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2013年6月

WHO MERS-CoVのサーベイランスのガイドラインを修正(2013年6月28日、CIDRAP)

WHOは6月27日、MERS-CoV(中東呼吸器症候群コロナウイルス)のサーベイランスの指針を改定しました。最新の知見に基づき、検体の診断方法と、潜伏期間が長くなる可能性について言及したものです。
修正された指針は、的確な診断のためには下気道(気管、気管支、肺)の検体を用いることを強調する一方、潜伏期間が14日にも及ぶことがあるかもしれないとの説を反映したものとなっています。
WHOは、鼻咽頭から採取した検体は下気道の検体に比べて、診断の感度が低いことを示唆する証拠が増加しているとして、幾人かの患者では鼻咽頭の検体では陰性でありながら下気道の検体では陽性という結果が示されていると伝えました。臨床的な知見や疫学的な観点からMERS-CoVの感染が強く疑われる場合には、例え鼻咽頭の検体で陰性であっても除外すべきではないと述べています。
また、潜伏期間は通常1週間以内ですが、最近の例では9日から12日というケースがありました。「一定期間以上曝露のあったケースを調査した結果、少なくとも少数の患者において潜伏期間は1週間以上2週間未満であったことを示唆していた」と言っています。
MERSの診断がついた患者について調査を行うには、発症前の14日間に曝露された可能性のある対象を探さなくてはならないと助言しています。

上海の男性がH7N9インフルエンザで死亡(2013年6月26日、CIDRAP)

上海の保健当局はH7N9インフルエンザで新たに1人の死亡者が出たことを発表しました。亡くなった患者は4月上旬に感染が発表された男性で、この男性の妻も上海市で最初に死亡した患者の1人でした。
中国国営の新華社通信は、56歳のこの男性は6月26日早朝に死亡し、この結果中国国内の死亡者は40人となったと伝えています。この男性患者の感染が確認されたのは4月11日でした。この男性の52歳の妻はH7N9の感染で4月3日に死亡しています。
家族間感染は集団発生が起きているときには珍しいことではありません。通常の曝露や人と人との接触で起きることがあります。これまでのところこの男性と妻は今回の流行で確認されている唯一の夫婦感染です。5月15日の報道でAFP(フランス通信社)は、博士号を持つ学生であるこの夫婦の娘(26歳)の話として、母親は上海市内の近くの市場に毎日行っていたのでそこで感染したのだろうと伝えていました。
AFPによると彼女は、母親が発生初期に受けた治療に疑問を抱いており、母親は中国政府がH7N9の発生を発表する5日前から発症していたと話しました。また父親は薬で鎮静療法が施され、人工呼吸器を装着されていたと話しています。
この女性は4月22日に行われた上海の保健当局とWHOが派遣した専門家チームの合同記者会見の際には見出しを飾りました。彼女は父親の治療に関し可能な治療法について質問しました。しかし保健当局者は彼女が話を終える前に制止したとAFPは伝えています。
研究者はH7N9の重症性を訴え続けており、5月末以降は新たな患者の報告がないものの、前から闘病を続けている何人かの患者はいまだに入院しています。6月24日に「ランセット」誌に発表された中国チームの最新の評価では、H7N9感染はこれまでの評価よりも深刻ではなく、以前考えられていたよりも軽症であるとしています。
これまでこのウイルスによる中国の患者は131人となっています。中国の流行地域を旅行して帰国した台湾の男性1人の感染も報告されており、これを加えると世界の合計患者数は132人となります。

ドイツの養鶏場でH7N7感染(2013年6月25日、CIDRAP)

ドイツ北西部のローワーサクソニー州の養鶏場でH7N7低病原性鳥インフルエンザが発生しました。6月24日ドイツの獣医当局がOIE(国際獣疫事務局)に報告したものです。
集団感染が発生したのは5月24日で、飼育していた13,406羽のうち400羽が発症しました。6月20日までに13,406羽全てを殺処分したと伝えています。感染源は分かっていません。ローワーサクソニーでは5月中旬にも他の養鶏場でH7N7鳥インフルエンザが発生しています。

WHO 最新のMERS-CoV患者を発表 合計患者数は77人に(2013年6月25日、CIDRAP)

WHOは6月25日、サウジアラビアで確認された7人の最新のMERS-CoV(中東呼吸器症候群コロナウイルス)感染例をツィッターで公表しました。サウジアラビア当局から報告のあった7人の新たな患者の発生と、治療中だった患者1人の死亡を伝えたものです。
これにより世界でこれまで確認されたMERSの患者数は77人となり、40人が死亡したこと言っています。サウジアラビア保健省は7人の患者と1人の死亡の事実を6月23日にWebサイトで発表していました。その中の6人(4人の子供と2人の女性の医療従事者)は無症候例だったと説明しています。7人目の患者については50歳の女性で入院中ではあるが症状は安定していると伝えています。

8人の無症状のMERS患者を報告 サウジアラビア・WHO(2013年6月24、CIDRAP)

サウジアラビアは過去3日間で9人の新たなMERS-CoV(中東呼吸器症候群コロナウイルス)患者の発生を報告しましたが、このうち6人は無症状の患者でした。
これに加えてWHOは6月22日、以前報告した2人のサウジアラビア人患者も無症候患者だったと発表しました。サウジアラビアとWHOの報告は無症候患者の存在を裏付ける最も明快な証拠を提供しました。そして人々が気づかないうちにこのウイルスを運んで拡げる可能性があることを示唆しています。
また昨週末にWHOの東地中海事務所(EMRO)は、カイロで開かれた公衆衛生の専門家会議に引き続いて、MERS-CoV患者の発生があった全ての国からの迅速で完全な報告を訴えました。

