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キャッシュレスにまつわる近現代日本史

 歴史は、過去のできごとの記録ではなく、現在進行形、未来へとつながるできごとの連続であると言われています。それゆえ歴史を知ることは、今を知ることにつながります。今回は、賃金の支払われ方という観点から時代を振り返り、セキュリティという観点から見たキャッシュレス社会の進展についていろいろ考えてみたいと思います。

・泥棒にとって給料日前の事業所は恰好のターゲットだった
 昔の日本では、多くの人間が働く事業所は、泥棒の恰好のターゲットでした。賃金を現金で支払っていたため、給料日前の事業所には多額の現金がありました。労働の対価である賃金の支払いの多くが、金融機関口座への振込みになった今では、たとえどんなに多くの人が働いていようとも、オフィスや工場などにある現金は、以前と比べて劇的に少なくなりました。そのため、何の理由もなく一般的な事業所を狙う泥棒は、昔と比べて少なくなっています。

・「賃金現金払い」のリスクが認知されるきっかけとなったある事件
 日本で、賃金の支払いが振込みによって支払われるようになったのは、今でも多くの人々が知っているであろう"ある犯罪"がきっかけだったと言われています。1968年の年末、ある会社の大きな工場に、そこで働く人々の冬のボーナス、3億円の現金が運び込まれようとしていました。しかし、このお金は人々の懐に入ることはなく、運搬途中で奪われてしまいました。世に言う「三億円事件」です。これをきっかけとして、賃金を現金で支払う場合のリスクが社会的に認知され、多くの事業所において賃金の支払いが、現金から振込みに変わったのです。

・人々に少しでも多くのお金を預けてもらうために
 また、当時の日本は、高度経済成長のまっただ中。金融機関では、日本経済を支える多岐にわたる事業所に対して、多くの事業資金の貸出を行う必要がありました。そのため、金融機関は、貸出の原資として、より幅広く人々から預貯金を集める施策をとったのです。金融機関が、取引のある事業所に対して、賃金の支払いを、現金ではなく口座振込で行うように働きかけた理由の一つです。

 当時は、現金自動預け払い機(ATM: Automated Teller Machine)が本格的に普及する前の時代。現金で賃金を受け取った人々は、まずそこから生活費などを取り、残りのとりあえず使わないお金を金融機関に預けるという行動をとっていました。賃金を受け取ってから、それを金融機関に預けるまでの間には、当然タイムラグが生じます。また、入出金については、窓口取引しかなかったことに加え、その時間も平日の昼間に限られていたなど、金融機関利用に関する利便性が大幅に制限されていました。

 そのため、金融機関に行く時間や手間がなかなか取れない人は、現金で受け取った賃金を「タンス預金」にしている人も多かったといわれています。これらの理由から、金融機関にとっては、事業所に賃金として出金した現金が、再び自らの所に戻ってくる割合には限りがありました。泥棒にとっては、事業所だけでなく、一般の家庭においても、どこに侵入してもある一定の現金があることが期待できる時代だったともいえます。

・日本経済が高度成長するための原資としての口座残高
 一方、賃金を事業所で働く人の口座に振り込む「給与振込」では、支払う賃金を金融機関が預かり、働く人の口座に入金します。入金するといっても、双方の口座残高という数字が書きかわるだけで、その瞬間には現金は金融機関からは動きません。賃金を受け取った人間は、必要に応じて自分の口座からそのお金を現金の形で引き出しますが、小出しにするのが一般的であって、金融機関の手元には多くの現金が残る形でした。この金融機関に残った現金が原資となって事業資金の貸出にまわり、それを元手に多くの事業所で業容が拡大、日本経済の高度成長につながっていく要因の一つになったと考えられています。

・賃金支払いから始まった「キャッシュレス社会」が犯罪傾向を変えていく
 このようにして実現した賃金を、現金の形ではなく、振込で支払う「キャッシュレス賃金支払」は、事業所にある現金を圧縮し、それが泥棒の犯罪傾向を大きく変えました。その後に続いた、金融機関の店舗外でも現金を出し入れできるATMの社会への浸透と、その営業時間の拡大、クレジットカード決済の普及、電子マネーの出現などによって、現在の日本は、本格的な「キャッシュレス社会」に移行しつつある過程にあるといえます。

 このような状況で、社会に実際にある現金はどんどん減り、他人の現金を盗む手口が、実際の建物などに侵入して行う窃盗から、「電子化、情報化されたお金」を電子的に窃取する「フィッシング」や、言葉巧みな騙しによって盗み取る「詐欺」などの手口に変わりつつあると考えることができます。今回は、賃金の支払われ方という観点から時代を振り返って考えてみましたが、現代に生きる私たちは、好むと好まざるとにかかわらず、このような日本社会の「キャッシュレス化」への移行と無関係ではいられないのです。

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セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
甘利康文

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