主流は甘みのある西洋カボチャ

シンデレラの馬車、ハロウィンのおばけなど、世界各国で親しまれているカボチャ。日本には17世紀頃にポルトガル人によってカンボジアから渡来したと言われています。当初はねっとりとした食感で水分が多く、和食に向く東洋カボチャが主流でしたが、水分が少なくホクホクした食感で甘みの強い西洋カボチャが「栗カボチャ」と呼ばれて人気が高まり、現在では国内生産量の90%以上を西洋カボチャが占めています。カボチャは夏から初秋にかけて収穫の旬を迎え、晩春に九州産が出回ってから徐々に北上し、8月以降店頭に並ぶのは北海道産が主流になります。北海道は日本の約50%を生産する大産地です。

冬至にカボチャを食べる理由は?

冬はカボチャの収穫シーズンではありませんが、「冬至にカボチャを食べると風邪を引かない」と言われ、冬至にはカボチャを食べる風習があります。カボチャは冬まで保存することができ、さらにデンプンが糖に変わる酵素を含むため貯蔵することで甘みが増しておいしくなるので、年末の貴重な緑黄色野菜として重宝されてきました。さらに粘膜を強くして感染症を防ぐベータカロテンと、免疫力を高めるビタミンCが豊富に含まれているので、風邪予防にはうってつけ。栄養的にも冬至にカボチャを食べる食習慣は理にかなっているのです。

女性にうれしい栄養素がギッシリ!

カボチャは豊富なビタミンやミネラルを含み、さらにたんぱく質や脂肪も多く、栄養がギュッと詰まったパワー食材です。特に、身体の老化を防ぐ抗酸化作用があるビタミンとして知られるベータカロテン、C、Eをすべて豊富に含み、アンチエイジングを心がける女性の強い味方。他にも、便秘を防ぎダイエットに欠かせない食物繊維や、糖分がエネルギーに変わるのに必要なビタミンB1も豊富です。これらの栄養素は、実よりも皮に多く含まれるので、食べるときは皮ごと調理すると効率良く摂取することができます。

カットしたものは早めに食べきる!

カボチャを選ぶときは、皮が硬くて緑色が濃く、持ってみてずっしりと重いものが良いでしょう。熟すとヘタの周りが窪んだりひび割れたりするので、完熟度合いを見分けるポイントになります。カットされているものは、実の色が濃いオレンジで、種がふっくらと膨らんでいるものが食べごろです。丸ごとならば風通しの良い場所に置いて2カ月は保存できますが、カットしたものはワタと種をとってラップで包み、1週間以内には食べきりましょう。余った場合は食べやすい大きさに切ってそのまま冷凍することができます。調理するときは解凍せず、凍ったまま味噌汁の具や煮物にします。蒸すか茹でてつぶし、マッシュ状にしてから冷凍すれば、電子レンジで解凍して離乳食やポタージュなどに使えて便利です。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん

スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

冬のイメージが強いカボチャですが、収穫の旬は夏。貯蔵したものが年末まで出回り、年明けから5月頃まではニュージーランドなどからの輸入品がメインになり、8月以降は北海道産が多くなります。ベータカロテンやビタミンEは脂溶性ビタミンなので、脂分と一緒に食べると吸収率が高まります。効率良く摂取したい場合は、フライやソテー、バターを使ったホワイトソースで和えるグラタンなど、洋風の調理法がおススメ。ただし、甘みが強い分、野菜の中ではカロリーが高いので、体脂肪が気になる方は食べ過ぎに注意してください。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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