サウジアラビアの新たな患者
サウジアラビア保健省(MOH)は6月21日と23日の声明で最新の患者と死亡者の発表を行ないました。
6月21日の声明はリヤドに住む41歳の女性と東部地区に住む32歳のサウジアラビア市民が発症したことを報告しました。女性は以前報告のあった患者との接触者で症状は安定しています。一方32歳の患者はガンを患っており、集中治療室に入っていました。声明はまた以前報告された患者が死亡したことも伝えていますが詳細については触れていません。
MOHは6月23日の声明で6人の無症候患者と1人の症状のある患者を発表しました。4人の無症状の患者は7歳から15歳までの子どもでした。全員がリヤドもしくは東部地区で発生した患者との接触者でした。残りの2人の無症候患者は東部地区のアルアフサの女性の医療従事者でした。MOHはこの2人の医療従事者がMERS患者に曝露していたかどうかは明らかにしていません。しかしアルアフサは最近院内感染が発生した場所であることから大いにありうることのように思われます。23日の声明は東部地区の50歳の女性の患者も報告しています。「肺の疾患」で入院しましたが症状は落ち着いていると伝えています。更に21日の声明は32歳のガンの患者が死亡したことを伝えました。
6月22日WHOは、サウジアラビアが2日前に発表した2人の患者を認定しました。1人は東部地区の43歳の女性で既に回復しています。残りの3人はメッカに程近いタイーフの29歳、39歳、45歳の女性の医療従事者です。3人の医療従事者は2人のMERS患者の看護に当たっていました。3人の感染が確認されたのは接触者の追跡調査によるものです。WHOでは「3人のうち2人は無症状であった。3人ともPCR検査(ポリメラーゼ連鎖反応検査)で僅かに陽性を示した」と言っています。
これまでに無症候のMERS患者が報告された例は1例だけでした。しかも非公式な報告のみです。最近ヨルダンとアメリカの保健当局がメディアを通じて8人のヨルダン人が血清(抗体)検査で陽性を示し、過去にMERS-CoVに感染していたことが判明したと報告しました。このうちの1人は全く症状が出ませんでした。彼らは2012年の4月にヨルダンで発生したMERSの院内集団感染に関連してレトロスペクティブ(遡及的)に検査した124人の中から確認されたものです。
WHOはまた23日の別の報告で、サウジアラビアMOHが2日前に報告した2人の患者を発表しました。1人は41歳の女性で、もう1人は32歳の男性です。また以前報告した患者1人が死亡したことも伝えています。これによりWHOが確認したMERS-CoVの世界の合計患者は70人となり39人が死亡したことになります。サウジアラビアが発表した最新の患者を加えると合計患者数は77人となり死亡者は40人となります。このうちサウジアラビアの患者数は62人、死亡者は34人です。

鳥インフルH7N9型の特徴は? 患者の8割が重症化(2013年 6月23日、読売新聞)


生きた鳥が感染源か
中国で今年3月、鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)が人に感染したことが初めて確認されました。
これまでに上海、北京、浙江省など中国国内の2市8省、台湾で計133人が感染し、うち39人が亡くなっています。感染者の特徴や日本の態勢など、現状をまとめました。

 ――H7N9型とはどのようなウイルスなのですか。
 「季節性のA香港型(H3N2)や、2009年に新型として大流行したH1N1型のようなA型ウイルスの一種です。A型は、人だけではなくニワトリやブタなど、様々な動物に感染します」
 「H7N9型ウイルスは、3種類の鳥のウイルスの遺伝子が混ざってできたと考えられています」

 ――どのように感染したのでしょうか。
「中国では、ニワトリやカモ、ハトなどの生きた家禽(かきん)類を売買する市場が各地に多数あり、市場には鳥肉を調理する飲食店関係者、一般人も盛んに出入りしています。患者の半数以上が2週間以内に、これらの生きた家禽類と接触していたとの報告もあります。市場を一時的に閉鎖したところ、その後の新規患者が激減したため、市場の生きた鳥が感染源ではないかとの見方もあります」

 ――感染者にはどのような症状が出るのでしょうか。
「発熱やせきなどは、季節性インフルエンザと変わりません。ただ、H7N9型ウイルスでは、高齢患者の割合が高く、また、人工呼吸器の装着が必要になる重症者が多いことも分かっています。患者111人を対象にした調査によると、平均年齢は61歳。65歳以上が47人(42%)に上っています。
一方、14歳以下は2人(2%)です。8割近くの85人が集中治療室(ICU)で治療を受けています」

 ――どのように治療するのでしょうか。
「季節性のインフルエンザの治療では、発症から48時間以内に抗ウイルス薬を使うことが有効ですが、この調査によると、治療の開始時期は発症から平均7日でした。専門家は『早期に治療を始めれば、重症化を防げるはずだ』と指摘しています」
「ただ、別の調査では、48時間以内に抗ウイルス薬を投与されても回復せず、重度の肺炎を起こした患者の症例も報告されています。検出したウイルスを調べると、抗ウイルス薬が効かないように変異を起こしていたことが分かっています」

 ――日本では、どう対応しているのですか。
「国は今年5月、空港などの検疫所で感染が疑われる人に対して検査や診察などを行える『検疫感染症』に指定しました。中国から入国し、インフルエンザが疑われる症状がある人が対象です。さらに、感染の拡大を防ぐために、感染症法に基づく『指定感染症』と定めました。感染が確認された人には最長2年間、強制的な入院措置や就業制限などが可能になります」
「また、日本感染症学会は、H7N9型ウイルスに感染した患者に対する暫定的な診療指針をまとめました。重症患者が多いため、治療は飲み薬のタミフルか、点滴薬のラピアクタを使い、投与量や投与期間を通常量の2倍に増やすことを求めています。重症肺炎の併発も多く、粉末薬を吸引しても患部に行き届かず、効果が十分に得られないおそれもあるため、リレンザ、イナビルは推奨していません」

 ――今後、日本でも流行する可能性はありますか。
「中国の感染者の報告は終息傾向にありますが、感染源、感染経路は現時点でも明確には分かっていません。中国から戻った台湾人男性の感染が4月下旬に判明しましたが、日本でも起こりえます。気を緩めるべきではありません」

科学者がH7N9の秋以降の再燃に警告(2013年6月23日、REUTERS)

