写真:今回の食材

産卵期を控えた春から初夏が旬!

コリコリとした食感と独特の磯の香りで人気のさざえ。国内では北海道から九州まで広い地域に分布していますが、海外ではほとんど見られず、日本独特の食材です。さざえは成長が遅く、孵化(ふか)後3年でようやく出荷可能な大きさになります。日本海側と太平洋側では育ち方が違い、日本海側では大きくても10センチ程度、太平洋側では15センチ程度まで大きくなることも珍しくありません。需要が高まる夏に漁獲量が多くなりますが、産卵期の夏を控えて栄養をたくわえる春から初夏にかけてが一番おいしい時期です。

さざえの年は殻でわかる!?

さざえはとげのある形の殻が印象的ですが、このとげは波から身を守るためのもの。波の荒い外海では、とげが発達したさざえが獲れますが、逆に波の穏やかな内海では、とげのない丸いさざえが獲れます。さざえの複雑な殻の色は、エサの海藻の色。殻に出る細かいしま模様は、1日ごとに分泌されるカルシウムが固まって線となって現れたもので、木の年輪と同じく、さざえの日輪で、数えると日齢がわかります。また、ワタの色で性別が区別できるのも特徴で、クリーム色は雄、緑色は雌です。

写真:今回の食材

さざえで疲れた身体に活力を!

他の貝類と同様に、さざえにはタウリンが多く含まれます。タウリンには身体や細胞を正常な状態に戻そうとするはたらきがあり、特に肝機能を高めると言われています。肝機能が高まると、コレステロールを排泄する胆汁酸の分泌が活発になるので、生活習慣病の予防も期待できるとも言われ、栄養ドリンクの成分としてもおなじみの栄養素。さらに疲労回復に欠かせないビタミンB1も豊富で、お酒が好きな方にはうれしい食材です。また、皮膚や髪の再生に関わり、美肌や美髪に欠かせないビタミンB2、貧血防止に欠かせない鉄分も豊富なので、女性の方にもオススメです。

水なしでも3~4日は生きている?

さざえは生きているものを選ぶようにしましょう。触った時に殻の中に身をすばやく引っ込めるものが新鮮です。さざえに付いているふたには海水を溜め込むはたらきがあり、水なしでも3~4日は生きることができます。買ってきたらふたを下にして濡れた新聞紙で包みタッパーやボウルに入れ、冷蔵庫の野菜室に入れれば3~4日は保存可能。この時、息をするためタッパーやボウルにはふたをしないでください。大きなさざえはそのまま焼く「つぼ焼き」や刺身が美味ですが、小さいものはそのまま塩ゆでにしてもおいしくいただけます。この茹で汁は捨てずに、刻んださざえの身と炊き込み御飯にすると、磯の香りがいっぱいの贅沢な一品となります。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん


スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

さざえは高タンパク低カロリーで、身体にうれしい栄養素もたっぷり含まれるヘルシー食材。特に身体の疲れやすくなる夏にオススメです。殻を外す時は、「左に回す」ことを意識するのがポイント。ふたを下にして10分ほど置くと、自然と殻と身に隙間ができるので、洋食用のステーキナイフを殻にそってグッと差し込み、左にナイフを回して身を外します。身が殻から外れたら、身の先を手で持ち、左回りにそっと回転させると、肝まできれいに外すことができます。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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