日本の食生活に欠かせない!

デフォルメした可愛いキャラクターになったり、多くのことわざや慣用句になったり、ユーモラスで愛嬌がある姿が印象的なタコ。弥生時代の遺跡からタコ漁のためのタコつぼが発見されるほど歴史は古く、現在も世界の漁獲量の約6割は日本で消費されるほど、日本人に愛されている食材です。
日本でなじみがある品種は、茹でダコで出回ることが多く明石産が有名な真ダコと、刺身やしゃぶしゃぶで食べることが多く北海道や東北で漁獲される水ダコの2種。真ダコは国産は1割ほどで、主にモーリタニアやモロッコなどのアフリカ地方からの輸入に頼っています。タコを食用にするのは少数派で、日本や韓国、スペインなどの地中海地方に限られ、北ヨーロッパなど食用としない地域からは、その容貌から「デビルフィッシュ(悪魔の魚)」と呼ばれて敬遠されているそうです。

イメージと違って筋肉質!?

柔らかくてフニャフニャに見えるタコの身体ですが、実は筋肉質。タコの好物であるカニやエビなどの甲殻類の殻を砕き、二枚貝の殻をこじ開ける力があります。その筋肉の元となっているのは、良質なたんぱく質。脂肪分も少なく、高たんぱく低カロリーのヘルシー食材です。また、血液中の中性脂肪やコレステロールを排出し、動脈硬化などの生活習慣病予防に効果があると言われるタウリンと、ビタミンAの吸収を促す亜鉛が豊富。特に亜鉛は細胞を新しくするはたらきがあり、たんぱく質の合成や骨の発育を促すので、成長期の子どもに欠かせない栄養素です。

鮮度が落ちやすいので注意!

タコは脚がむっちり太ったものが良品です。生ダコを買うときは、吸盤に弾力があり手に吸い付くほどで、茶色っぽいツヤのあるものを選ぶと良いでしょう。茹でダコは、吸盤の間隔と大きさが揃っていて、暗めの赤色で脚の先までしっかり巻いているものが良品。皮が破れているものは鮮度が落ちているので避けた方が無難です。また、タコは鮮度が落ちやすいので、できるだけ手に入れた当日か、遅くとも翌日までには食べましょう。多く手に入った場合は、冷凍保存することもできます。

じっくり煮込んだトマト煮がおススメ

生ダコを調理するときは、塩を振るか塩水に浸けてよく揉んで、ぬめりを取ります。茹でダコは軽く水洗いしてから調理します。タコのうまみ成分は加熱することで強くなるので、茹でダコを刺身で食べるときも軽く湯通しした方がうまみが強くなります。炒め物にする場合は、火を通しすぎると堅くなるので気をつけましょう。タコは火をじっくり通すと再び柔らかくなる特徴があるので、煮物もおススメです。トマトとの相性がとても良いので洋風のトマト煮にすると、冷たくても温かくてもおいしく、夏にピッタリの一品となります。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん

スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

タコの旬は夏。関西地方では夏至から11日経った「半夏生(はんげしょう)」の日にタコを食べて豊作を祈る風習があります。栄養ドリンクの成分として知られるタウリンが豊富なので、タコを夏に食べるのは夏バテ予防効果もあり、理にかなった風習と言えるでしょう。タコは低脂肪のヘルシーな食材ですが、プリン体が多いので、 尿酸値が気になる方は食べ過ぎに注意してください。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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