今年2月に中国で発生した後、徐々に消滅したかのように見える致死的な新型鳥インフルエンザは、暖かな季節の終わりと共に再び現れ、世界的に広がる可能性があることを中国の科学者が警告しました。
中国と香港の研究チームはH7N9鳥インフルエンザに感染した1人の患者が5月初旬に確認されていたことを発見しました。先月WHOは、2月までヒトへの感染が知られていなかったこのウイルスが中国と台湾で130人以上に感染し、37人が死亡したことを発表しました。
研究チームは「ランセット」誌に発表した論文で「現在中国は暖かな季節を迎えており、2013年5月8日以降検査機関によって新たにヒトへの感染が確認された例は1例のみである」と書いています。
しかし「もしH7N9がH5N1と同じパターンを示すならば、秋には流行が再燃するだろう」と付け加えました。
H5N1はもう一つの致死的な鳥インフルエンザで2003年に出現して以来世界各国に広がっています。最新のWHOのデータによるとH5N1は過去10年間で630人の患者が確認されており375人が死亡しています。H5N1の感染者の多い国はエジプト、インドネシア、ベトナムです。
北京のCDC(疾病予防管理センター)と香港大学の研究チームは、H7N9の活動が休止している現在の状況は、このインフルエンザが戻ってきて広範囲に拡大したときに備えて、議論し対策を立てるためのチャンスを保健当局に与えてくれるものだと述べています。これには、H7N9が中国の国境を越えて広がる可能性を考慮して、それぞれの地域で医療機関の受け入れ許容力を整備するための計画も含まれるといっています。
国連機関から派遣された専門家チームは先月、中国の鳥インフルエンザの経済に及ぼす影響額は約65億ドル(約6,353億円)であると言いました。
同じ医学雑誌に掲載された別の研究論文では、H7N9インフルエンザの致死率はH5N1よりも低く、2009年から2010年にかけて世界にパンデミックを引き起こしたH1N1(2009)pdmよりも高いことが分かったとの発表がありました。
研究チームは病院に入院した患者のデータを分析した結果、H5N1鳥インフルエンザでは入院した患者の約60%が死亡する危険性があり、H7N9のほぼ2倍の値でした。H7N9では感染によって入院した患者の約3分の1が死亡していました。
パンデミックH1N1は、しばしば「ブタインフルエンザ」と呼ばれますが、感染して入院した患者の21%が死亡したと研究チームは述べています。
.チームは保健当局と医師に対して、この数週間のH7N9患者数の急激な降下によって間違った安心感に陥ることのないよう警告しています。
「ヒトへの感染のリスクを最小限にするためにはこのウイルスに対する引き続いての警戒と持続的な集中コントロールの努力が必要である。この危険はこれまで認識されていたよりもはるかに大きい」と述べています。

インドネシア 2歳の男児がH5N1鳥インフルエンザで死亡(2013年6月21日、CIDRAP)

インドネシア保健省は今日(6月21日)2歳の男児がH5N1鳥インフルエンザで死亡したと発表しました。感染症の情報を伝えるメッセージボードのFluTrackersが伝えたものです。
この男の子は6月10日に発症し、小児科医から発熱の治療を受けました。症状が悪化したため6月18日に入院し集中治療室で人工呼吸器が装着されました。翌日H5N1の検査で陽性と判定されその日に死亡しました。感染源の調査を行った結果、この子が発病する2日前に母親が汚染されている可能性のある市場から鶏肉を購入していました。今回の患者によりインドネシアのH5N1鳥インフルエンザの合計患者数は193人となり死亡者数は161人となります。

台湾がH6N1型のヒトへの感染を報告 世界初(2013年6月21日、CIDRAP)

台湾の保健当局者は今日(6月21日)世界で初めてのH6N1鳥インフルエンザのヒトへの感染を発表しました。患者は20歳の女性で5月に発病し、既に回復しています。
ウイルスは台湾当局がH7N9インフルエンザへの警戒を高めている最中に発見されました。台湾の保健当局がこの女性の新型インフルエンザを確認したのは、中国本土から帰国した男性がH7N9インフルエンザに感染しているのを確認したちょうど2週間後になります。
H6N1ウイルスは通常は留鳥の間で循環する低病原性のウイルスです。台湾CDCによると女性の気道検体から分離したウイルスは家きんのウイルスに極めてよく似ていました。遺伝子配列のデータからこのウイルスはオセルタミビル(タミフル)やザナミビル(リレンザ)に感受性がある(=薬の効果がある)ことが示唆されました。
ミネソタ大学のデイビッド・ハーバーソン獣医学博士はCIDRAPニュースに対して、この女性の感染は単発的な事例と考えられると話しました。また、これまでもさまざまな鳥インフルエンザウイルスもしくはその抗体がヒトから見つかっており、その中にはH7型、H9型、H10型、H11方などが含まれていると付け加えました。同氏は、H6N1のような低病原性ウイルスは、高病原性のH5N1のように発見することができないために、アジアでどのように流行しているのかよく分かっていないとして、おそらくこれらのウイルスはこの地域で土着化しているのではないかと話しています。「H7N9型のヒトへの感染が広い地域に突然発生したことはこの考えが正しいことを支持しているようだ」と述べました。
CIDRAPの責任者であるマイケル・オスターホルム博士は、H6N1の感染者が出たことが直ちに新型インフルエンザが発生したことを意味するものではないとしつつ「我々はより集中的にインフルエンザ様疾患のサーベイランスを見始めているが、他にも1、2例の出来事が起きる状況を見つけるかもしれない」と言いました。今回の事例は保健当局者にウイルスの循環を注意深く見続ける必要性を思い起こさせるものだと言っています。

新種コロナウイルス、人から人に感染 サウジの病院で(2013年6月20日、朝日新聞)

中東を中心に広がっている重症急性呼吸器症候群(SARS)と同じ新種コロナウイルスについて、サウジアラビア保健省やカナダ・トロント大などの国際チームは19日、サウジの病院で人から人への感染が起きたと発表しました。昨年9月以降、中東から欧州に拡大、計38人が死亡しており、世界保健機関(WHO)は警戒を呼びかけています。

WHO H5N1のパンデミックフェーズは「警報」レベル(2013年6月18日、CIDRAP)

新しいパンデミックアラートシステムへの変更を発表したことを受けてWHOは今日(6月18日)、H5N1鳥インフルエンザの現在のフェーズは、4段階の2番目にあたる「警報」のレベルであるとの通知を発表しました。「警報」のフェーズは新しい亜型のインフルエンザが確認され、警戒度が増して危険性の評価が行なわれた場合に示されます。WHOは6月10日、新しいアラートシステムが感染の地理的な広がりよりも病気の危険度に重点を置いて設計されたことを明らかにしました。新しいフェーズは、各国がそれぞれの状況に応じて柔軟にパンデミックの対策を計画できるようにするはずであると言っています。おそらくH7N9インフルエンザや中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)についても世界は「警報」レベルにあると考えられます。

MERS(中東呼吸器症候群) 患者数、死亡者数共に増加(2013年6月17日、CIDRAP)

