能美防災（株）は、創業以来、日本における防災ビジネスのパイオニアとして、多くの施設に自動火災報知設備や消火設備をはじめとする各種防災システムを提供しています。
研究・開発から生産、施工、メンテナンスまでを一貫するサービス体制を自社で持ち、お客さま一人ひとりのニーズに対して、きめの細かいサービスを行うことで、最適な防災システムを構築しています。

　セコムとは1974年から業務提携を始め、2006年にセコムグループ入りし、防犯と防災という社会の安全を守る上で不可欠な分野で大きなシナジーを発揮しています。

　今回は、前回に引き続き、能美防災を訪ね、海外事業部の大谷公則課長に話を伺いました。大谷課長は、入社16年のキャリアを持ち、そのうち９年間を自動火災報知設備の開発プロジェクトや販売に携わっていたという、まさに自動火災報知設備のプロフェッショナルです。

Ｑ．担当している仕事について教えてください。
　現在は、海外事業部に所属し、北米市場（主にアメリカ）を担当しています。能美防災の海外進出は約30年前から行っており、現在の海外の拠点は４カ所、販売実績は、中国、東南アジア、中東、アフリカ、北米など世界各国におよびます。
　自動火災報知設備の市場を世界的に見ると、世界の標準は、アメリカの規格になっています。そこで５年前に、アメリカの防災メーカーと業務提携し、北米市場で販売する自動火災報知設備の共同開発プロジェクトが立ち上がりました。私は、そのプロジェクトに当初からかかわっており、契約、開発、検定、生産、物流、販売などプロジェクトを総合的にコーディネートする役割を担っています。

Ｑ．日ごろ、心がけていることを教えてください。
　いつも心がけていることは、コミュニケーションのスピードと質です。アメリカとの仕事のやりとりは、時差の関係でメールでのやりとりが主になります。普通に仕事を行っても１日のロスをしてしまうので、レスポンスを早くすることは最重要の課題です。

　また、外国とのやりとりは、文化的な違いもあるわけですから、ことさらコミュニケーションが大切になってきます。コミュニケーションで意識していることは、相手がこのくらいはわかっているだろうではなくて、わからなくて当たり前だと思って、丁寧なコミュニケーションを図ることです。そうすることで、相手の真意を捉えることができると思っています。

Ｑ．仕事で苦労されたことを教えてください。
　仕事とは違うかもしれませんが、海外事業部に異動が決まると同時に、社内の研修制度で半年間アメリカに研修へ行かせていただきました。参加資格ぎりぎりの英語レベルでしたので、正直にいうと講義についていくのが精一杯でした。どんな宿題が出されたのかわからないくらいでしたので、その頃は苦労しました。

　ただし、その苦労があるおかげで今は、日本の安全だけでなく、世界のお客さまの安全を考えられるようになりました。この部署に配属されて、世界中の火災に関する取り組みや商品を学べたことは、私の視野を広げました。「世界中の方々を火災事故から守る」こんな使命感が生まれたのも、海外のさまざまな方とのやりとりがあったからこそだと思っています。

Ｑ．今後の抱負を教えてください。
　私たちは、単に「モノ」をつくり「モノ」を売るということでは、使命は果たせないと思っています。私たちがめざすものは、防災を通じて人々により確かな安全をご提供し、安心して生活できる環境づくりをバックアップすることです。
　これは、世界のどこへ行ってもまったく同じことで、世界中の方々を私たちの商品でお守りし、世界中に安全を提供したいと思っています。


（参考）
・"全体像"で理解する現場レポート

セコム株式会社
コーポレート広報部