不老長寿を連想させる縁起物

ヒゲが長く、腰が曲がった姿が不老長寿のシンボルとされ、華やかな赤色からも縁起物としてお正月やお祝い事に書かせない海老。古くは東京湾でも獲れたほどに身近な食材で、江戸前寿司の代表的なネタのひとつです。しかし、現在の自給率はわずかに5%で、多くをインドやタイ、ベトナムなどからの輸入に頼っています。日本では大きさに関わらず「海老」と呼びますが、英語では伊勢海老ほどの大きなものは「ロブスター」、車海老ほどの中程度の大きさは「プローン」、小さな海老は「シュリンプ」と呼び名が異なります。

ブラックタイガーも車海老の仲間!

海老には多くの種類がありますが、最も多いのが車海老の仲間。海外から大量に輸入されるブラックタイガーも車海老の一種です。体長が30cmを超すものもあり、丼からはみ出す海老天丼やジャンボ海老フライの材料となっているのはほとんどがブラックタイガーです。小さな芝海老も車海老の仲間で、古くは庶民の味としてかき揚げなどで気軽に食べることができましたが、近年は高級化したために、代替品としてバナメイ海老の輸入が増えています。車海老と並んで寿司ネタとして人気の甘海老はタラバ海老の一種。甘みがあることから名付けられ、国内では北海道で水揚げされています。

低脂肪で希少な成分も含まれるヘルシー食材

海老は高タンパク低脂肪のヘルシー食材。コレステロールが多いと言われていましたが、コレステロールの排泄を促すタウリンが豊富なので、それほど心配する必要はありません。タウリンは肝機能を高めたり、血液中の中性脂肪を減らすなど、さまざまなはたらきを期待できる成分です。熱を加えると赤くなるのはアスタキサンチンという色素成分で、強い抗酸化作用があることで知られ、アンチエイジングや血液サラサラ効果が期待できます。また、海老の殻や尾には、動物性食物繊維のキチンが多く含まれ、便秘を解消し、体内の不要物を排泄するデトックス効果があると言われています。

鮮度を見極めるポイントは「臭い」!?

頭と殻が付いた海老を選ぶ時は、頭がぐらつかずしっかりしているものが良品です。無頭の海老は、透明感があって殻にツヤがあるものが良いでしょう。鮮度が落ちると、尾や足の付け根が黒く変色し、臭いが出て来るので、気をつけてチェックしてください。また、海老は鮮度が落ちるのが非常に早いので、頭付きのものは買ったその日のうちに食べるのが鉄則。殻をむく時は、うすい塩水に漬けておくと、むきやすくなります。多く手に入った時は、茹でておくと2〜3日ならば冷蔵庫で保存可能。茹でる時は、湯にレモン汁か酢を少量入れると、色よく茹で上げることができます。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん

スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

海老は非常にデリケートな生き物で、鮮度が落ちるのが非常に早いのが特徴。家庭では輸入品を調理することがほとんどですが、輸入海老は現地で冷凍して輸入されるので、解凍の過程で生臭さが出てしまった海老よりは、冷凍されたままの海老を購入し、食べる分だけ解凍することをオススメします。調理の直前に密閉袋に入れて流水解凍し、片栗粉と塩をまぶしてよく揉み込んでから、水洗いして水気をしっかり拭いて調理すると、海老のプリプリの食感を楽しむことができます。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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