サウジアラビアは16日、新たに3人のMERS-CoV(中東呼吸器症候群ウイルス)患者と、4人の死亡者の発生を報告しました。この結果世界の合計患者数は64人となり、38人が死亡したことになります。
またカナディアンプレス(CP)によれば、ヨルダンの当局者は17日、抗体検査の結果、2012年の4月の最初のMERS-CoVの集団発生では、当初確認された2人の患者のほかに8人が感染していたことがわかったと発表しました。

新たなサウジアラビアの患者
サウジアラビア保健省(MOH)は16日、新たに3人の患者と4人の死亡者が確認されたと発表しました。またWHOは今日の声明にこの事実を記載しました。死亡者は以前に感染の確認が発表された患者です。新たな患者の1人は、東部地区に在住の慢性の喘息を持つ42歳のサウジアラビア市民で現在入院中です。2人目はリヤド地区に住む63歳の女性で、慢性疾患の持病があり、ICU(集中治療室)に入っています。3人目の患者はジェッダに住む慢性疾患を持つ2歳の子どもで、やはりICUに入っています。
MOHによると死亡した4人の患者のうち2人はメッカに近いターイフの出身で、残りの2人は東部地区出身と伝えています。当局では14日にターイフの2人に関して65歳の男性と68歳の女性であり、2人ともICUに入っていると発表していました。MOHはターイフの2人について関連があったのか別々の感染なのかについては触れていません。
また報道によると、サウジアラビア当局は国内外のイスラム教徒に対して今年のメッカへのハッジ(大巡礼)とウムラ(小巡礼)を延期するよう警告しました。当局はメッカのグランドモスクの拡張工事が続いていることを理由に挙げていますが、MERSが原因ではないかとの憶測を生みそうです。
当局がメッカのテレビジョンチャンネル「ホーリー・コーラン」を通じて巡礼者に対してグランドモスクでの混雑を減らすために計画を延期するよう助言を行なったとAllAfrica.comが伝えています。
当局者とメッカ商工会議所の「ハッジ・ウムラ委員会」は共同で、巡礼者が集まる地域は現在1時間当たり3万9千人しか収容できないが、拡張工事が終われば13万人を収容できるようになると述べ、巡礼者に訪問を1年ないし2年延期することを勧めました。

ヨルダンの集団感染に8人が追加
ヨルダンの集団感染に関連してCPは、ヨルダン保健省のモハンマド・アル・アブダラー博士は124人から採取した血液を検査した結果、8人がMERS-CoVの抗体をもっていたと伝えました。これまではこの集団感染で感染したのは2人だけ(2人とも死亡)であると伝えられていました。
ヨルダンの集団感染は昨年の4月に起きたミステリーでした。しかし患者から採取した検体が保管されており、9月にMERS-CoVが他で見つかった後に改めて検査したところ死亡した2人もMERS-CoV感染であったことが確認されました。
当初の報告でヨーロッパCDC(疾病予防管理センター)は、患者は病院のICUで発生しており、11人が関係し、そのうち8人は医療従事者であると伝えていました。
昨年12月の報告でWHOは、ヨルダンの医療従事者もおそらくこの新型ウイルスに感染していたのだろうと言いました。これらのケースはMERS-CoVに感染しても必ずしも重症化するわけではないということを示唆していると言っています。
アル・アブダラー博士は、新たに感染が確認された8人には、集団発生の際に症状の出た6人と、医療従事者1人、患者と接触のあった家族1人が含まれていると述べました。
抗体の調査研究はヨルダン保健省とアメリカCDC(疾病予防管理センター)により共同で行なわれたものです。
もしWHOが今回の8例をMERS-CoV患者集計に加えれば、死亡者数は38人のままに止まるが、患者数は72人に上昇すると記事は強調しています。

サウジアラビア さらに3人のMERS-CoV患者を報告(2013年6月14日、CIDRAP)

サウジアラビアからまたも3人のMERS-CoV(中東呼吸器症候群ウイルス)患者の報告がありました。このうちの1人は死亡が伝えられました。これまでの世界の患者数は60人を超えました。
サウジアラビア保健省(MOH)は、ターイフ県(西部地区にあるメッカの近くの県)に住む2人の患者の発生を伝えました。2人は65歳のサウジアラビア市民と68歳の女性の市民であり、2人とも慢性疾患の持病を持っていました。現在病院の集中治療室に入院しています。保健省の発表は、2人の間に関係があるかどうかまたは疫学的なリンクがあるかどうかについては触れていません。
もう1人の患者は46歳のリヤド州の町ワジ・アル・ダワシールの住民です。この患者についてはこれ以上の情報を伝えていません。
3例とも全てサウジアラビア東部のアル・アーサからは遠く離れた地域での発生です。サウジアラビアで最近発生した患者のほとんどがアル・アーサからの報告で、中には病院内感染で25人の患者が発生し、14人が死亡した例も含まれています。新たな患者の発生によりMOHはMERS-CoV患者の数が46人に、死亡者の数は28人になったと発表しました。また、世界中の患者数は61人になり、死亡者は34人になったことになります。

中国の少年がH7N9とH3N2を同時感染(2013年6月14日、CIRAP)

中国の研究チームは14日、江蘇省の15歳の少年がH3N2型とH7N9型の両方のウイルスに同時感染していた事実を発表しました。少年は4月末に感染しすぐに回復していました。研究チームは今日発行の「ランセット」にこの発見を発表しました。
それまで健康だったこの学生は4月25日に症状が現れ、翌日悪化してきたために病院を受診しました。咽喉から綿棒で2本の検体が採取され、迅速試験を行なったところ、A型インフルエンザの結果が出ました。南京市でポリメラーゼ連鎖反応試験(PCR)を実施したところA(H7)型とA(H3)型が示されました。
ウイルスの分離を行なったところH7N9型とH3N2型の両方のウイルスが確認されました。H7N9ウイルスは浙江省で流行していたものと極めてよく似ており、H3N2ウイルスは現在流行している季節性のH3N2型とよく似ていました。少年は病院に入院してオセルタミビル(タミフル)の投与を受け、結果5月2日に回復しました。
研究チームは、二重感染はヒトとトリのインフルエンザウイルスが再集合を起こす原因となりうるものであり、ヒト−ヒト感染のリスクを高めるものであると警告しています。

中国の病院で医療従事者21人がウイルス性肺炎(2013年6月14日、CIDRAP)

