広まったのは製粉技術が発達した江戸時代

トウモロコシ、米と並んで世界三大穀物である小麦。世界の年間生産量は約6万トンにもなります。日本には弥生時代に中国から伝わったと言われていますが、一般的になったのは製粉技術が発達し、うどんやまんじゅうが作られるようになった江戸時代以降。明治時代に入ると欧米からパンや洋菓子が伝わり、生産量・消費量ともに増加しました。1960年代には自給率40%を超えるほどになりましたが、アメリカやカナダから安い小麦が大量に輸入され、さらに日本の湿潤な気候が乾燥を好む小麦にあまり合わず不作が続いたことから、生産量が激減。現在は自給率13~14%ほどですが、国産小麦の需要は伸びていて、一時期よりは生産が拡大傾向にあります。また、国産小麦の約7割は冷涼な北海道で生産されています。

写真:今回の食材

小麦の種類はグルテンによって分けられる!

小麦は含まれているグルテン(たんぱく質)の量で大きく4種に分類されます。グルテンの量がもっとも多い硬質小麦は主に強力粉となり、粘りがあるのでパンや中華麺に適しています。一方でグルテンが少なく柔らかい軟質小麦は主に薄力粉となり、天ぷらなどの料理やケーキなどのお菓子向き。硬質と軟質の間の中間質小麦は主に中力粉となり、うどんなどの麺類に使われています。また、柔軟で弾力性の強いデュラム小麦は、シコシコとした食感のコシの強いパスタの原料として使われています。小麦粉を選ぶときは、用途に合わせて選びましょう。

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身体や脳を動かす重要なエネルギー源!

小麦のひと粒は「胚乳」「表皮」「胚芽」の3つの部分からできています。小麦粉になる部分は胚乳で、約8割を占めます。主な成分は炭水化物であるでんぷんで、身体や脳を働かせるために必要なエネルギー源となります。また、たんぱく質も10%前後含まれていますが、不足している必須アミノ酸があり、ビタミンやミネラルも少量しか含まれていないので、補う必要があります。小麦が原料のパンやうどん、パスタを主食にするときは、肉や卵、乳製品や野菜などを一緒に摂取することをおすすめします。

保存は湿気とニオイに注意!

小麦粉は湿気を嫌うので、できるだけ涼しい乾燥した冷暗所で保存します。湿気防止のためと、虫が侵入するのを防ぐため、しっかり密閉します。また、臭いを吸着しやすいので、強い臭いの近くには置かないようにしましょう。小麦粉は常時冷蔵する必要はありませんが、夏の湿気が気になるときは冷蔵庫で保存してもOKです。冷蔵庫は臭いが移りやすいので、しっかり密閉してください。また、パスタやうどんなど小麦粉を使った乾麺も湿気に弱いので、密封して涼しいところで保存します。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん


スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

私たちが普段から食べているパンや麺類は、小麦の「胚乳」から作られていることがほとんどですが、胚乳以外の「表皮」「胚芽」にも身体に嬉しい栄養素がたっぷり含まれています。表皮は「小麦ふすま」(ブラン)と呼ばれ、食物繊維や鉄分、カルシウムを豊富に含み、シリアルの材料としてもおなじみです。胚芽は小麦の約2%に過ぎませんが、ビタミンB1、B2、B6などのビタミン類、マグネシウム、亜鉛などのミネラルも豊富です。小麦ふすまや胚芽が含まれた「全粒粉」は、パンや麺、お菓子などに使われ、健康食材として注目されています。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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