キノコ類で生産量No.1

シャキシャキとした食感でクセがなく、使い勝手の良いえのき茸。広葉樹の榎や柿の枯れ木などに生え、日本では古くから自生のものが食用とされ、江戸時代には原木栽培の生産も始まっていました。現在のような瓶で育てる人工栽培は、昭和の初期に長野県松代町で始まり、1960年代に入ると大規模な工場での生産が本格化。手頃な値段で一年中出荷することが可能となり、今ではキノコ類の中で生産量No.1です。天然のえのき茸はほとんど流通しませんが、その見た目は人工栽培とは別物。褐色でカサが大きく、軸は短いので、どちらかというとナメコに似ています。

えのき茸が真っ白な理由は?

本来ならば褐色のえのき茸ですが、人工栽培が始まった当初は日に当てずに暗室で育てる「もやし状態」にすることで白っぽい色にしていました。しかし品種改良が進み、日に当てても白く育つ「純白系」と呼ばれるエノキダケが開発され、現在では主流になっています。また、最近は細くてひょろひょろした茶色のえのき茸が「ブラウンえのき」「味えのき」などと名付けられて出回っていますが、これは栽培用の白い品種に野生種を掛け合わせて作られたもの。白いえのき茸はクセのない味わいですが、茶色のえのき茸は天然に似た風味が感じられます。調整するカリウム、皮膚や粘膜の健康を保つのに欠かせないナイアシンも比較的多く含まれています。

ダイエットの強い味方!

えのき茸は食べ応えのある食感ながら低カロリーで、ダイエットの強い味方。さらに、腸内環境を整えて、便秘予防にも美肌にも効果がある食物繊維や、糖分がエネルギーとして利用される際に必要なビタミンB1、脂質がエネルギーに代わるのに欠かせないビタミンB2など、美容が気になる人にはうれしい栄養素も豊富です。他にも、血行を良くしたりコレステロールを減らすはたらきがあるナイアシン、体内の余分な塩分を排出してむくみを軽減するカリウムも比較的多く含まれています。

加熱は短時間で手早く調理!

えのき茸を選ぶときは、全体がきれいな乳白色で軸がシャキッと立ち、カサが小さめで開き切っていないものが良品です。変色したり、軸がしおれたり、先の方がバラバラになっているものは鮮度が落ちています。また、袋に水滴がついているものは、傷み始めている可能性があるので避けましょう。買ってきたら冷蔵庫で2〜3日は保存可能ですが、どんどん鮮度が落ちていくのでできるだけ早く食べ切ります。多く手に入った場合は、冷凍保存も可能。石づきを落として食べやすい大きさに切り、バラバラにしてそのまま保存すると便利。調理するときは凍ったまま汁物などに使います。シャキシャキした食感を楽しむために、加熱は短時間にして手早く調理しましょう。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん


スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

えのき茸はクセのない味わいで、さまざまな料理に使うことができる便利な食材です。疲労回復に欠かせないビタミンB1はキノコの中でもトップクラス。さらに、神経の興奮をしずめると言われるギャバも多く含むので、夕食に食べると睡眠の質を高めることにつながります。えのき茸は必ず加熱して食べますが、加熱すると独特のぬめりが出るので、さっぱり仕上げたいキノコのマリネなどには使わない方が無難です。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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