中国安徽省の保健当局者は14日、蘇州市の同じ病院で働く21人の医療従事者がウイルス性肺炎で入院したと発表しました。国営新華社通信が伝えたものです。
保健当局の声明によると患者は全て呼吸器科で働く職員で、重症患者はいないとのことです。
最初の患者は6月5日に発熱と咳、頭痛を発症した看護師でした。6月11日以降新たな患者は出ていません。他の病院で実施した検査ではウイルス性肺炎を示唆する結果が出ましたが、蘇州市の疾病管理センターでも患者から採取した検体を検査しています。
安徽省保健局の広報官は新華社に対して、これは普通の肺炎であり公衆衛生上の危険はないと言っています。

サウジアラビア 新たに3人のMERS患者が発生。1人が死亡(2013年6月12日、サウジアラビア保健省)

サウジアラビア保健省(MOH)は、新型コロナウイルス(MERS-CoV)の疫学的なサーベイランスによって新たに3人の患者が確認されたことを発表しました。
1人目の患者は東部地区の63歳のサウジアラビア人女性で、慢性の基礎疾患を持っていました。症状は安定しています。2人目の患者はアルアフサに住む75歳のサウジアラビア人でやはり慢性の基礎疾患がありました。現在もICUで治療が続けられています。3人目の患者はハフルアルバティンの21歳の住民です。今週の初めICUで治療した後、死亡しました。
これによりサウジアラビアでのMERS-CoV感染者は43人となり、27人が死亡したことになります。また世界では58人が感染し、死亡者数は33人となりました。

密輸された野鳥からH5N1ウイルスを検出(2013年6月12日、CIDRAP)

ウィーンの空港で、スーツケースに入れられたアジアの野鳥からH5N1鳥インフルエンザウイルスが確認されました。チェコの報道機関が11日に伝えたものです。
検査官が2匹の探知犬によって鳥を見つけたとき、チェコの密輸業者は自国に帰国しようとしていました。当局は密輸業者を逮捕し、検査のためにすぐに鳥を防疫官に手渡しました。ほとんどの鳥は死んでいました。検査の結果死んだ鳥の1羽がH5N1鳥インフルエンザに感染しているのが確認されました。
ロンドンのDaily Mail 紙は、彼らがウィーンで止められる前、野生のオウムとゴクラクチョウをバリからカタールに送っていたと伝えました。残りのトリは全て殺処分されるとともに、接触のあった人々は観察が続けられ、治療を受けていると伝えています。

インフル流行対応4段階に…WHO、指針を改定(2013年6月11日、読売新聞)

世界保健機関(WHO)は10日、インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)に備えて各国が取る対策に関する指針を改定して公表しました。
6段階の数字による対応レベルの分類を廃止するほか、重症度などのリスクを考慮して各国の状況に合わせた対策を求めています。
改定指針は、インフルエンザの対応レベルを「通常期」「警戒期」「パンデミック期」「移行期」の4段階で連続的に表すことを定めました。警戒期は新たなインフルエンザウイルスが発生し、人への感染が始まった段階。パンデミック期は人の感染が広範囲に広がり、しかも重症者が多い状況を指します。移行期は、感染が峠を越えて終息に向かう時期を示します。現在の中国の鳥インフルエンザ(H7N9型)は警戒期にあたります。

WHOとサウジアラビアによるMERS(中東呼吸器症候群コロナウイルス)に関する共同声明(2013年6月10日、WHO)

2013年の6月4日から9日にかけてサウジアラビア王国(KSA)とWHOによるジョイントミッションとして、王国における新型コロナウイルスの状況について評価するためにリヤドで会合を行ないました。このウイルスは最近中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)と名づけられました。これは新たに発生したウイルスであり、SARSを引き起こしたウイルスとも僅かながら関連があります。
MERSの患者が初めて記録されたのは2012年の前半ヨルダンでのことでした。世界的に現在までに55人の患者が検査機関の試験によって確認されています。このうち40人の感染がKSAで発生し、残りの患者は中東の他の国々(カタール、UAE)と、北アフリカのチュニジア、ヨーロッパのフランス、イタリア、イギリス、北アイルランドから報告されています。
全体的な患者数は限定的ですが、約60%の患者が死亡しています。現在までのところKSAの患者の約75%は男性で、ほとんどの人は1つ以上の大きな慢性疾患に罹患していました。

3つの疫学的なパターンがあるように見受けられます。
 ・ 第1のパターンは地域社会での散発的な感染です。現時点ではこれらの患者がどのようにして感染しているのかは分かっていません。
 ・ 第2のパターンは家族内の集団感染です。これらの集団感染の多くではヒト−ヒト感染が起きているように思われます。しかし感染は患者と濃厚接触をした家族に限られているようです。
 ・ 第3のパターンは医療施設内での院内感染です。この事例はフランス、ヨルダン、KSAで発生しました。これらの集団感染では、最初に感染した患者が病院に入院し、この患者が医療施設内の他の人々にウイルスを感染させていくという順番となっています。

2つの重要な点を強調する必要があります。
 ・ 第1にMERS-CoVの広範囲に及ぶヒト−ヒト感染が起きているという証拠はないということです。ヒトからヒトへの感染が起きている疑いはありますが、患者との間で濃厚な接触をした家族や同室患者、医療従事者への感染です。
 ・ 第2にKSAの医療従事者の間で感染が報告されたMERS-CoVの患者数はSARSの経験から予想された患者数より少ない数でした。SARSの時には医療従事者は高い感染リスクに曝されました。MERS-CoVはSARSウイルスとは異なっています。なぜ医療従事者のMERS-CoVへの感染が少ないのかはわかっていませんが、SARSを経験した後の感染コントロールの向上が重要な違いを生んでいるのかもしれません。この点においてKSAの感染制御策は効果的であると思われます。

現時点においてMERS-CoVの臨床診断は、ポリメラーゼ連鎖反応試験(PCR試験)によるウイルスの確認に大きく依存しています。ベッドサイドでの検査は存在しません。
治療は主として支持療法であり、リバビリンやインターフェロンのような抗ウイルス剤の使用が効果をもたらすという納得のいくデータはありません。高用量のステロイドの使用は禁忌です。
今回のジョイントミッションはKSAの対応を再評価し、KSAが感染の調査とコントロールにおいてすばらしい仕事をしたとの結論に達しました。2012年に最初の患者が確認された時、以下のようないくつかの対策がとられました。
 ・ 対策(感染制御対策を含む)は院内感染を防止するために取られました。
 ・ MERS-CoV患者のサーベイランスが著しく強化されました。
 ・ 市民への啓蒙と警戒を促すキャンペーン、教育活動が開始されました。
 ・ MERS-CoVの患者はWHOに報告されました。
 ・ 感染源や危険因子、感染ルートの特定のために疫学的な調査が開始されました。
 ・ 援助のために国際的な専門家が招聘されました。
この点において正しい予防管理対策がとられました。KSA政府が緊急に重要な措置を取ったことは賞賛に値します。

