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その慣習は、違いを気にする人々の意識から生まれた

 本日2月13日は「名字の日」。1875年(明治8年)の2月13日に、当時の国民全員に名字(姓)を名乗ることが義務づけられた日にちなんで制定されたそうです。

 日本人の姓は、もともとは古の時代、祖先が同じ同族集団を表すために使われた氏(ウジ)、称号や爵位などにも近い形で職業や家柄を表すために用いられていた姓(カバネ)を大本とし、やがて地名や屋号、職業などを、人の属性を区別するために名前の前につける風習が一般化、世の慣習となってできあがったといわれます。

「○○に住む□□」の意味で「○○の□□」のように、住所(○○)の後に自分の名前(□□)を名乗るのは今でも一般的に行われていますが、これは昔からそうだったようです。例えば、伊藤という姓は「伊勢の藤原」の省略形から発しています。

 近代言語学では、言葉は「違い」を示す体系とされています。稲、籾(モミ)、米、飯、粥、日本語ではこれらは「違うもの」として認識されていますが、英語ではこれらはすべてライス(Rice) です。一言で「その違い」を言い表すことができないということは、英語文化圏の人々がRiceの形態の違いを気にしていないことを意味しています。

 日本に限らず、世界中の多くの文化にある姓は、「人がどのグループの一員か」、すなわち人の属性の違いを区別する必要性から自然発生的に生まれたものです。文化によらず、名字、姓によって人の属性の違いを区別する手法が自然発生的に生まれ、習慣化したということは、人は、半ば本能的に「その違い」を気にする存在であるということです。

 顔や指紋の認識など、セキュリティの技術は、「人の違い」見つける必要性を大本にして進化を続けてきています。人の違いの認識、区別が、セキュリティを維持するために不可欠だからです。古の時代、場所や文化によらず、人の属性の違いを表す「姓」という慣習があみ出されたということは、人は本能的に、セキュリティを気にする存在だったという理解も可能なのです。

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