1970年代から一気に身近に!

日本では東北から北海道にかけて生息するホタテは、寒海性の貝類。独特のうまみと甘みの乗った味わいで、刺身はもちろん、炒め物や煮物など幅広く使われる人気の食材です。以前は漁獲量が少なく高値で取引されていましたが、養殖法が確立した1970年代以降は流通量が一気に増え、手頃な値段で出回るようになりました。天然のホタテは殻を開閉して素早く動いているので身が締まっていると言われますが、養殖もカゴやネットに入れたり、貝殻に穴を開けて吊るす方法で海中で育てられるため、味わいや栄養価に大きな違いはありません

アミノ酸が豊富でうまみも栄養価もたっぷり!

貝類は全般的にヘルシーですが、中でもホタテにはタンパク質が多く含まれ、高タンパク低脂肪の優秀食材です。低脂肪ながら味わいにコクがあるのは、うまみ成分のアミノ酸が非常に豊富なため。アミノ酸には身体にもうれしいはたらきがあり、特に栄養ドリンク剤やサプリメントの成分にもなっているタウリンは、貝類の中でもトップクラスの含有量。タウリンは身体の細胞を正常な状態に戻そうとするので、眼の疲れや肝機能の回復、生活習慣病予防など、さまざまな効能が期待されています。他にも、肌のハリやうるおいを保つと言われるグリシンや、体内の不要物を排出して疲労や不眠症を改善するアスパラギン酸も含まれています。

貝の大きさよりも厚みがポイント

ホタテの旬はうまみが強くなる初夏と、産卵を控えて栄養を蓄える冬と言われています。また、産卵期は2〜3月頃で、最近人気がある子持ちのボイルホタテはこの時期が旬です。殻付きを選ぶときは、生きていて、触るとすぐに殻が閉じるものを選びましょう。また、食べる部分は貝柱なので、貝の大きさよりも厚みがあるものを選ぶのがポイント。貝柱は光沢がありふっくらと盛り上がっているものが良品です。

縦に切ると食感が違うおいしさ!

ホタテの殻を外すときは、白くて平らな下側の貝殻に沿ってテーブルナイフなどを入れ、貝柱を切り離します。ウロと呼ばれる黒い中腸腺の部分は食べられないので外し、エラもおいしくないので取りましょう。貝柱は横に輪切りをするのが一般的ですが、縦に切るとしっかりした歯ごたえが残り、違ったおいしさがあります。ヒモの部分は、塩を揉み込んで水で流すことでぬめりが取れます。そのまま刺身や酢の物にしたり、甘辛くさっと煮付けてもおいしくいただけます。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん


スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

ホタテは天然物と養殖物で味の差があまりないと言われます。養殖物は3年ほどかけて大きくしてから出荷されますが、樹木と同じように貝殻の表面に同心円状の年輪が出るので、およその年齢を知ることができます。また加工品も豊富で、干しホタテはうまみも栄養もぎゅっと凝縮され、戻すと良い出汁が出て、中華料理の高級食材として重宝されています。缶詰も、缶汁に良い出汁が出ているので、汁ごと使うようにしましょう。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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