最後にいくつかの点が強調されなくてはなりません。
 ・ 第1にこのウイルスに関する我々の知識には大きなギャップが残っています。多くの仕事がこれまでに行なわれ、現在も続いていますが、結果を生み出すためには科学的な調査の時間が必要であることを思い出してください。
 ・ 第2にこれらの感染症に対する国際的な関心は高いものがあります。なぜならこのウイルスは世界中に伝播することが可能だからです。これまでにもウイルスが旅行者によって国から国へ運ばれたいくつかの例があります。
 ・ 従って世界中の全ての国は、医療従事者に対してこのウイルスと疾患に注意を喚起し、原因不明の肺炎が確認された時にはMERS-CoVを疑うことを徹底する必要があります。
 ・ 現在までのところMERS-CoVの市中感染例は全て中東の国々で起きています。この地域の全ての国々はMERS-CoVのサーベイランスを緊急に強化しなくてはなりません。

中国「H7N9型感染拡大は抑制」 (2013年6月10日、NHK)

中国でヒトへの感染が相次いだH7N9型の鳥インフルエンザウイルスについて、中国の衛生当局は、新たな感染が大幅に減っていることから、9日、「感染拡大は抑制された」と発表しました。
中国ではことし3月にH7N9型の鳥インフルエンザのヒトへの感染が初めて確認され、衛生当局などによりますと、感染者は、3月の3人から翌4月に126人へと急増したあと、先月5月は4人に止まりました。
これについて、中国の衛生当局は9日、「このところ感染は減速状態で感染拡大は抑制された。政府の対策が効果をあげた」と発表しました。 また、上海市や隣接する浙江省など合わせて7つの市と省でとられてきた警戒態勢は、すべて解除されたと発表し、これまで週に1度行ってきた感染状況の発表も、今後は月に1度に減らすとしています。
衛生当局は生きた鳥の取り引きが停止されたことが効果をあげているとしていますが、すでに取り引きの再開を認めた地方政府もあり、専門家などの間では再び感染が拡大するおそれもあるなどと懸念の声も出ています。

エジプト H5N1で25歳の女性が死亡 合計患者数は630人に(2013年6月7日、CIDRAP)

WHOはH5N1型鳥インフルエンザのヒトへの感染数の月次集計を発表しました。この中にはカンボジアの少女(5月17日にWHO西太平洋地域事務所から報告済み)と、死亡したエジプトの女性のケースが含まれています。
25歳のこの女性はエジプトのソハグ県の住民です。4月25日に発症し5月1日に死亡しました。調査の結果、病気で死んだ裏庭飼育の家きんとの接触歴があったことが判明しています。この女性はエジプトでの今年4人目の患者であり、3人目の死亡者となります。これによりエジプトの合計患者数は173人となり、死亡者は63人となりました。
カンボジアの患者は5歳の少女で、発熱者のサーベイランスで見つかりました。少女は既に回復しています。WHOは、今年カンボジアで確認された11人の患者は全て同国の南部地域で発生しており、病気の家きんとの接触で散発的に感染しているようだと言っています。 2人の新たな患者が確認されたことで、公式患者数は630人となり、375人が死亡したことになります。

MERS:猛威警戒 長い潜伏期間、帰国後発症の恐れ(2013年6月5日、毎日新聞) 

「中東呼吸器症候群(MERS、マーズ)」と命名された新種のコロナウイルスの感染が、中東や欧州で拡大しています。昨年9月、サウジアラビア渡航後発症したカタール人男性を皮切りに、4日現在で計53人の患者が報告され、うち30人が死亡。猛威をふるった新型肺炎(SARS)の再来かと不安が広がっています。
世界保健機関(WHO)によると、感染はアラビア半島諸国に加え、欧州、北アフリカにも飛び火しています。発熱や肺炎を起こし、多くが下痢など消化器症状を伴います。腎不全を起こした患者もいます。ワクチンや有効な抗ウイルス薬はなく、対症療法でウイルスが消えるのを待つしかありません。
フランスでは5月28日、北部リールの病院で感染者の男性(65)が多臓器不全で死亡しました。男性はアラブ首長国連邦(UAE)から帰国後の4月23日、消化不良を訴え別の病院に入院。5月9日にリールの病院に転院し感染が確認されました。最初の病院で同室だった50代の男性にも感染し、この男性は今も重篤な状態です。
仏では感染拡大は食い止められたとの見方が強いものの、イタリアでは1〜2日にかけて新たに3人の感染者が見つかりました。またイスラム教の聖地・メッカへの巡礼は6月から増え、大巡礼期間の10月には数百万人に達することから警戒感が高まっています。 仏の医療チームなどの調べでは、患者の排せつ物を介して感染する疑いがあります。潜伏期間は9〜12日とみられるため、短い旅行から帰国する感染者を空港到着時の発熱などで見分けるのは困難です。
国立感染症研究所ウイルス第3部の松山州徳(しゅうとく)室長によると、コロナウイルスはコウモリや猫、豚などさまざまな動物を宿主とするタイプがあります。種の壁を越えることはまれで、他の動物を宿主とするウイルスがヒトに感染したことが確認されたのは、死者約800人を記録した2003年のSARSと、今回のMERSだけです。遺伝子分析から、宿主はSARSと同じコウモリとみられますが、感染源や感染経路は分かっていません。
SARSのような大流行は起きるのか。東北大の押谷(おしたに)仁教授(ウイルス学)は、当時は中国での院内感染をきっかけに大流行したこと、感染力の強い患者が感染を拡大させたと指摘。「MERSでも同様のことが起こる可能性はある」と警告します。

H7N9は重症化が早い(2013年6月5日、CIDRAP)

