産卵前の12〜2月が旬!

脂が乗ったとろけるような食感のぶりは、冬のごちそう。ぶりは需要が高く、西日本を中心に養殖が盛んで、現在は天然ぶりの3倍もの養殖ぶりが出回っています。一年中店頭で見かけますが、早春の産卵を前に脂を蓄える12〜2月の冬が旬。特に、日本海沿岸で水揚げされるぶりは「寒ぶり」と呼ばれ、富山県の「氷見ぶり」、新潟県の「佐渡ぶり」などは味が良いとされブランド化しています。産卵期の3〜5月は身がやせてあまりおいしくないとされますが、卵は「真子(まこ)」とも呼ばれ、珍味として人気があります。

「ぶりぶりに太った」脂の正体は不飽和脂肪酸

ぶりは成長するにつれて名前が変わる「出世魚」で、関東では「ワカシ」→「イナダ」→「ワラサ」→「ブリ」と呼び、関西では「ツバス」→「ハマチ」→「メジロ」→「ブリ」と呼びます。「ブリ」と呼ばれるのは、だいたい80cm以上のもの。関東では養殖ぶりを総称として「ハマチ」と呼ぶこともあります。太っている人を「ぶりぶりに太っている」と例えるのは、脂が乗ってポッテリした旬のぶりから来ています。ぶりの脂には、不飽和脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)。これらは血中コレステロール値を下げて生活習慣病を防いだり、脳細胞を活性化させたり、さまざまなはたらきが期待できる、身体にうれしい栄養素です。不飽和脂肪酸は酸化しやすいのが難点ですが、ぶりには酸化を防ぐビタミンEも豊富です。

お酒のおつまみにピッタリ!

ぶりは魚介類の中でもビタミンとミネラルが豊富な食材。糖質の代謝を促すビタミンB群や、カルシウムの吸収を促すビタミンDが多く含まれています。また、コレステロールを抑え、肝臓のはたらきを助けるタウリンと、アルコールの分解を助け、二日酔いを起こす成分のアセトアルデヒドの代謝に関わるナイアシンも豊富なので、お酒のおつまみにはピッタリ。貧血予防に欠かせない鉄分も含まれ、特に血合いの部分には身の3倍ものタウリンや鉄分が含まれていると言われています。血合いが多く含まれるアラには、皮膚や関節の生成に関わるコラーゲンも豊富。ほとんど捨てるところのない食材といえます。

塩焼きは早めの塩がポイント

ぶりを選ぶ時は、一匹ものは目が澄んでいて、体の黄色い縞がハッキリしているものを選びましょう。切り身の場合は、身が割れていなくて血合いが鮮やかな赤色のものが新鮮です。生魚は早めに食べ切るのが鉄則ですが、切り身が余ったらしょう油とみりんと酒を合わせた調味液や、注目されている塩麹などに漬け込むと、3日ほど保存が効き、違った味わいを楽しむことができます。また、魚を塩焼きにする時は直前に塩を振るのが一般的ですが、ぶりは脂が多く塩が回るのに時間がかかるので、1時間ほど前に塩を振ってから焼きましょう

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん


スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

脂の乗った味わいで人気が非常に高いぶり。高級魚のカンパチやヒラマサも「ブリ属」に分類されます。ぶりの脂は身体に良い不飽和脂肪酸ですが、カロリーはやはり高めなので、体脂肪が気になる方は食べ過ぎに注意しましょう。焼く時は、遠目の強火で脂を落とすようにして焼くとおいしく食べられます。ぶり大根などに使うアラの部分もおいしいですが、やや臭みがあります。臭みを抜くには、塩を振ってしばらく置き、表面が白くなるくらいにお湯を回しかけ、血合いやウロコをよく洗ってから調理しましょう。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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