新品種が次々登場する人気の果物!

ジューシーで甘みがたっぷりの桃は、贈答用にも使われる高級果物のひとつ。原産地は中国で、日本には縄文時代にはすでに伝わっていたと言われています。本格的に栽培が始まったのは甘い水蜜桃が伝わった明治時代以降で、白っぽく上品な甘さが特徴の白桃が誕生し、赤く色づき甘みの強い白鳳、白桃と白鳳を掛け合わせたあかつきなど、次々と品種改良が加えられ、多くの種類の桃が栽培されるようになりました。黄色い果肉の黄桃は甘みが少なく固い品種で、主に缶詰に使われています。日本に出回る缶詰に使われる桃の大半は、中国やアメリカからの輸入品です。

疲労回復に即効性あり!

桃のジューシーな甘さは果糖で、砂糖の1.5倍の甘みを感じる成分です。果糖は体内で代謝の過程を経ず、すぐにエネルギーとなるので、疲労回復には即効性のある栄養素。病気のお見舞い品として桃は定番ですが、理にかなった選択と言えるでしょう。また、水溶性食物繊維のペクチンも豊富で、整腸作用があるので便秘予防にも効果的です。体内の余分な塩分を排出し、血圧を調整するカリウム、皮膚や粘膜の健康を保つのに欠かせないナイアシンも比較的多く含まれています。

桃には不思議な力がいっぱい!?

古くから中国では「桃の木には身体の中の悪いものを取り除く力がある」と考えられたり、桃の実を「不老長寿の仙果」と例えたりしてきました。この考え方が日本にも伝わり、ひな祭りには縁起物として桃を飾るようになり「桃の節句」と名が付いたと言われています。また、桃は漢方薬としても利用されています。桃の葉には、あせもや湿疹を和らげたり、肌を保湿してスベスベにするはたらきがあるとされ、江戸時代には夏の土用の日に桃の葉を浮かべた「桃湯」に入る習慣がありました。現代でも「桃の葉エキス配合」とうたった入浴剤やスキンケア用品があり、その薬効が伝わっています。

冷蔵庫ではなく常温保存!

桃を選ぶときは、白っぽい色が特徴の白桃以外は、皮が赤く色づき、濃いものほど良品です。さらに、濃い赤色の部分に白い斑点が浮き出ているもの、形は左右対称のもの、うぶ毛がしっかりと付いているもの、甘い香りが強いものが選ぶポイント。光センサーで糖度保証をしている場合は、できれば11度以上のものがオススメです。ただし、糖度が上がると値段も比例して上がるので、予算に合わせて選んでください。保存するときは、完熟しているものは日持ちしないのですぐに食べましょう。まだ固い場合も、冷蔵庫では追熟せず、長く冷蔵すると甘みが抜けてしまうので、新聞紙などに包み冷暗所で保存しましょう。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん


スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

芳醇な甘みが特徴の桃は、漢方薬に使われたり、古くからの言い伝えが多くあったり、桃畑の花が咲いた様子を「桃源郷」と呼んだり、どこかミステリアスな雰囲気のある魅力的な果物です。食べごろを見計らって食べることが大切ですが、とてもデリケートな果物なので、桃を指で押して固さを確かめると、そこから傷み始めてしまいます。手のひらで全体を優しく持った感触で柔らかさを判断してください。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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