2000年3月24日
  セコム株式会社
日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社
鹿島建設株式会社
セコム、日立ソフト、鹿島の3社が提携
従来のセキュリティからサイバーセキュリティまで
融合した初の“ビルセキュリティインフラ”を提供

 セコム株式会社(本社:東京都新宿区、社長:杉町寿孝、資本金:657億円)、日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社(本社:神奈川県横浜市、社長:兼清裕幸、資本金:316億円)、鹿島建設株式会社(本社:東京都港区、社長:梅田貞夫、資本金:640億円)は、3社それぞれの分野で培ったノウハウと技術力を結集させ、ハード面・ソフト面双方のセキュリティを高度に融合させた、日本初のネット社会に本格的に対応するトータルセキュリティシステム「SecureTower(セキュアタワー)21」を、4月1日から提供します。

 今日、インターネット、イントラネットの普及に伴い、EC(電子商取引)などネットワークを通じたビジネスが急拡大しています。ネットワークは、今や企業や組織にとって生命線となっており、ネットワークに流れるデータはその最も重要な資産の一つとなっています。このため、昨今のサイバーテロなどの事件は、企業活動の根底をゆるがしかねない大きな脅威になっており、ネットワークに流れるデータばかりでなく、ネットワークや情報システムそのものを含むセキュリティ(サイバーセキュリティ)の確立が急務となっています。

こうしたサイバーセキュリティを確固たるものにするために、サイバーセキュリティだけでなく、企業や組織の活動拠点となるビルのセキュリティ・入退出管理や防災など、建物や施設を中心とした、従来からの物理的な財産を守るセキュリティ(フィジカルセキュリティ)も含め、これらを一元的に管理するトータルセキュリティシステムが不可欠となってきました。

 このたび新しく提供する「SecureTower21」は、フィジカルセキュリティでは、より強化された安全・快適環境を備え、サイバーセキュリティでは、ネット社会に対応した電子認証技術を含む高度なセキュリティ環境を備えており、次世代のビル空間の“セキュリティインフラ”と言えるものです。

このシステムの特徴は、
1. オンラインセキュリティシステム、入退出管理システムなどのフィジカルセキュリティ、イントラネット、エクストラネットなどのネット環境におけるサイバーセキュリティ、さらに金銭決済機能までを備えたICカードシステム等々、これまで個別に導入されてきたものを統合的なシステムとして提供することができます。

2. また一歩進めて、サイバーセキュリティでは、認証システムまでをも包含した情報セキュリティを組み込むことで、従来のID/パスワード等に代表される簡易認証方式を超えた、世界標準となりつつある公開鍵インフラ (PKI)による高度な認証サービスを提供することも可能です。

3. さらに、これらを設計段階から組み込むことで、セキュリティの向上はもとより、集約効果による効率性向上、さらには経済的かつコストバランスのとれた、多面的にメリットが得られるトータルセキュリティシステムとなっています。

4. ビルオーナーにおいては、企画・設計段階から導入することにより、コストに配慮した高付加価値ビルの建設が可能となり、テナント募集時の差別化メリットがもたらされます。また、テナント企業においては、安全性・利便性を備えた高度なビジネス環境による競争力確保とともに生産性の向上が期待できます。加えてそこで働く人々には、快適かつ高機能な作業環境が享受できます。

 セコムは、セキュリティの最大手として、大規模施設から家庭まで約58万5千件の契約先を有し、セキュリティシステムの開発から運用まで膨大なノウハウを蓄積しています。さらに社会システム産業を志向する中で、ネット上のセキュリティであるサイバーセキュリティ事業を推進しています。
 日立ソフトは、情報システムサービス業界のリーディングカンパニーとして公共、金融等の大規模システムを構築しています。また、javaやweb、E-コマースなど最先端の分野でも実績をあげています。とくに、セキュリティに関しては各種のセキュリティ製品の提供とトータルセキュリティシステムのSI事業を展開しています。
 鹿島は、総合建設業の大手として、企画・立案から建設、施設の運転、アフターケアにいたるまで多分野の最先端技術を持つ技術者による総合力で、耐震・制震、電磁シールド、環境配慮設計等のあらゆるニーズに応えてきております。

 これら3社は、各々の技術、ノウハウ、経験を結集し、ビルを利用するすべての人々に安全で快適な環境作りを行うとともに、ビル全体の設備機器の保全、監視、環境衛生、防犯、防災、情報のセキュリティなど、ビル環境を守るすべての業務をシステム化して捉え、企画、設計から施工、運用までを一括管理して行います。その結果、これまでにない利便性、生産性、経済性、機密性を考慮したトータルなセキュリティを提供できるものと確信しております。

 販売先は、オフィスビル、商業施設、病院、工場施設、研究施設、港湾空港施設など、幅広い用途の建物・施設が対象となります。

 売上目標は、初年度(平成13年度)3社で120億円。H17年度には年間550億円の売上を見込む。

「SecureTower21」の概要

1.ビルを取巻く環境におけるセキュリティ課題
内部における問題点 外部からの問題点
  • 建物計画の段階からトータルなセキュリティポリシーの確立がない。
  • Physical SecurityとCyber Securityを個別に構築しているため、重複による投資過剰や対応漏れのセキュリティホール"が危惧される。
  • 問題点やその有効な対策のノウハウのフィードバックが図れない。
  • セキュリティ問題発生時のクイックレスポンスが図れない。
  • インターネットによる外部からのセキュリティホール攻撃にさらされている。
  • ウイルス被害が急増している。
  • 従業員による外部環境からのアクセスにより情報漏洩の可能性が高まっている。
  • ホームページ改ざんなどの危険性が高まっている。
  • 外部委託業者のなりすましなどによるハード資産そのもの盗難の懸念も出てきている。

2.「SecureTower21」におけるお客様のメリット <「SecureTower21」お客様のメリット>
立場 新ビル建設時の効果 既存ビルリニューアル時の効果
オーナー
  • 企画・設計段階からの導入によるコストダウン
  • 高付加価値による差別化→募集時のセールスポイント
  • 安全性,機能向上によるテナント料UP
  • テナント募集時のセールスポイント
  • 資産価値の向上
テナント
  • 高度なビジネス環境による競争力,人材の確保
  • 安全性,利便性に優れたオフィス環境の確保
  • 防災防犯等の未然防止及び被害の最小化
  • 従業員への快適オフィス環境の提供
  • コストパフォーマンスの良いテナント料
  • ビジネス環境の高度化による業務効率向上
  • 空調,照明などをより経済的に利用可能
  • より利便性の高いオフィス環境の享受
入居者
  • 快適,高機能な作業環境による業務効率向上
  • 安全性,利便性の享受
  • 防災防犯に優れ被害を最小限に食い止めること
  • 作業環境の高度化による業務効率向上
  • より高度なサービスの享受


3.SecureTower21」サービスモデル概要(PDF80KB)

「SecureTower21」サービスイメージ(PDF257KB)