（株）パスコは、1999年にセコムグループ入りし、地理情報サービス事業の領域でセコムグループがめざす「社会システム産業」の一翼を担っています。
　今や空間情報は、国土や企業経営の基盤情報として重要な社会インフラとして認識されていますが、パスコは航空測量のパイオニアとして国や自治体へ地図を提供するなど、公共性の高い業務を行っています。
　今回の現場レポートは東京・目黒にあるパスコ本社を訪ね、守谷陽一課長にお話を伺いました。守谷課長は入社以来、航空測量の技術部門一筋でキャリアを積んだエンジニアです。

Ｑ．パスコの航空測量について教えてください。
　航空測量は、航空機に搭載した測量用のデジタルカメラなどを利用して、空から地上を撮影し、その情報をもとに、空間情報の一つである地図データを作成しています。撮影画像は図化機という専用の機材で立体的に表示させて、道路や建物の形を描いていきます。皆さんが書店で購入される地図はこうして描かれた精密な地図をもとに作られています。
　また、航空機からレーザーを使って地表面の形状を測定し、河川の氾濫解析や土砂災害時の土量解析に利用できる３次元データの作成も行っています。このように、パスコでは最先端技術を活かし、お客さまのご要望にあった地図データの整備や更新を行っています。

Ｑ．担当している仕事について教えてください。
　現在は、地図データ作成業務の進捗管理が主な担当業務です。
　地図データは、お客さまのご要望によって、必要となる精度・縮尺や表現する項目が異なります。私の仕事は国や自治体への対応が多いのですが、都市計画や固定資産評価の基礎資料となる地図データや、上下水道や道路など設計や維持管理に利用できる地図データを作成しています。
　地図データの作成は法律で定められた作業規程に従って作業を行っています。私たちが作る地図データは道路や家屋など項目ごとに整理しているため、お客さまが必要な情報のみが抽出できます。縮尺が1/500といった大きな地図ではマンホールや電柱の位置まで取得するため、インターネット上で目にする地図や書店に並んでいる地図などに比べて、詳細な情報が含まれた地図データを作成しています。

Ｑ．日ごろどういう思いで働いていますか。
　私たちの仕事は、言うなればゼロから地図を作る、やりがいのある仕事だと思います。しかし、地図を作る仕事は非常に根気がいります。道幅や建物の名称を現地で調査したり、建物の一つ一つをこつこつ描くなど、地味な作業が多いです。広い地域の地図を作成する場合、２年以上かけてデータ作成する場合もあります。何もない白紙の状態から地図を作り上げ、お客さまから感謝の言葉をいただいたときの達成感は格別です。利用者から満足していただけるデータを作成するために、"お客さまの立場に立って物事を考えること"を常に心掛けています。

Ｑ．今後の抱負を教えてください。
　地図データなど空間情報を取得する技術は常に進歩していますが、今後も地道にていねいにデータを作成していきたいと思います。ただ、同じことを続けていても進歩はありません。私自身の知識を広げていくとともに、同じ部署のメンバーに対しても特定分野だけではなく、他分野の経験ができるような職場環境を整えることも必要と考えています。
　私たちが作った地図データの多くは行政機関で利用されています。私たちの仕事が社会基盤となり、行政の計画やインフラの管理に利用されているので、基本を忘れず、新しい事へのチャレンジ精神を持って空間情報サービスの基礎となる高品質な地図データを提供していきたいと思います。


（参考)
・（株）パスコはこちら
・"全体像"で理解する現場レポートはこちら

セコム株式会社
コーポレート広報部