2002年10月1日
セコム株式会社
わが国初の本格的な指示者追尾型ロボットを開発
 セコム株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:木村昌平、資本金:663億円)は、創業以来、社会に安全・安心をお届けしてきましたが、このたび、社会システム産業に必要な技術やシステムの開発を行う中で、セキュリティ分野において「人にしかできない移動をともなう行為や作業を代替させること」を目的とした、わが国初の本格的な指示者追尾型ロボット(プロトタイプ)を開発いたしました。

 セコムでは、セキュリティシステムの普及を通じて培ってきた日本最大級の情報通信ネットワークをベースに、情報、医療、教育、損害保険、地理情報サービスの各分野において、社会にとって安心で、便利で快適なサービスを創造し、複合的・融合的に提供する「社会システム産業」の構築に取り組んでいます。その一環として、本年5月、手の自由がきかず、自力で食事をすることができなくなった方が、ジョイスティックの操作等をするだけで、自分のペースで食事ができるようにサポートする日本初の食事支援ロボット「マイスプーン」を商品化するなど、ロボットの分野でも先進的な研究・開発を進めております。

 このところ、ロボットが人間の生活空間へ進出し、特にエンターテインメント、あるいは癒し系といった用途で商品化が図られております。これに対して、セコムがめざすロボットは、セキュリティや医療、福祉などのフィールドで、人にしかできない移動を伴う行為や作業を代替させること、すなわち「人の行動の代わりが確実にできる」ことをめざしています。

 その実現のためには、(1)人間と同じスピードで行動することができる、(2)人間と同じところ(階段・坂・段差等)を移動することができる、(3)障害物をよけながら指示者を追いかけることができる、という基本要件を満たすことが必要となりますが、これらを満たすロボットの基本機能を確立し、これをベースとすることにより、セキュリティや介護・福祉などの分野において、人間の代わりとなり、力強いパートナーとなるロボットの開発が可能となります。

 セコムは、この基本要件を満たすロボットの第一弾として、このたび、現金護送用のわが国初の本格的な指示者追尾型ロボット(プロトタイプ)を開発いたしました。このロボットは、音声により指示者(現送隊員)を認識し、貴重品運搬の際、平地はもちろんスロープや階段も人に従って走行するなど、自分で状況を認識しながら、指示者(現送隊員)を追尾していきます。さらに緊急時には、威嚇音・音声に加え、電撃装置や発煙装置などにより、現金や貴金属を襲撃犯から防御する機能ももった近未来型ロボットです。

 セコムでは、このたび開発した現金護送用の指示者追尾型ロボット(プロトタイプ)をベースとして、今後、セキュリティのほか、医療・福祉などいろいろな分野において、「人の行動の代わりが確実にできる」ロボットの開発を行っていきます。

 今回開発した現金護送用指示者追尾型ロボット(プロトタイプ)の主な機能と仕様は以下の通りです。

現金護送用指示者追尾型ロボット(プロトタイプ)
 
■機能
  • 現送隊員認識・追跡機能
  • 障害物回避機能
  • 階段・障害物走行機能
  • 非常通報機能
  • 警送品の物理的防護(金庫)機能
  • 威嚇機能(威嚇音・音声/威嚇ランプ/電撃装置/発煙装置等)
  • 現在位置送信機能(ココセコム)

■仕様
外形寸法 約1200(長さ)×870(幅)×1400(高さ) (mm)
質量 約380kg
走行速度 定地走行時 0〜約1.1m/s (時速約4Km) 
駆動装置 定地走行時 ⇒ 車輪駆動
階段走行・段差走行時 ⇒ クローラ駆動
電源 内蔵バッテリー
 
<お問い合せ先>
セコム株式会社 広報室 吉田 TEL: 03-5775-8210

「わが国初の本格的な指示者追尾型ロボット」
ロボット写真1ロボット写真2

以上