春、夏、冬・・・季節ごとに旬を迎えるキャベツ

サラダ、炒め物、煮物と、使い勝手の良いキャベツ。紀元前の古代ローマやギリシャですでに栽培されていたと言われるほど歴史の古い野菜です。日本にやってきたのは江戸時代のころですが、当初は観賞用で、現在のような球体のキャベツが食用として広まり始めたのは明治時代に入ってから。幅広い料理に使えることから戦後は需要が急拡大し、改良が進んで季節ごとに旬を迎える品種が開発され、1年中手に入りやすい食材になりました。柔らかい春キャベツは千葉県や愛知県など大消費圏の近郊、高原キャベツとも呼ばれる夏キャベツは冷涼な群馬県嬬恋村や長野県、固く締まって甘みのある冬キャベツは鹿児島県など温暖な地方の生産量が多くなっています。

胃腸にやさしい「キャベジン」が豊富!

キャベツに多く含まれるビタミンUは、胃腸薬のネーミングにも使われている「キャベジン」とも呼ばれ、胃腸の粘膜を修復して保護するはたらきがあるので、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の予防や治療効果が期待できる成分です。古代ローマやギリシャでは、食用ではなく胃腸の調子を整える薬として食べられていたと言われるほど、その効能は古くから知られていました。美肌と風邪予防に欠かせないビタミンCや、血液を凝固する作用があり骨を強くするビタミンKも豊富に含まれています。また、野菜の中ではカルシウムも比較的豊富で、キャベツのカルシウムは吸収されやすいと言われています。

外葉は鮮度をはかる目安!

冬キャベツを選ぶ時は、持ってみてずっしりと重みのあるものを、春キャベツはふんわりと巻かれて頭が平らなものが良いでしょう。また、外葉は鮮度をはかる目安となり、緑色の濃いみずみずしい外葉がついたままのものは新鮮です。一方、外葉がしなびたり、色あせてきたら鮮度が落ちてきている証拠。外葉がなく、白っぽいボール状で売られているものは、古い外葉をむいている可能性があるので避けた方が無難です。また、軸の切り口をチェックし、太すぎず新しいものを選ぶようにしましょう。太すぎるものは、葉の固い軸の部分が多くなっている場合があります。

丸ごと保存が長持ちのコツ

キャベツは切り口から傷んでくるので、できるだけ1枚ずつ外側からはがして使う方が日持ちします。芯を包丁でくりぬいて、濡らしたキッチンペーパーを詰めて芯を下にして保存すると、さらに長持ちします。カットした場合は、ぴっちりとラップにくるみ、できるだけ早く食べきるようにしましょう。また、冬キャベツよりも春キャベツは水分が多いため、鮮度が落ちやすいので要注意。柔らかい春キャベツはサラダなどの生食、しっかりして甘みのある冬キャベツはポトフなどの煮物や、回鍋肉などの炒め物にピッタリです。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん

スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

1年中手に入り、価格も安定しているキャベツは、食卓に欠かせない野菜のひとつ。トンカツなどの揚げ物には千切りキャベツが付き物ですが、キャベツには胃腸の調子を整える効能で知られるビタミンUが豊富なので、油による胸のむかつきなどを抑えるはたらきが期待でき、理にかなった付け合わせと言えます。ビタミンUやCは水溶性で熱に弱いので、効率的に摂取したい時はサッと水洗いする程度にとどめ、サラダなどの生食で食べるのがベストです。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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