先日、地域住民の治安意識を調査した報告書が警察庁から発表になりました。
「地域の犯罪実態の分析に向けた意識調査に関する調査研究報告書」となっており、2015年の夏、全国のおよそ５万人に回答してもらったもので、居住地域の状況を把握する目的で行われたようです。今回は、この調査結果についてみてみます。

　設問の一番目にある「あなたは、お住まいの地域の治安をどの程度だとお感じですか。」では、"悪い"と"やや悪い"を合わせて９%、"良い"と"やや良い"を合わせて62%となっており、治安が良いと感じる人が圧倒的に多い結果となっています。
　さらに、犯罪ごとに「お住まいの地域で犯罪被害にあうのではないかという不安を感じますか。」を回答してもらっていますが、この中では、一番不安感が高いのが自転車の盗難となっており、"不安に感じる"と"やや不安に感じる"を合わせて43%となっています。
　反対に、最も不安感が低いのは殺人などの凶悪犯罪で、"不安を感じない"と"あまり不安を感じない"を合わせて81%となっています。また、それぞれの犯罪について、被害の有無について聞いていますが、最も高い数字は"自転車の盗難"の９%で、それ以外は５%以下となっています。

　この調査は、運転免許試験場や警察署に免許の更新に訪れた人を対象にしています。このうち、警察署での免許更新者による回答は全体の４%となっており、ほぼ、運転免許試験場での調査といえそうです。
　犯罪件数は減少を続けていますが、体感治安が低いとよく言われます。しかし、今回の調査をみると、身近なところでの不安感は総じて低いといえそうです。

セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
濱田宏彰