西日本でも勢力拡大中!

納豆はご飯のお供として、蕎麦やうどんの具として、また各地の郷土料理にも多く使われている日本の食文化に欠かせない食材です。納豆発祥の歴史ははっきりとしていませんが、平安時代にはすでに「納豆」という言葉が存在したと言われ、江戸時代には江戸や京都で「納豆売り」が毎朝納豆を売り歩いていました。納豆は福島県や茨城県など主に関東以北で消費量が多く、西日本ではあまり食べられていませんでしたが、1990年代後半からスーパーなどの店頭でも普通に見かけるようになり、東西の消費量の差は縮まりつつあります。

「納豆菌」の力で大豆から納豆へ

現在は1年中食べられていますが、納豆は冬の季語であり、もともとは主に冬に食べられていました。蒸した大豆を稲のわらで包み、40度ほどで保温して置いておくと、わらに付着している納豆菌が増えて発酵し、納豆ができあがります。現在の製法は、培養した納豆菌を蒸した大豆に加え、発泡スチロールや紙パックに入れて保温して発酵させたもの。大豆を丸ごと煮た「丸大豆納豆」、煎った大豆を粗く挽き、表皮を除いてから煮る「ひきわり納豆」が流通しています。また、山形県米沢市の郷土料理で、ひきわり納豆に塩と麹を混ぜて樽で熟成させた「五斗納豆」は、塩分を控えめにして「雪割り納豆」として販売されています。

古くから伝えられる栄養価の高い食材

古くから納豆は栄養価の高い食べものとして知られ、「納豆どきの医者しらず」「納豆は夏負けの妙薬」など、さまざまな言い伝えが残されています。納豆の原料は大豆で、良質なたんぱく質やビタミンB群が豊富ですが、大豆は消化されにくいのが欠点でした。しかし納豆は、納豆菌のはたらきで消化吸収が良くなるので、大豆の栄養素を効率良く摂取できます。また、納豆には特有の酵素「ナットウキナーゼ」が含まれていて、血液をサラサラにしたり、血圧を下げたりするはたらきがあり、生活習慣病予防が期待できます。ナットウキナーゼの効能は食べてから8時間程度なので、納豆は毎日食べるのが効果的と言われています。

冷凍保存は冷蔵庫で自然解凍!

納豆は発酵食品なので保存食のイメージがありますが、賞味期限は出荷してから1週間程度と意外に短くなっています。これは納豆菌の発酵が進むにつれ、ニオイが強くなり風味が落ちるため。特に小粒納豆やひきわり納豆は空気に触れる面積が多い分、発酵が進みやすいので、できるだけ早く食べるようにしましょう。食べきれない場合は、冷凍保存することができます。多少食感や風味は落ちますが、容器は閉じたまま、さらに保存袋などにいれて冷凍し、食べる前日に冷蔵庫に移して自然解凍しましょう。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん


スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

納豆はさまざまな効能が知られている身体に良い食材の代表格。毎日食べることをぜひ習慣にしてほしい食材です。納豆菌やナットウキナーゼなど特有の栄養素だけでなく、食物繊維、カルシウム、鉄分、ビタミンB群などが豊富。また、カルシウムが骨や歯に結合するのを助けるビタミンK2も豊富で、骨粗しょう症予防にも役立ちます。毎日飽きずに食べるのに欠かせないのが薬味ですが、栄養的には青ネギやしそがおすすめ。納豆に含まれないビタミンAが豊富で、匂い成分がビタミンB群の吸収を促します。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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