H7N9インフルエンザで死亡した22人を対象とした研究の結果、発症から重症化して死亡するまでの進行が早いことが分かりました。4日中国の研究チームがAnnals of Internal Medicine 誌に発表したものです。
研究チームは4月30日現在の検査機関によって感染が確定診断された死亡患者を対象として分析を行ないました。患者の年齢の中央値は68歳で、16人が男性でした。症状が出始めてから医療機関を受診するまでの日数の中央値は2日、入院するまでの日数は5日、検査診断確定までの日数は9.5日、死亡までの日数は13日でした。利用できる情報を持っていた14人の患者の濃厚接触者330人がモニターされました。
また医療従事者についても調査されましたが、他にはH7N9ウイルスに感染した人はいませんでした。
研究チームは致死率(CFR)は19%と算出しました。この値は季節性インフルエンザや2009H1N1ウイルスよりも高く、H5N1鳥インフルエンザよりは低くなっています。しかし研究チームは、専門家がこの疾患を学ぶにつれてCFRの値はおそらく下がるだろうと予測しています。病気が確認されたのが、集団発生が始まって間もない時期でよく分からなかったことから重症化してしまったのだろうと述べています。
チームは早期に抗ウイルス剤を使用するよう促しています。

WHO サウジアラビアからのMERS-CoVの報告を確認(2013年6月5日、CIDRAP)

WHOはサウジアラビアの14歳の少女がMERS-CoV(中東呼吸器症候群コロナウイルス)に感染していることが確認されたと発表しました。一方サウジアラビア当局は以前感染が報告された患者が死亡したと発表しました。
WHOは基礎疾患を持つ14歳の少女がMERS-CoVに感染して5月29日に発症したと発表しました。少女の状態は安定していると述べています。この少女は東部地区に住んでいますが、アルアフサではないと伝えています。アルアフサでは最近病院を拠点とした集団感染が発生し、22人が感染、10人が死亡しています。WHOの短い説明から、この患者はサウジアラビア保健省(MOH)が6月2日に発表した患者と同一と思われます。MOHの極端に短い声明は、この患者は東部地区に住む患者で慢性の心疾患を持っていると伝え、彼女の状態を「安心させる」状態であると評しました。
5日のサウジアラビアMOHの声明はProMED(世界各国からメールで寄せられた感染症情報を掲載するインターネットサイト)に翻訳されて載りました。MOHが以前MERS-CoV患者として報告されたアルアフサ在住の患者が死亡したと発表したとだけ書かれており、患者の年齢や性別その他の情報の記載はありません。
WHOの声明はMERS-CoV患者の合計が54人となり、死亡者数が30人となったと言っています。サウジアラビアの今日の発表は死亡者数を31人に増やすはずです。
しかし、MERS-CoVの真の患者数と死亡者数は多少不明確です。もう1人の患者と3人の死亡者が最近サウジアラビアMOHから報告されましたが、WHOはこれについて言及していません。4日MOHはアルアフサの83歳の男性患者を報告しました。また6月1日にはMOHは以前発表された3人の患者の死亡を報告しています。
一方アメリカCDC(疾病予防管理センター)はMERS-CoVのページに、世界中の合計患者数は55人(WHOよりも1人多い)で、30人が死亡していると掲載しています。CDCとサウジアラビアMOHはともにサウジアラビアの患者数を40人、死亡者数を24人としています。

サウジアラビア 新たに1人のMERS患者を確認 イタリアの8人の無症候感染は誤報?(2013年6月5日、CIDRAP)

サウジアラビア当局は4日、新たに1人のMERS患者の発生を報告しました。一方イタリアからの報道によると、MERSの無症候感染の記事はおそらく誤報だろうと伝えています。
また国際的な専門家チームがサウジアラビアでのウイルスの活動の調査を開始したほか、アメリカのキャサリーン・セベリウス保健長官がこのウイルスの新しい診断検査の使用に道筋をつけるとの緊急宣言をしたとの報道がありました。
サウジアラビア保健省(MOH)は5日午後、極めて短い声明で新たな患者の発生を公表しました。MOHの声明は患者がアルアフサの83歳の男性で複数の慢性疾患を持っていたということだけしか伝えていません。アルアフサは最近22人の院内感染で10人が死亡した病院がある地域です。この患者についてはまだWHOからの公式発表はありません。そのため非公式な数字ですが、MERSの患者数は55人となり33人が死亡したことになります。
4日、イタリアのニュースメディアはフィレンツェの医師の言葉を引用して、イタリアで初となる3人のMERS患者が確認されたと報道しました。また、検査で陽性となった10人の無症候感染者も確認されたとも伝えました。記事は確認検査がローマのSuperior Health Institute(上級衛生検査所)で行なわれたと伝えていました。しかし検査当局は5日、1人も陽性患者は認められなかったと発表しました。
世界各地の医師からメールで寄せられた感染症の情報を公開している「ProMED」にジョバンナ・レッツァ博士は「フィレンツェで確認された患者との接触者がMERS−CoVの検査で陽性だったとの噂が報道機関から流れ、ProMEDでも発表されたが、Superior Health Instituteの検査では無症候の接触者から採取した検体からは1人も陽性反応は確認されなかった」と書いています。「さらにウイルスはまだ特徴づけができておらず、容易に感染を拡げるような重要な遺伝子の変異はまだ確認されていない」と述べています。また、レッツア博士の言葉を引用したイタリアの報道も、MERS患者と接触して当初陽性の検査結果が伝えられていた8人は2度目の検査では陰性だったことを伝えています。
無症候感染の患者の報道は数日前イタリア初の3人のMERS-CoV患者のニュースに続いて伝えられました。最初に感染が確認されたのは5月31日で、患者は40日間ヨルダンに滞在した後にイタリアに帰国した45歳の男性でした。2日後当局はこの男性の2歳の姪と42歳の同僚の感染を発表しました。
無症候感染者確認されたとの噂は、軽症もしくは無症状の人々が発見されないままどんどん広がっている可能性があるのではないかとの物議を醸しだしました。それはこのウイルスに関する大きな疑問の一つでした。現在までに報告された患者の半数以上が致死的でした。イタリアの3人の患者の症状は安定していると言われています。
一方カナダ通信(CP)によれば、WHOが率いる専門家チームが調査のためにサウジアラビアに到着しました。サウジアラビアは最も多くのMERS-CoV患者が確認されている地域です。
記事は、WHOのスポークスマンであるグレゴリー・ハートル氏が、代表団がウイルスがどこに潜んでいるのか、また人々がどのようにして曝露されるのか、重症度のスペクトラムはどうなのかなどについて光を投げかけてくれることを期待すると述べたと伝えています。またWHOのケイジ・フクダ事務長補佐官が、WHOの東地中海地域事務所の伝染病の責任者であるJaouad Mahjour博士と共にこのチームを率いていると伝えています。ハートル氏は、チームのメンバーは10人から15人であり、その中にはカナダ、アメリカCDC(疾病予防管理センター)、FAO(国連食糧農業機関)、OIE(国際獣疫事務局)の専門家が含まれていると話しています。
また、アメリカ保健福祉省(HHS)のセベリウス長官は5月29日の声明の中で、MERS-CoVは「国家の安全と海外で暮らすアメリカ国民の健康と安全に重大な影響を与える公衆衛生上の非常事態となる可能性がある」「連邦食糧医薬品化粧品法第564条に基づき、MERS-CoVの試験管内での診断検査法の緊急使用を許可する状況であることをここに宣言する」と述べました。
HHSのASPR(Assistant Secretary for Preparedness and Response)のスポークスマンであるエリーン・ケーン氏は、この声明はアメリカが現在MERSによって公衆衛生上の非常事態となっているということを意味しているものではないと言っています。ケーン氏はCIDRAPニュースに対して「この宣言はFDAが新型コロナウイルスを検出する新しい検査キットを承認するための法的な調整のために必要な最初のステップです」とEメールで説明しました。「なぜならこれは新しいコロナウイルスであり、これまでFDAによって承認された臨床診断のための特定の診断キットがないからです。EUA(緊急使用認可=emergency use authorization)は、CDCと資格のある検査機関がこの検査キットを国内で臨床診断用に使用するために共有することを認めます」と言っています。 4月19日にセベリウス長官は中国で流行しているH7N9インフルエンザウイルスに関しても同様の宣言を行なっており、試験管内での診断検査法の緊急使用を許可する状況にあると言っています。

