青森県と長野県が国内の二大産地!

アダムとイブの物語にも登場するりんごは、紀元前1300年頃には栽培が始まっていたと言われる歴史ある果物。日本には明治時代に伝わりました。りんごは冷涼な気候を好み、生産量の50%以上を占める青森県、20%程度の長野県が二大産地として有名です。
りんごには非常に多くの品種がありますが、日本での生産量No.1は「ふじ」。酸味が少なくて甘く、比較的日持ちするのが特徴です。No.2はジューシーな果汁が特徴的な「つがる」で、この「つがる」と「ふじ」を掛け合わせた「シナノゴールド」の人気も高まっています。また、香り高く甘みの強い青りんご系の「王林」、酸味がありアップルパイなどの料理に使われる「紅玉」も需要が高く、広く流通しています。

赤ちゃんに「りんごのすりおろし」は大正解!

「1日1個のりんごが医者を遠ざける」と言われるほど、りんごは身体に良い果物として古くから知られてきました。水溶性食物繊維のペクチンが豊富で、ペクチンは消化を促進して胃酸のバランスを整えるはたらきがあるので、便秘や下痢の予防にりんごを食べると良いとされています。ペクチンのはたらきはすりおろしたり加熱しても変わらないので、赤ちゃんの整腸のためにりんごのすりおろしを与えるのは理にかなっています。また、体内の余分な塩分を排出するカリウムや、ポリフェノールの一種で抗酸化作用があるとされるカテキンも豊富なので、生活習慣病予防やアンチエイジング効果も期待できます。

甘くなるカギは「太陽」にあり!

りんごには、果実に袋をかけて栽培する有袋りんごと、袋をかけないで栽培する無袋りんごがあります。「サンふじ」など、頭に「サン〇〇」と名付けて売られているものは無袋りんごです。無袋りんごは表皮の色ムラやざらつきがあると言われますが、太陽にたっぷりとあたっているので甘みが強く味わいが濃厚になります。葉の光合成によってつくられたソルビトールという糖アルコールが果実の中に送り込まれ、果糖などの糖分になることでりんごの甘みが増していきます。また、ソルビトールが糖分に変わることなく細胞と細胞の間にたまると、これが蜜となります。蜜そのものの甘みは強くありませんが、蜜入りのりんごは完熟しているため、とても甘くておいしいと言われています。

ポリ袋に入れて乾燥を防いで保存

りんごを選ぶときは、全体的に色ムラがなくツヤのあるものが良いでしょう。さらに、お尻とツルの部分が深くくぼんでいて、変形していないものが良品です。りんごは収穫後も呼吸を続けて水分を放出しているので、しばらくすると水分が抜けて柔らかくなってしまいます。買ってきたら、ポリ袋に入れて冷蔵庫か冷暗所に保存しましょう。また、りんごは生物の成長を促すエチレンガスを発するので、他の果物や野菜と一緒に保存すると、追熟を促して傷むのを早めてしまいますので、注意してください。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん

スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

りんごには身体に良い栄養素が多く含まれています。皮やその周りの果肉のほうが栄養値が高く甘みも強いので、よく洗って皮ごと食べることをおススメします。「つがる」や「ジョナゴールド」、「千秋」などの品種には、表面にワックスがかかったようにべたついているものがありますが、これはりんごが熟するにつれて増えるリノール酸とオレイン酸が表面に浮き出す「油あがり」と呼ばれる現象で、食べごろのサインです。安心して食べてください。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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