日本の食文化を支える食材

冷や奴や麺類の薬味、鍋料理や味噌汁の具財などに欠かせないネギ。奈良時代の日本書紀に登場するほど歴史は古く、生産量は世界のトップクラスを誇るなど、日本の食文化を象徴する食材のひとつです。東日本では白ネギと呼ばれる根深ネギが主流で、群馬県の下仁田市や埼玉県の深谷市が産地として有名。根深ネギの白い部分も実は葉で、根元に土寄せして陽をあてず、白い部分が長くなるように栽培されています。一方、西日本では葉の先端まで柔らかい葉ネギが主流で、特に京都府発祥の九条ネギが広く栽培され、近年は福岡県が商標登録している「万能ネギ」が関東でも流通し、人気を集めています。

「ネギは風邪予防に良い」に根拠あり!?

「ネギは風邪予防に良い」と古くから言われ、ネギを使った様々な民間療法が伝わっています。この言い伝えの元は、ネギのピリっとした辛みや匂い成分の硫化アリル。硫化アリルは血行を良くして身体を温める作用があるうえ、糖質の代謝を促し、疲労を回復するのに欠かせないビタミンB1の吸収を高めるはたらきがあります。さらに、免疫力を高めるビタミンCも豊富。硫化アリルもビタミンCも水や熱に弱いので、水にさらしたり炒める時は、できるだけ短時間にすると効率的に摂取できます。

緑はより濃く、白はより白いものを!

白ネギを選ぶ時は、緑色は濃く、白色はより白く、色の境目がハッキリとしたものが良品です。白い部分が締まって重いものはみずみずしくて鮮度が高く、巻きがゆるくなっているものは鮮度が落ちている可能性があるので避けた方が無難です。ただし、下仁田ネギに限っは、霜に当たって葉が枯れたようになっているものが甘みがあっておいしいと言われています。葉ネギは鮮やかな緑色で、葉先までピンとしているものを選びましょう。葉ネギは白ネギよりも鮮度が落ちやすいので、できるだけ早く食べきるようにします。

乾燥はネギの大敵!

ネギは乾燥に弱いので、できるだけ水分を保つようにすることが基本です。泥付きのネギは、泥を落とさずにそのまま新聞紙にくるみ、冷暗所で立てて保存します。洗ってあるネギはポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室でできるだけ立てて保存します。冷蔵庫に入れるために切ってしまったり、使いかけのものは、ラップでしっかり密封してから野菜室へ。また、風味や栄養は落ちますが、冷凍保存も可能です。多く手に入った時は、白ネギ・葉ネギともに小口切りにして1回分ごとに小分けしてから冷凍すると、味噌汁や麺類などに使いやすくて便利です。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん

スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

関東の白ネギ、関西の葉ネギともに、薬味や汁物の具材として毎日の食卓に欠かせません。ネギの匂い成分である硫化アリルは、玉ねぎやニラ、ニンニクにも多く含まれる成分。糖質の代謝を助けるビタミンB1の吸収を高めるので、疲労回復やダイエット効果も期待できます。ビタミンB1が多く含まれる豚肉との中華風の炒め物や、薬味としてネギをたっぷり使った鰹のたたきはおススメのメニューです。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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