MERS感染、10人程度が陽性=イタリア(2013年6月4日、時事ドットコム)

イタリアのANSA通信は3日、中部フィレンツェの専門家の話として、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルス感染検査の結果、10人程度が陽性だったと報じました。いずれも体調不良など症状が出ていないため、隔離措置などは取っていないということです。

上海市の男性患者が死亡 H7N9で38人目の死者(2013年6月3日、CIDRAP)

中国国営の新華社通信は、上海の59歳の男性が5月31日、H7N9インフルエンザで死亡したと伝えました。記事によるとこの男性は2ヶ月近くの間闘病を続けていました。
上海市では、5月31日に報告された最初の3人の患者のうちの2人が市民であったのを初めとしてこれまでに33人の患者が報告されています。15人が回復し、15人が死亡しました。残りの3人は今も治療を続けています。今回の発表前の時点でのWHOの集計では132人の患者が確認され、37人が死亡したとされています

デンマークとオランダがH7型鳥インフルエンザの発生を報告(2013年6月3日、CIDRAP)

デンマークとオランダの家きん農場でH7低病原性鳥インフルエンザが発生し、数千羽のトリが殺処分されました。
6月1日のOIE(国際獣疫事務局)の報告によるとデンマークではヴィボルグ近郊の農場で1,400羽のマガモと12,500羽のキジを処分しました。
ルーチンのサーベイランスによって5月31日にマガモの感染が明らかになったものです。
一方、ロイター通信によるとオランダの当局は、鳥インフルエンザの感染が確認された養鶏場の鶏11,000羽を殺処分にしました。オランダ経済省(Dutch Economic Affairs Ministry )が「鶏はH7低病原性インフルエンザに感染したと思われる」と発表したと伝えています。当局では養鶏場の周辺半径1Kmを安全地帯として設定し、家きんや卵のほか農産品の輸送を禁止しました。他の地域の養鶏場でも検査が行われる予定であると伝えています。
オランダでは2003年に発生したH7型鳥インフルエンザで国内の家きんのおよそ3分の1に及ぶ3,000万羽の家きんが殺処分されたとロイター通信は伝えています。

鶏から鳥インフル抗体=殺処分せず―宮崎(2013年6月3日、ウォールストリートジャーナル日本版)

宮崎県は3日、同県川南町の養鶏場の鶏からH5型鳥インフルエンザの抗体が発見されたと発表しました。ウイルスは確認できず、他の鶏への感染もみられないことから、県は発症しても軽度の低病原性ウイルスに感染した可能性があると分析しています。
県によると、5月にこの養鶏場で2回実施した検査で、それぞれ1羽にH5型の抗体が見つかりました。殺処分はせず、同養鶏場からの生きた鶏や卵の移動を制限し、半径5キロ以内の農場を立ち入り検査します。従業員らの感染検査は行いません。

サウジアラビア 東部地域で新たに1人のMERS患者が発生(2013年6月2日、サウジアラビアMOH)

疫学的なサーベイランスの結果、サウジアラビア保健省(MOH)は、東部地域で新たに1人の新型コロナウイルス(MERS−CoV)患者が確認されたと発表しました。この女性の患者には慢性の心疾患の既往がありましたが、症状は改善しつつあります。
これに関連してMOHは過去24時間に51件の検体を検査しましたが、いずれも陰性だったと発表しました。

新型コロナウイルス、イタリアにも広がる 感染者3人(2013年6月3日、CNN)

世界保健機関(WHO)は3日までに、中東を中心に広がる新型コロナウイルスの感染例が、新たにイタリアでも報告されたことを明らかにしました。 WHOは1日、同国初のケースとして、最近ヨルダンを訪れた男性(45)が感染したと発表。さらに2日、イタリア人女性(42)と女児(2)の感染が確認されたと述べました。3人とも容体は安定しているということです。
新型ウイルスは中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスと呼ばれます。感染者は高熱やせきなどの症状を示し、重症化すると肺炎や腎不全に至ることもあります。
WHOによると、昨年9月以降に報告された感染者は計53人となり、このうち30人が死亡しました。症状の軽い例まで把握することは難しく、正確な感染者数は明らかでありません。
死亡例はアラビア半島のほか、欧州4カ国とチュニジアで報告されています。欧州の患者はいずれも中東と直接または間接的なつながりがありました。WHOのマーガレット・チャン事務局長は先週、MERSは「世界を脅かす」存在になっていると警告していました。

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