縄文時代から日本人の大好物!

縄文時代の貝塚から骨が見つかり、世界の漁獲量の3分の1を食べていると言われるほど、鮭は古くから日本人の大好物。川で産まれ、10cmほどになったら海に出て2〜5年ほど過ごし、産卵のために再び産まれた川に戻ってくる回遊魚ですが、なぜ産まれた川に戻るのか、その理由は未だにわかっていません。また、鮭は獲れる時期や場所によって呼び名が異なります。5〜6月の「時鮭(時知らず)」は、身に脂が乗って美味。9〜11月は鮭が産卵のために沿岸部から川に戻ってきて、漁獲高がもっとも多くなる「旬」の時期で「秋鮭(秋味)」と呼ばれます。11月に知床から網走付近で獲れる「鮭児(けいじ)」は、産卵する年齢に達していない未成熟な小型の鮭ですが、脂の乗りが良く味も深みがあり、1万匹に1〜2匹しか獲れないと言われる希少価値が高い特別なものです。

鮭の「赤色」は、身体に良い!?

鮭の身は赤いですが、生物学的には白身魚に分類されます。鮭の赤みは、好物のカニやエビなどの甲殻類に含まれるアスタキサンチンという成分です。このアスタキサンチンには強い抗酸化作用があり、アンチエイジングや生活習慣病予防など、さまざまな効能が期待できるとされ、サプリメントに使われるなどして注目されています。また、鮭の脂はDHAやEPAの不飽和脂肪酸で、DHAは脳の発達を助けると言われ、最近では認知症の予防効果も期待されています。EPAには血液の流れを良くする血液サラサラ効果があるとされ、動脈硬化など様々な生活習慣病を予防するはたらきがあります。

種類ごとの特徴をチェック!

日本で一般的に「鮭」と言われるのは「白鮭」で、身の赤色が薄くサッパリした味わいが特徴です。あっさりしているので、しっかりした味付けの石狩鍋や粕汁、ちゃんちゃん焼きに向いています。チリからの輸入品が主の「銀鮭」は、その名の通り輝く銀色の皮が特徴。身はオレンジがかった赤色で、脂が乗り味にコクがあるので、そのまま塩焼きにするのが良いでしょう。カナダ産が主の「キングサーモン」や、ノルウェー産が主の「アトランティックサーモン」は国内産より身が厚くて大きく、脂がたっぷり乗っています。身が厚いことを活かしたムニエルやソテー、またはホイル焼きや蒸し物など素材の味を活かす調理法も向いています。

塩鮭も早めに食べ切る!

鮭は切り身を買うことがほとんどですが、その際は肉が締まって弾力があり、皮と身が離れていないもの、パックに入っている場合はドリップが出ていないものを選びましょう。冷凍の切り身を購入するとき、表面に霜がかかっているものがありますが、これは再凍結されたときにできたもの。味が落ちているので避けた方が良いでしょう。生鮭はもちろん、近年は塩鮭も薄味のものが多くなり、日持ちしないので、早めに食べ切るように心がけてください

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん

スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

鮭は身、卵、白子だけでなく、内臓も新鮮なものを焼いて食べますし、頭部の軟骨は「氷頭(ひず)」と呼ばれて珍味として重宝されます。中骨も柔らかく煮込んだ缶詰が流通するなど、「捨てるところのない魚」と言われています。ただし、アニサキスなどの寄生虫がいることが多いので、刺身などの生食はできません。最近はサーモンの刺身が出回っていますが、滅菌処理された水で養殖されたものか、一度冷凍して寄生虫を死滅させたもの。たとえ新鮮な鮭が手に入っても、生食は避けましょう。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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