種類によって個性いろいろ...好みの長いもを探そう!

長いもは中国が原産地。紀元前から食べられていたと言われ、中国からアジア一帯に広まりました。長いもは大きく分けると「ナガイモ」「ツクネイモ」「イチョウイモ」の3種で、もっともポピュラーなのはまっすぐ長い形をしたナガイモ。水分が多く粘り気が少ないため、シャキシャキした食感を活かしたサラダに向いています。ツクネイモはもっとも粘り気が強く、濃厚な食感。奈良県や兵庫県など関西が産地で、京料理の料亭などで使われる高級食材です。ナガイモとツクネイモの中間の粘り気があるイチョウイモは、関東で人気。「ヤマトイモ」と呼ばれたり、とろろに向くので「トロロイモ」とも呼ばれます。

麦とろごはんは栄養的にもオススメ!

長いもの主成分は、他のいも類と同様にデンプンです。デンプンは生食では消化が悪いので、加熱して食べますが、長いもは生食できる珍しいいも類です。これは、デンプン分解酵素のジアスターゼ(アミラーゼ)が豊富で消化が良いため。長いもをすりおろしたとろろは麦ごはんにかけて食べるのが定番ですが、パサつきがちな麦ごはんをとろろの粘りが食べやすくするのに加え、麦に含まれるビタミンB1や食物繊維などの栄養素の消化吸収を良くする理にかなった食べ方なのです。とろろにする時は、目の細かいおろし金か、すり鉢を使うと、キメが細かく舌触りがなめらかになり、ジアスターゼのはたらきも良くなります。

「山のウナギ」と言われるパワー食材

長いもは「山のウナギ」と言われるほど、精力が付く食材として知られていますが、これはネバネバ成分のムチンのはたらきです。ムチンはたんぱく質の吸収を良くし、新陳代謝を促すため、疲労回復につながります。他にも、胃の粘膜を保護して胃腸の調子を整えたり、細胞を活性化して老化を防ぐなど、さまざまな効能が期待できる成分です。また、長いもは体内の老廃物を排出するのに欠かせない食物繊維とカリウムも豊富。便秘を改善したり、高血圧の予防にもつながります。

カットしたら早めに食べきるべし!

長いもは表面に張りがあり、傷がなく、重みがあるものを選ぶようにしましょう。まっすぐ長い形をしたナガイモは、ひげ根が細かく付いているものが良品です。新聞紙に包んで冷暗所に保存すれば、1ヶ月以上もちます。カットされているものは、できるだけ太く、切り口が白くみずみずしいものが良く、切り口が変色しているものは鮮度が落ちているので避けます。保存するときは、切り口をしっかりラップに包み冷蔵庫で保存しますが、切り口から傷んでくるので、1週間以内に食べきるようにしましょう。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん


スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

長いもは、栄養豊富で滋養強壮に良い食材です。皮をむいた長いもを触るとチクチクすることがありますが、これは皮付近に含まれるシュウ酸カルシウムによるもの。シュウ酸カルシウムは酸に弱いので、手に酢水をつけてから料理すると、かゆくなりません。また、皮をむいた長いもを酢水に浸けると、変色を防ぐことができます。とろろやサラダなど生食が一般的ですが、ソテーや揚げ物も美味。加熱すると、生食とは違ったホクホクした食感が楽しめます。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

  • 前へ
  • 次へ