2006年8月14日
セコム株式会社
ATM盗撮を素早く“見つけて”、“知らせて”、“探し出す”
「ATM盗撮被害防止サービス」を提供開始
キャッシュカード情報の漏えいを防止、不正引出しから預金を守る
 セコム株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:原口兼正、資本金:663億円)は、2006年1月から販売中のATMの盗撮を防御する「盗撮防止カバー」に加え、新たに、盗撮電波を監視し、盗撮があった場合、セコムの画像センターで確実にATMの盗撮画像を確認できる「ATM盗撮被害防止サービス」を開発し、8月15日から販売を開始します。

 特に今回の「ATM盗撮被害防止サービス」は、わが国で初めて、盗撮を素早く検知すると、ATMの利用客に盗撮をお知らせし利用中止を促すとともに、監視カメラの録画から取り付け行為の画像を確認し、盗撮画像から盗撮器位置の割り出しを遠隔地から短時間で行えるサービスとなっています。

  近年、ATM利用客のキャッシュカード番号・暗証番号の情報取得を目的として、ATMの操作画面とカード挿入口を撮影できる“無線画像伝送機能付き小型カメラ”を取り付けた盗撮が横行し、これで知り得た情報からキャッシュカードを偽造することで、不正に預金が引き出される犯行が社会問題化しています。

  セコムでは、そのような新たな手口を横行させないため、操作画面やカード挿入口の撮影を防御する「盗撮防止カバー」をいち早く商品化し、効果的にご利用いただいています。しかし、「盗撮防止カバー」は、設置数の多いATMに対し、低コストでキャッシュカード関連情報の盗撮を防御できるという非常に大きなメリットがありますが、盗撮行為自体を即座に発見したいというご要望には十分にお応えできないため、このたびの「ATM盗撮被害防止サービス」の開発に取り組んできました。

  盗撮は通常、ATMに無線式小型カメラを取り付け、周辺で犯罪者が受信器を持ち映像を録画して盗撮が行われますが、その電波を監視することで盗撮の発見は可能です。しかし、世の中には盗撮の電波以外にも、無線LAN、携帯電話、テレビ・ラジオ放送電波、タクシーの業務用無線等の合法な電波や、電子機器が発するノイズ電波、国内非適合無線機等の違法な電波と、さまざまな電波があふれており、従来の電波強度から割り出す方法では誤報が多発することとなります。

 セコムでは氾濫する電波の中から画像特有の信号を抽出する技術を用い、画像電波のみを検出。さらにその画像を通信回線でセコムの画像センターに送信し、ATMの撮影画像を画像センター側で確認することで、ATM盗撮行為のみを確実に検知することができる「ATM盗撮検知システム」を開発しました。このシステムにより、カメラを仕掛けて10分程度の録画で退散するような短時間犯行に対しても、いち早く異常を捉え、撮影されている画像自体を確認することで取り付け位置を素早く割り出すことが可能となります。

  今回の「ATM盗撮被害防止サービス」は、この「ATM盗撮検知システム」と、「セコムIX」の機能を組み合わせることで、セコムの画像センターから、店舗内監視カメラで盗撮ATM利用のお客様を確認した場合には、音声で緊急対処員到着まで使用を控えるよう注意喚起したり、遠隔制御機能付き監視カメラ録画装置により不審者の行動記録確認を行うことで、盗撮からカード情報の流出を確実に防ぎ、犯罪の早期解決、拡大防止への貢献を可能とします。
■「ATM盗撮被害防止サービス」の概要
ATM周囲の電波を常時監視。
無線電波の中に画像信号を検出した場合、セコムの画像センターへ盗撮異常信号と盗撮画像を合わせて送信。
セコムの緊急対処員に該当のATMに急行を指示するとともに、金融機関に連絡。  セコムの画像センターでは、盗撮されている画像から取り付け位置を想定し、短時間での盗撮カメラ発見を支援。
「セコムIX」の店舗内監視カメラと接続することで、セコムの画像センターから店舗内の状況を確認し、利用客がいる場合には、店舗内スピーカーを使って緊急対処員が到着するまでATMの利用を中止するよう注意を喚起することも可能。
セコムの遠隔制御機能付き監視カメラ録画装置と組み合せることで、セコムの画像センターから録画装置に記録された過去の監視画像を遠隔確認し、不審者の存在を画像検索することも可能。

 セコムでは、すでに低コストで効果的な「盗撮防止カバー」を販売しておりますが、今回、盗撮装置設置の早期発見・実害防止・犯罪の早期解決に効果的な「ATM盗撮被害防止サービス」を新サービスとしてラインナップに加え、全国の金融機関のATMコーナーやブースに展開することで、ATM盗撮犯罪の撲滅に努めます。
またさらに、高度な画像センシング技術を使い、盗撮カメラ等の不審物を設置された時点で異常検出することや、利用客以外による不法占拠の検出など、ATMコーナーやブース全体のセキュリティ強化に向けて、今後も研究・開発に取り組んで参ります。

(報道関係のお問合せ先)
■ セコム株式会社 広報室 安田 TEL:03-5775-8210