「たらふく食べる」語源にもなった大食漢

冬になると鍋の具として大活躍する鱈。産卵期を迎える12~3月の寒い時期が旬です。身が雪のように白く、雪が降る時期においしくなることから「魚」に「雪」と書くことはよく知られていますが、大きな口をあけて手当たり次第に食べる様子から「大口魚」とも呼ばれ、「たらふく食べる」の語源にもなっています。世界中で親しまれている魚で、いろいろな料理の食材として活用されており、重要な水産資源となっています。

白子があり、味も良いオスが人気!

日本で「鱈」と呼ばれるのは、主に真鱈、スケトウ鱈、コマイの3種です。真鱈は成魚になると1mを超える大型魚で、精巣である白子があり、味も良いとされるオスの方が高値で取り引きされます。北海道稚内市の特産品である棒鱈は真鱈の干物で、京都のお正月には欠かせない1品です。スケトウ鱈は真鱈よりも小型・細身で、身は水分が多いため鮮度が落ちやすく、主にかまぼこやちくわなどの練り物の原料になっています。スケトウ鱈の卵は、たらこや明太子の原料として重宝されています。また、鱈の胃は、韓国料理のチャンジャの原料。コリコリとした食感で人気です。

消化が良く、離乳食や介護食にピッタリ

鱈は高タンパク低脂肪のヘルシーな食材です。ほぐれやすく消化が良いので、胃腸が弱ったときや、離乳食や介護食のタンパク源として重宝します。ビタミンでは、B12、D、Eが魚介類の中では豊富に含まれています。ビタミンB12には、造血のビタミンといわれる葉酸とともに、新しい赤血球を正常につくる作用があります。また、ビタミンDにはリンやカルシウムの吸収を助け、骨や歯を丈夫にするはたらきがあり、ビタミンEは活性酸素を抑え、生活習慣病の予防や免疫力向上が期待できます。

鮮度が落ちやすいので要注意!

鱈を選ぶときは、目が黒々として皮に張りがあるものが新鮮です。切り身はうっすらと透明感があり、切り口の角がしっかりと立ち、弾力があるものが良いでしょう。鮮度が落ちるほど身が白くなり、臭いが出てくるので注意します。また、生鱈を冷蔵庫で保存するときは、薄く塩を振ると、余分な水分が出て身がしまっておいしくいただけますが、鱈は鮮度が落ちるのが早いので、買ってきたらできるだけすぐに食べるようにしましょう。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん


スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

淡白な味わいの鱈は、鍋物や煮物など和食はもちろん、ムニエルや甘酢炒めなど、洋食や中華にも合わせやすい食材です。風邪をひきやすい冬に欠かせないビタミンAは含まれますが、ビタミンCが不足気味なので、白菜や大根、ジャガイモなどを一緒に食べると、さらに風邪予防効果が上がります。また、卵であるたらこや明太子はビタミンE、B1、亜鉛などを豊富に含みますが、塩分やコレステロール値が高いので、食べすぎには注意してください。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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