患者を治療する際に生ずる多数の障害を確認しました。BMC Public Health誌に掲載されたこのチームの研究によると、若い患者の治療では、入院の遅れ、不十分な抗ウイルス剤治療、人工呼吸器を装着する機会がほとんど得られないことなどの問題で満ち溢れていることが分かりました。
この分析は2005年から2011年8月までの間にカンボジアで報告されたH5N1患者を対象としたものです。

CDC H3N2v患者の増加を予想 ハイリスクグループに警戒を呼びかけ(2013年7月1日、CIDRAP)

CDC(アメリカ疾病予防管理センター)は6月28日の声明で、先週インディアナ州の農業フェアに関連して4件の異型H3N2vインフルエンザ感染が発生したという報告は、「昨年と同様に今年の夏にも一定の感染が発生する前兆かもしれない」と述べました。
CDCでは危険性の観点から昨年のアドバイスを強調して、深刻な合併症を起こす危険性のある人々はフェアではブタやブタの畜舎を避けるべきだと言っています。
インディアナ州の感染者の1人から分離されたH3N2v株の遺伝子配列を調べたところ、99%昨年の夏の流行株と一致していたとのことです。昨年の夏には309人の患者が発生して16人が入院し、1人が死亡しました。インディアナ州では入院、死亡とも1人も発生しませんでした。
インフルエンザは主として感染したブタがくしゃみや咳をすることによって飛んだ飛沫によってヒトに感染するとCDCは言いました。同時にブタは一見健康そうに見えても感染していてウイルスを撒き散らすことがあると警告しました。 また10歳未満の小児はこのウイルスに対する免疫を持っていないかもしくは持っていたとしてもほとんどないに等しい点に注意を呼びかけました。
H3N2v用のワクチンはありませんが1種類が現在開発中であるとのことです。季節性インフルエンザに使用されている抗ウイルス剤はH3N2vにも使用可能です。

ネパール 3件のH5N1鳥インフルエンザの集団発生を報告(2013年7月1日、CIDRAP)

ネパールの畜産当局は最近発生した3件のH5N1鳥インフルエンザの集団感染を報告しました。2件はルンビニー地区で、残りの1件はナラヤニ地区のバラトプルで起きました。いずれもネパールの南中央部に位置しています。
集団感染が始まったのは5月28日から6月7日の間です。6月30日にOIE(国際獣疫事務局)へ報告があったものです。ルンビニーの集団感染は裏庭飼育のカモと小規模なブロイラーの養鶏場のトリに発生しました。ネパール第5の都市であるバラトプルでの感染は家庭で飼育していたトリに発生しました。
3件の集団感染で1,675羽のうちの410羽が死に、残りのトリは全て感染拡大防止のために殺処分されました。当局では集団感染が発生した地域の清掃と消毒を行なうと同時に現在集中的なサーベイランスを実施しています。この新たな集団感染は5月末に報告された国内各地で発生した多数の集団感染に引き続いて起きているものです。

鳥インフルエンザ(H5N1)対策情報サイトトップへ ページの先頭へ
セコム株式会社
Copyright(C) SECOM CO.,LTD All Rights Reserved.