シジミの旬は夏と冬!

縄文時代の遺跡から発掘されるほど、シジミは古くから日本人に愛されてきた食材です。江戸時代にはシジミを担いで売り歩く「シジミ売り」が日常の光景としてみられ、「シジミ売り」という古典落語もあるほど。シジミの旬は「土用シジミ」と呼ばれる夏と、「寒シジミ」と呼ばれる冬の、年2回あります。主な品種としては、淡水と海水が交わる汽水湖に生息する大和シジミ、淡水に生息する真シジミと瀬田シジミがあり、日本で流通するシジミのほとんどは大和シジミです。大和シジミは、以前は全国の河口域で多く穫れましたが、近年は禁漁日をもうけたり、漁獲量を制限したりと、資源保護をする産地が多くなっていることから、漁獲高が激減し、消費量の半分程度を台湾や韓国からの輸入に頼っています。

シジミは愛飲家の強い味方!?

「シジミは二日酔いに良い」と聞いたことはありませんか?それは、シジミにはアルコールでダメージを受けた肝臓の回復を促す栄養素が多く含まれているからです。アルコールで損傷した肝細胞の修復には、細胞の主成分であるたんぱく質を合成するはたらきがある必須アミノ酸が欠かせません。この必須アミノ酸は体内で作ることができず、ひとつでも足りない成分があると効率良くたんぱく質が合成されないのですが、シジミにはこの必須アミノ酸のすべてがバランス良く含まれているのです。加えて、シジミにはそのほかのアミノ酸も多く含まれています。例えば、アミノ酸の一種であるタウリンは肝臓の解毒作用を高めますし、アラニンやメチオニンはアルコールの代謝を良くして分解を促進してくれ、いずれも肝機能を高める効能が期待できます。さらに、代謝を良くして血液や細胞の合成に欠かせないビタミンB12も豊富なので、アルコールでダメージを受けた肝臓や身体の疲労回復を早めると言われています。

肝臓だけじゃない!シジミの底知れない実力

シジミはビタミンやミネラルをバランス良く含む非常に栄養価の高い食材で、さまざまな効能が期待できます。赤血球のヘモグロビンの構成要素である鉄とヘモグロビンの合成を助けるビタミンB12のいずれも多く含むので、貧血に悩む女性にはうってつけ。また、エネルギーの代謝を活発にすることで成長を促進するビタミンB2、骨や歯を形成するカルシウム、成長ホルモンの分泌に関わる亜鉛やオルニチンが豊富なので、成長期の子どもや妊娠中の女性には積極的に食べてほしい食材です。

冷凍保存で旨みアップ!

砂抜きされていないシジミは、乾燥しないようにポリ袋などに入れれば、冷蔵庫で3日ほど保存できます。砂抜きするには、1%程度の薄い塩水に2時間ほど浸けておきます。あまり長い時間浸けると旨みが逃げてしまうので、注意しましょう。砂抜きしたシジミは日持ちがしないので、できるだけ当日に食べ切ります。食べ切れない場合は、殻のまま冷凍するのがおススメ。シジミには旨み成分のコハク酸が貝類の中でもっとも多く含まれていますが、このコハク酸は冷凍すると増加すると言われています。冷凍したシジミは、そのままみそ汁に入れたり、パスタにしたり、凍ったまま調理することができるので便利です。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん

スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

シジミは、古くから身体に良い食べ物として親しまれてきました。「土用シジミ」と呼ばれる夏のシジミは、うなぎとともに夏の滋養強壮食としておなじみです。シジミには身体のさまざまな機能の代謝を良くする栄養素が多く含まれるので、夏の疲労回復にはピッタリです。シジミの汁物を作るときは、水から入れると良い出し汁が出ますが、火が通り過ぎると身が固くなることがあります。一方、お湯から入れると出汁のうまみは減りますが身がふっくらとします。違った味わいになるので、お好みで選んでください。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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