写真:今回の食材

「昆布ロード」で北海道から全国へ!

日本の「だし」文化に欠かせない昆布。国産昆布の約95%は北海道産で、収穫期の7月中旬~9月に漁が行われます。関東よりも関西の方が昆布を多く使いますが、これは海上交通が盛んになった江戸時代に北海道から大阪まで交易船が多く運んだため。昆布を運んだ航路の総称を「昆布ロード」と呼び、北海道から大阪だけでなく、次第に江戸、九州、さらに琉球王国(沖縄)、清(中国)まで延びていきました。沖縄は現代でも昆布の消費量が多い地域ですが、中国への昆布貿易の中継地点だったため、昆布を利用する食文化が生まれました。

最高級品は真昆布と羅臼昆布

昆布は産地により風味に大きな差があります。最高級品とされるのは、北海道南部から東北地方の太平洋側で獲れる真昆布。上品な甘みがあり、だし用昆布として大阪でよく使われます。真昆布と並ぶ高級品とされるのが、知床半島産の羅臼(らうす)昆布で、濃厚な味わいがあり、関東で好まれます。次に高級とされるのが利尻昆布。澄んだ透明のだしが取れ、塩味の上品な味わいで、京都では最も一般的なだし昆布です。手頃な値段で手に入る日高昆布は、だしとしてのうま味は劣りますが、柔らかくなりやすく早く煮えるので、昆布巻きや煮物の具材にピッタリ。最も生産量が多い長昆布も、柔らかいので食べやすく、沖縄で主に使われる昆布となっています。

写真:今回の食材

ミネラル豊富なヘルシー食材!

昆布はミネラルが豊富で低カロリーのヘルシー食材です。特にカルシウム、食物繊維、ヨウ素が豊富なことで知られています。カルシウムは骨や歯の形成を助け、イライラする気持ちを和らげてくれます。昆布の食物繊維は水に溶ける性質があり、腸内で余分なコレステロールや有害な物質をからめとって排泄したり、免疫を高めるはたらきがあります。ヨウ素は甲状腺ホルモンの原料です。基礎代謝を高めるので肌の新陳代謝が活発になったり、成長期の子どもの身体や知能の発育を促進すると言われています。

湿気とにおいが保存の大敵!

昆布は同じ種類でも、産地・時期・品質により、厳密な格付けがされています。よく乾燥して肉厚、緑褐色で香りの良いものが一般的に良品とされますが、見分けは非常に難しいので、専門店などでお店の人に聞きながら購入するのが良いでしょう。買ってきたら10~15センチの使いやすい大きさにキッチンばさみで切り、ガラス瓶など、においが移らない器に入れて常温で保存すれば、1年以上もちます。湿気やにおいを吸ってしまうので、冷蔵庫保存は避けましょう。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん

スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

だしに使われることの多い昆布。栄養豊富な食材なので、だしを取った後の昆布もぜひ活用しましょう。適当な大きさに切ってから冷凍保存し、ある程度たまったら甘辛く煮付けて佃煮や塩昆布にすれば、ご飯のお供や箸休めになり、おいしくいただけます。また、昆布のうまみはグルタミン酸で、豚肉や鰹節に含まれるイノシン酸と相性抜群。お互いの味を引き立て合い、うまみが倍増すると言われています。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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