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津波などの天災と相対した先人 〜濱口梧陵という人物〜

 皆さんは、濱口梧陵(はまぐち ごりょう)という人物をご存じでしょうか? 1820年に生まれ、幕末期から明治初期にかけて活躍した人物です。経済人としての活躍もさることながら、津波や疫病に対する防災活動を積極的に行った奉仕活動家です。

 彼は、1854年に発生した安政大地震で紀伊半島一帯を大津波が襲った際に、田んぼに積まれた稲ワラの山(稲むら)に火を放つことで、村人を避難誘導して多くの人の人命を救ったことで知られています。彼のとったこの行動は、明治時代に日本文化を紹介する著作を多く著した小泉八雲によって「A Living God」(生き神様)という、英文の短編小説にまとめられて世界に紹介されています。また、この短編小説を元に「稲むらの火」という、子ども向けの読み物が書かれており、これは当時の小学校の国語の教科書に掲載されて、多くの子どもたちの防災啓発に役だったようです。

 その後、彼は巨額の私財を投じて、被災者のための仮設住宅の建設や、生活用品の調達などを行った他、津波に備えた堤防(広村堤防)を作る工事を行いました。その時に築かれた堤防は、安政大地震から90年以上を経て、1946年に発生した昭和南海地震の津波から、多くの人々の命と生活を守りました。

 アメリカでは、本土保安省(DHS)で整理された危機管理の手順があります。それによると、「リスク低減」と「事前準備」を十分に行って危機発生に備える。いざ危機に直面した場合、事前準備に則って「初動対応」。そして、危機が通り過ぎたあとの「復旧」という各フェーズをつつがなく進めることとなっています。濱口梧陵が津波の際にとった行動は、この危機管理の基本的な考え方に、実にうまく合致していることが分かります。

 先日のチリ地震では、大きな津波が日本にも来るという事前の十分な情報と、当局からも警報が発令されたにも関わらず、多くの人々が適切な行動をとらなかった事例が多数報告されています。まず、私たちは災害対応でよく言われる「自助・共助・公助」のうちの「自助」に重きを置いて、自分を守るための「リスク低減」と「事前準備」を十分に行い、いざという時の「初動」が適切にとれるようにしなければなりません。

 日本列島は、世界的に見ても、大きな地震や台風などによる災害が集中して発生する天災列島です。津波などの天災と果敢に戦った濱口梧陵のような先人から、学ぶところは多いのではないでしょうか。



セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
甘利康文

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