写真:今回の食材

作り手の「技」で、個性豊かに!

中華料理など、脂っぽい料理との相性が良い烏龍茶は、もとは緑茶や紅茶と同じ茶葉から作られます。違いは製造方法で、紅茶が茶葉を完全発酵させたもの、緑茶はまったく発酵させないもの、烏龍茶は半発酵させたものであること。発酵の途中で火入れすることで発酵を止めますが、紅茶に近い80%程度の発酵から緑茶に近い15%程度の発酵まで、どの程度の発酵にするかで、味わいや香りが変わってきます。また、仕上げにさらに火入れをする焙煎の工程があり、ここでも水分量や風味を焙煎の強さによって調整します。烏龍茶は人の手にかかる工程が多いので、茶葉の違いだけでなく生産者の「技」によって、さまざまな個性を持った銘柄が生まれています。

1970年代に輸入スタート、今では定番飲料に!

烏龍茶の製造工程は、現在も烏龍茶の産地として知られる福建省武夷山(ぶいざん)で、16世紀頃に確立したと言われています。日本には1970年前後から輸入がスタートし、美容に良いと言われ、1970年代後半には茶葉をお湯で煎じて飲む烏龍茶がブームになりました。さらに、1981年に缶入り烏龍茶が発売され、1985年頃には焼酎を烏龍茶で割って飲む「ウーロンハイ」が登場。1990年代に入ると、ペットボトルの烏龍茶も発売されました。スッキリした口あたりが多くの人に受け入れられ、定番飲料のひとつになっています。

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「ダイエットに良い」ってホント!?

烏龍茶が日本に定着した理由のひとつが「ダイエットに効果的」と言われたこと。これは烏龍茶特有の成分である烏龍茶ポリフェノールが、脂肪の吸収を抑える作用があると言われているためです。また、烏龍茶ポリフェノールには肌荒れや老化の一因と言われる活性酸素を除去するはたらきがあり、美肌効果も期待できるとして、美容に関心のある女性の間で人気に火がつきました。さらに、烏龍茶は食後に飲むと口をスッキリさせてくれますが、烏龍茶ポリフェノールには歯垢の沈着を防ぐはたらきもあるため、ムシ歯予防にも効果的です。

さまざまな烏龍茶の個性を楽しもう!

烏龍茶にはさまざまな種類がありますが、日本でポピュラーなのは台湾産です。さわやかな香りの「凍頂烏龍茶」、熟成された甘い香りと味わいの「東方美人」、フルーティーな「木柵鉄観音」などがよく知られています。中国産では発祥の地で作られる「武夷岩(ぶいがん)茶」や、全烏龍茶の半分弱を占める「水仙」が代表的。いろいろ飲み比べて、自分の好みに合う烏龍茶を探すのも楽しいものです。茶葉を家庭で煎じて飲むときは、できるだけ熱湯を入れて1分ほど蒸らして飲みましょう。徐々に蒸らす時間を延ばしていけば、4~5煎はおいしく飲むことができます。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん


スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

中華料理と相性が良く、代表的な中国茶のイメージがある烏龍茶。脂肪吸収を抑制するなど、烏龍茶ポリフェノールの効能が広く知られています。この烏龍茶ポリフェノールは緑茶にも多く含まれますが、その中のカテキンの量は異なります。殺菌作用などがあるカテキンですが、緑茶のものは製造中ほとんど酸化されずに残るのに対し、烏龍茶のものは酸化酵素の作用により減少します。また烏龍茶には、興奮作用や利尿作用のあるカフェインも含まれているので、寝る前に多量に飲むことは控えた方が良いでしょう。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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